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電気自動車(EV)のポテンシャル

蘭ラドバウド大学の研究チームは、学術雑誌「ネイチャー・サステナビリティ」で、「世界の95%で、電気自動車は、ガソリン車よりも環境負荷が低い」と発表しました!  

エネルギー・デジタル・モビリティと興味のある私としては、うれしい報告。
「電気の発生プロセスを考えても、電気自動車の方がクリーンである」ということは、今後もEVの環境性はアピールできます。

ただ、私はこの点以上に、EVは社会を変革する力があると思っています。

それはEVが電力ネットワークを拡大させることができるためです。

・スマートグリッドとは何か

最近話題になっている、スマートグリッドという技術があります。
これは、分散化した電源を統合・制御し、発電・消費を繋ぐ新たなシステムです。  

出典:平成22年版環境・循環型社会・生物多様性白書  


今の発電システムは、原子力・火力・風力・水力など、様々な発電方法があります。スマートグリッドはこれらを1つにつなげ、地域のエネルギーを総合管理します。
これは自動制御され、最適な需給バランスを保ちます。

それだけではありません。スマートグリッドは、個人同士のエネルギー取引を可能にします。

今まで、私たちは「電力会社から、電気を買う・売る」という仕組みで電気をとらえていました。

しかし、スマートグリッドによって、電力のネットワークができ、電気を個人同士で融通し合うことができます。

我々は、プロシューマー(producer+consumer)になる。
かつ、ネットワーク上では、P2P(プロシューマー同士のやりとり)が実現されるのです。

・これは大きな社会変化

このスマートグリッドによる電力ネットワークは、社会に大きな変化を起こします。
電気を媒体とするウェブ空間が出来上がるためです。

そしてこのネットワークは広がりを見せるほど、巨大になるほど、価値が向上します。
それはインターネットと同じです。インターネットも、広がるほど、参加する人が増えるほど、新しいサービスがどんどん生まれてきました。

電力ネットワークにはそれに似た力があります。
新しい電気ビジネスが生まれることは大いに期待できます。

・EVは電力ネットワークを拡大するカギ

このように、電力ネットワークは、コネクテッドするモノが多いほど広がりを見せます。

そのためもし、EVが各家庭にあれば、このネットワークに大きなうねりを生み出せるでしょう。
しかも、EVはただネットワークにコネクトするだけではありません。

・蓄電池となる
もし、各家庭がプロシューマーとなるのなら、蓄電池が必要になります。
電気は需要と供給がマッチしてこそです。これはEMS(エネルギーマネジメントシステム)が最適化するでしょうが、やはり太陽光に頼る限り、供給量が大幅に上回ることが予想されます。
EVはその調節弁となります。

・モビリティ×電気の可能性
ヒト・モノ・エネルギーを運ぶモビリティになります。
電力ネットワークに、さらなる流動性が生まれ、電力ネットワークの巨大化が進みます。
そうすれば、インターネットのように、電気を媒体とする新ビジネスが生まれることも考えられます。

見てきたように、EVにはエネルギーの新しい世界を創り出す可能性があります。

クリーン性能が実証されたEVが、主流となる時代が到来することを心待ちにしています。

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