第1世代のボーイズグループはみんな「H.O.T」に影響を受けていた
1990年代初頭までの韓国歌謡界はバラードやトロット(演歌)が主流であったが、1992年にソテジワアイドゥルの登場により、当時の韓国音楽界の流れを変え、このソテジワアイドゥル引退以後、これに影響されて誕生した確かなK-POPの第1世代アイドルは1996年のH.O.Tから始まった。
H.O.Tは「韓国版New Kids On The Block」として結成され、SMエンタテインメントからデビューした最初のアイドルグループである。デビュー以後、人気が想像を超越し、音楽とメンバー構成からファッション、活動方式、ファンクラブなどH.O.Tが行うすべてが流行となり社会現象を巻き起こした。彼らの人気に影響を受けて他の芸能会社もH.O.Tの遣り方を模倣して男性アイドルグループを次々にデビューさせるようになります。
●SechsKies
1996年、大成企画(現:DSPメディア)は男子中学生で構成されたアイドルデュオ「IDOL」を送り出した後、新たに2人組のデュオを売り出すことにした。そのときのメンバーがウン・ジウォンとカン・ソンフンでこの2人をラップデュオとしてデビューさせるつもりだったが、その間にSMエンタテインメントから登場したH.O.Tが爆発的な人気を博す。そこで大成企画は急いでメンバー4人(イ・ジェジン、キム・ジェドク、チャン・スウォン、コ・ジヨン)を追加して6人組のアイドルグループへ変更することにした。そしてジェックスキスとして1997年にデビューするとH.O.Tとライバル構図となり、韓国アイドル界の二大巨頭と呼ばれた。
●太四子
当時、所属事務所だったマスコムは、TWO TWO、UP、COOLといった男女混成グループの人気に注目していたため、太四子も当初は混成グループとして結成された。現在の男性メンバー4人に女性歌手のチェヨン(日本ではジニーという名前で活動した)を加えて5人組の混成グループとしてデビューの準備をしていたが、途中で所属事務所側がSMエンタテインメントのH.O.Tの人気に影響を受け、男性メンバー4人だけのボーイズグループへ変更することになった。当時、主流だったヒップホップ調ファッションではなく、ダンディーな王子様コンセプトでスーツを着用し、他のアイドルと差別化を図り、ファン層は10代よりも20代の若者たちから支持を受けた。
●NRG
1996年、消防車のメンバーだったキム・テヒョンとチョン・ウォングヮンが設立したミュージックファクトリーエンターテインメントは2人組のDEUX、TURBO、Untitleなどの人気に着目しており、チョン・ミョンフンとイ・ソンジンをアイドルデュオ・HAMO HAMOとしてデビューさせるが、その後にSMエンタテインメントがH.O.Tをヒットさせると所属事務所は「H.O.Tと同じ5人組のグループ」を売り出すことにする。ノ・ユミン、ムン・ソンフン、キム・ファンソンの3人を追加して5人組のアイドルグループ・NRGとして再デビューさせた。韓国のみならず中国にも進出し、高い人気を獲得した。本来は、「H.O.Tの対抗馬」として登場したが、同時期(8日差)にデビューしたマスコム所属の太四子とライバル構図となった。
●Eagle Five
1998年にデビューした男性アイドルグループで当時大人気だったH.O.Tの影響を受けて登場した。デビュー当時は、ベートーヴェンミュージック所属のO.P.P.Aとライバル構図を形成した。活動当時メンバーの年齢が若かったこともあって明るく可愛い雰囲気のイメージをアピールし、アルバム収録曲や活動時のコンセプトは社会批判、思春期、成長などをテーマに取り上げた全体的に暗い雰囲気の楽曲が多かった。一方でH.O.TやSechsKiesなどに比べるとB級~C級アイドルのポジションに位置しており、あまり大きな人気は得られず2集活動の後、1999年に解散した。
●god
1997年、所属事務所のサイダスHQより「god6」というグループ名で6人組の男女混成グループとして結成された。当初は、ソン・ホヨンとデニー・アン、シュー、キム・ファンソンの4人で混成グループを作ったが、シューがSMエンタテイメントに移籍してS.E.Sのメンバーとなり、キム・ファンソンはミュージックファクトリーエンターテインメントに移籍してNRGのメンバーに合流したため、その代わりにパク・ジュンヒョンとユン・ゲサン、ラップ担当の男性メンバーと女性ボーカルが加入してデビューの準備が始まった。
男性5人、女性1人(女優のキム・ソナ)からなる男女混成グループとしてデビューの準備を進めていたが、プロデューサーを引き受けたパク・ジニョンがSMエンタテインメントのH.O.Tの人気を見て「混成グループでは売れない」と判断し、5人組の男性アイドルグループへ変更する。男性メンバー1名とキム・ソナが脱退。その代わりにパク・ジニョンに直接デモテープを送ってきた当時高校2年生のキム・テウが加入して男性グループとなった。パク・ジニョン(J.Y.Park)が初めて製作したアイドルであり、テレビ番組で見せた隣のお兄さん的な親しみやすいキャラクターと音楽性の高さで幅広い年齢層からの支持を得る。以後、「国民グループ」の愛称で親しまれている。
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