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アジアにも影響を与えたジャニーズの曲

現在では「K-POP」というパッケージそのものが一部のファンだけではなく世界中に広く認識されるようになっており、アメリカのミュージックシーンにおいてもチャートを覗けば幾つものK-POPグループの名前が並んでいる。しかし、昔の韓国は自国文化の保護のため、また大日本帝国の韓国併合とその後の日本統治時代の影響による国民感情を害するとして、1998年の第1次解放時までは日本の漫画や映画、音楽など大衆文化を法令で規制していました。そのような状況の中で密かに日本の歌やジャニーズの音楽も人気を得ており、中には日本文化を禁止しているという点を悪用して日本の音楽を盗作するといった事例もよくありました。一方で、台湾や香港なども1980年代は、日本の文化が政府によって規制されており、日本のテレビ番組を放送したり、流行歌を販売することは禁止されていたが、非合法な形で日本の文化は流通しており、相撲、プロレス、NHK紅白歌合戦などの日本番組のビデオテープは、あちこちのレンタルビデオ店で取り扱われていた。1982年から日本の音楽テープを取り扱う専門店も現れ、日本のアイドルのポスターや写真も広く流通した。戒厳令解除後李登輝による民主化の流れの中で、1988年にパラボラアンテナの設置が解禁され、NHK衛星放送の受信を初めとして日本の映画やテレビドラマが解放されました。今回は、韓国や台湾のアイドル(または歌手)とジャニーズの似ている楽曲をご紹介したいと思います。

■似ている曲

ギンギラギンにさりげなく / 赤州ノチョパナムボ

ギンギラギンにさりげなく(1981年) / 赤州ノチョパナムボ(1984年)

1981年に近藤真彦が発表した4枚目のシングル「ギンギラギンにさりげなく」は、日本の音楽の流通が禁止されていた当時の韓国でスケート場やディスコクラブで密かに聴かれていた。そして1984年にハム・ユンサンという歌手が「赤州ノチョパナムボ」という曲を発表し、曲調が¨ギンギラギンにさりげなく¨に似ているという意見が多く挙がった。

●ダイアモンド・アイズ / 通話中

ダイアモンド・アイズ(1986年) / 通話中(1988年)

1987年にデビューした韓国の音楽グループ・消防車の代表曲の1つである「通話中」が、少年隊の「ダイアモンド・アイズ」に酷似しているという指摘を受けたことがある。そして面白いことにソバンチャ自体もジャニーズの少年隊をベンチマークしたグループで人数・衣装・振り付け・グループ名など全体的に似ている点も多い。

●君だけに / ティファニーで朝食を

君だけに(1987年) / ティファニーで朝食を(1997年)

少年隊の6枚目のシングル「君だけに」は、グループ初のスロー・バラード曲でオリコンTOP100内に21週間チャートインし、少年隊のなかでも史上最長のロングヒットとなった。1997年にデビューした韓国の男性アイドルグループ・NRGの1集の後続曲である「ティファニーで朝食を」がイントロで指を鳴らす音と振り付け、バラード調の楽曲など全体的に曲の雰囲気と構成が少年隊の¨君だけに¨に酷似している。ちなみにNRGは、少年隊をお手本にしたソバンチャのメンバーがプロデュースしたグループであり、少年隊→消防車→NRGというように日本のアイドルから韓国のアイドルへ路線が受け継がれている点が面白い所である。

●What's your name? / 青蘋果樂園

What's your name?(1988年) / 青蘋果樂園(1989年)

少年隊が1987年に発表した11枚目のシングル「What's your name」は、翌年の1989年に台湾の男性アイドルグループ・小虎隊によってカバーされた。こちらは¨似ている曲¨ではなく正式なカバー曲である。小虎隊も日本の少年隊の影響を受けたアイドルグループであり、人数・振り付け・音楽・グループ名など全体的に似ている点が多い。ちなみに小虎隊は、リトルタイガースと読む。

●じれったいね / 逍遙遊

じれったいね(1988年) / 逍遙遊(1989年)

1989年に小虎隊(リトルタイガース)が発表した「逍遙遊」という楽曲は、少年隊の12枚目のシングル「じれったいね」をモチーフに作られた楽曲であり、曲の構成がすごく似ている。ちなみに逍遙遊 = 逃げるという意味。

●お祭り忍者 / 我的心要去旅行

お祭り忍者(1990年) / 我的心要去旅行(1991年)

1991年、ビビアン・スーが在籍していた台湾の女性アイドルグループ・少女隊が発表した「我的心要去旅行」という曲に、忍者の「お祭り忍者」のイントロ部分がサンプリングされている。そしてこの少女隊も日本のアイドルグループ・少女隊から影響を受けたものである。

●お祭り忍者&ギンギラギンにさりげなく / 天上有愛

●お祭り忍者(1990年)・ギンギラギンにさりげなく(1981年) / 天上有愛(1995年)

1995年、韓国の混成アイドルグループ・Roo'Raが「天上有愛」という曲を発表したが、アルバム(3集)発売の数日後から、日本のジャニーズグループ・忍者の「お祭り忍者」を盗作したのではないか?という意見が多く挙がり、さらに近藤真彦の「ギンギラギンにさりげなく」のメロディーも織り交ぜられていたことから問題となった。天上有愛のサビ部分とお祭り忍者&ギンギラギンにさりげなくのサビ部分が一致する。

●オリジナルスマイル / 友達じゃない

オリジナルスマイル(1994年) / 友達じゃない(1995年)

韓国の男性アイドルグループ・R.efが1995年に発表した「友達じゃない」という曲が、SMAPの「オリジナルスマイル」のサビ部分に酷似している。ちなみにR.efというグループ名も、日本の男女混成グループのTRFから取った名前である。

●僕の背中には羽根がある / ガシリ

僕の背中には羽根がある(2001年) / ガシリ(2007年)

2007年、韓国の音楽グループ・SG Wannabeが発表した「ガシリ」という曲が、Kinki Kidsの「僕の背中には羽根がある」に似ているという意見が出た。実際に聴いてみると確かに曲の雰囲気は似ているが、特に問題にはならなかった。

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