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ソーシャルな隠居が、51歳で再就職することに。

夏は終わりに近づき、涼しく過ごせる日が多くなってきた今日このごろ。妻が2歳の息子を連れて出かけたので(うれしいことに妻が一人の時間をくれたので)久しぶりにnoteを書いてみようと思いました。

気づけばもう6年半もこのnoteを書き続けていますが、ようやく記念すべき200本目の文章です。

共同生活の住人がきっかけをくれた

ホンダの原動機付自転車「カブ」に乗って散走中、ここよりも少し標高の高い道ばたで秋桜(コスモス)を見かけるようになりました。

そう、わたしは50歳にして初めて二輪車、というか50ccの原付、なかでもカブに乗り始めたのでした。

荷物をたくさん積める「プレスカブ50デラックス」

きっかけは数ヶ月前の、いよいよ明日から4月、というわが家「住み開きの古民家 ギルドハウス十日町」での夕飯で。

ふと、わたしが「明日から4月、新生活の季節だね。50代に突入したし、なにか新しいことでもしようかな」とつぶやいたら…。

食卓を囲んで当時いっしょに共同生活中の住人が「免許を取ればいいじゃないですか、行動範囲が広がりますよ」と言ってくれたのでした。

それまでの7年間、わたしは免許なしでこの豪雪地帯の山奥に暮らしていました。車社会と言われるこの田舎で、それでも共同生活をしているみんなが車を出してくれたので事足りていたのですが。

なんだか去年、カブを題材としたアニメが放送されていたのと、祖父が乗っていたことを思い出したのとで、毎日のようにネットでカブの動画をあさったりと猛烈にのめりこんでいったのでした。

それに延べ9,000人以上がやってきたこの7年間、カブで日本一周中の冒険者たちとも出会っていたので少なからず影響を受けたのかもしれません。

それから1ヶ月足らずで原付免許を取得。そのあいだに高校生たちとまざりながら技能実習や試験を受けたりと、とても刺激的で楽しい日々を過ごすことができました。

山奥からでも気軽に走り出せるカブ

そして免許取得後、これまでの7年間に半ばひきこもりだったわたしがそれまでのひきこもりは何だったのかというくらい、カブであちこちを散走するようになったんです。

ちょうどそのころは新緑の季節ということもあり、とても清々しくて気持ちのいい原付ライフのスタート。それはそれは楽しかったですね。

あいまに家事の買い物をしたり、地域のお手伝いがてら最寄りの駅掃除をしたり、気が向いたらちょこっと遠出をしたり。

ガソリンの値段が高いご時世にはうれしい、燃費はリッター60kmと驚異的。自然に節約生活をおくる隠居にはちょうどいい趣味なのかもしれません。とにかくどこまでも走っていけそうです。

そんなふうにちょっとした用事でも、またこんな山奥からでも、自転車のような感覚で気軽に走り出せるカブは、わたしの日常に大きな変化を与えてくれました。

で、勢いあまってハローワークへ

そんな50歳の原付ライフがある程度まで慣れたころ、その日もあちこちへ散走中だったわけですが、そういえば妻からハローワークに登録すると育児支援で良いことあるよ的なことを言われたなと思い出しました。

「よし、カブで散歩がてら行ってみよう」

さっそくハローワークへ行って登録してみたら、窓口のひとに某社をすすめられ…。

その会社が、偶然にも元住人が勤めていたところだったので「あのこが勤めていた会社かあ。話には聞いていたけど実際どんな感じなのかな」と興味本位でその日のうちに見学してみると、あれよあれよという具合に採用が決まってしまったのでした。

想定外を楽しむソーシャルな隠居

まさかわたしが再就職することになるとは。

「え!? ハルさんが就職!?」だなんて周りにはとても驚かれましたけど、おそらく一番ビックリしているのは自分ではないでしょうか。

というか、こんなわたしを雇ってくださるとは。

ちなみに就職先は、わたしが暮らしている新潟県の十日町市で80年以上も続く老舗の印刷会社。そこで新設されたWebサイト制作を主とする部門にて、わたしはWebプランナー/Webアプリエンジニアという肩書をいただき、正社員として働くことになりました。

それからというものギルドハウス十日町のみんなが協力してくれて、とにかく社長や同僚のみなさんからほんとうによくしていただいています。

おかげであっというまの2ヶ月半。実に11年ぶりの会社員ということで、はじめは不安だらけでしたし、覚えることもたくさんありました。なんだか40歳のときまでとは違った感覚ばかり。それを楽しみながらの勉強の毎日。

そういえば息子が来年から幼稚園に通う予定で、それから小中高と、この地域で進学していくのなら、そんなふうにこれからも十日町市で住み続けていくのなら、地元の老舗の会社に就職して地縁が広がるのは良いことでは、とも思っています。

ひとまず、隠居仕事の感覚で気負わずにやっていきます。

というわけで。想定外を楽しむソーシャルな隠居の暮らしは50代に突入しても相変わらずです。

ギルドハウス十日町は3.0に

息子が生まれてからというもの、ギルドハウス十日町での暮らしはバージョン(Ver.)2.0に変わりました。初めての人数制限をとりいれて、ゆとりある子育てを目指したのです。

そして今年の春からはVer.3.0にアップデートしました。

Ver.1.0のときのギルドハウス十日町とは違って思われるかもですけど、基本的にはなんら変わりありません。

先日カブに乗った冒険者がやってきました。今日もひとり見送りました。この夏も元住人たちが『帰省』してきたりと楽しい日々を過ごせました。

毎年のお盆はわたしの誕生日なのですが、今年も住人の手握りのお寿司をはじめ、おいしいものをたくさん食べて幸せでした。

これからも柔軟に、暮らしのアップデートを続けていきます。

すべては、自分が死ぬまで楽しく暮らしていくために。

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