痛めたときの対処法 (2021.11.20更新)
セラピストをしていると、必ずこんなことを聞かれます。
「痛めた時は、温めるのと冷やすのでは、どちらがいいですか?」
ちなみに、みなさんは『あたため派』ですか?『冷やし派』ですか?
今回はコレについて、1つの答えを出します。
急性期は冷やしてください
基本的に急性期は、『RICE処置』を行うのが基本とされていますので、『冷やす』のが正解です。
冷やし方にコツはありません。
痛い場所を「氷のう」や「保冷剤」などをあててください。費用はかかりますが、湿布でも構いません。
入浴もシャワー程度にしておいてください。
また『安静』はとても重要なことなので、守るようにしてください。
最近ではYouTubeを見て運動する方がいますが、長引く原因になるので注意しましょう。
ちなみに急性期の目安は、約48時間です。
慢性期はどちらでもOK
受傷後、48時間を超えると慢性期となります。
ココからは、傷めた場所により対応が違いますが、プロ以外の方がセルフで対処する時は、自分が快適と思う方を選んでください。
それでほとんど間違いはありません。間違っても不快に感じることを選択しないでください。
温・冷湿布に注意
温める/冷やすを、「温/冷湿布」と勘違いされる方が多いので、お伝えしておきます。
湿布の温冷は、皮ふの感覚としてそう感じるだけで、どちらも患部を冷やす効果があります。
温めたい場合は、「使い捨てカイロ」「あずきを温めて使うカイロ」などを使ってください。
しっかり冷やしたい場合は、前述しましたが「氷のう」「保冷剤」が効果的です。費用はかかりますが、もちろん湿布でも構いません。
温/冷の使い分けと最適な治療法について(プロ用)
あなたがプロで、目の前の患者さんから問われたら、そのときは明確な理由を持って、温冷どちらが良いかちゃんと伝える必要があります。
ずばり、温/冷の使い分けは、「どの組織が損傷したか?」によって決まります。
【筋挫傷】は、回復のために血液を必要とします。
炎症期こそプロスタグランジンの運搬を抑えるため冷却が必要ですが、
以降は血行を促進するため温めることが有効な手段となります。
ホットパックや、赤外線などの光線治療が有効的です。
間違っても、損傷部位をマッサージするようなことは避けてください。傷口を広げ悪化させてしまいます。
【靭帯捻挫】は、靭帯を短縮させ関節を固定することが治療法になります。
靭帯は冷やすことで伸張を抑えることを防げますが、温めると逆に伸張しやすくさせます。
アイスパック、氷のう、超音波治療器が有効です。
伸ばして痛めたものにストレッチを行ったり、関節を守っている筋肉をマッサージで緩めてしまうようなことは避けてください。
まとめ
手軽にできる対処法ほど、間違った治療法を選択しがちですが、それが慢性的な症状につながることは珍しくありません。
温冷は、対処法が真逆と言うだけでなく、適応する対象も全く違います。
今回のケースでは、患部を正しく見極め、患者さんが早期回復できる環境を整えることが重要になります。
患部の見極めは、触診だけでいけるものなので、筋と靭帯の識別に不安な方は「触診を基礎から学べるnote」を習得してください。
初級で筋肉、中級で靭帯の触診方法が学べます。
これからもプロが知っておくべき情報を、手軽な価格で提供していきたいと思います。今回の記事が、お役に立てると嬉しいです。
ではまた
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