Weekly 院生活

大学院生活ってどうなの? それを調べたいと思っていても、必要な情報を手に入れる術がわか…

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大学院生活ってどうなの? それを調べたいと思っていても、必要な情報を手に入れる術がわからない。 現役東大生が大学院生活のリアルを発信します。 大学院を目指す人 / 現役大学院生のためのメディア。

最近の記事

「Great Books of the Western World」プロジェクトから学ぶ「考え方」

全世界的に大学院に進む人数は増えている現在、全世界的に大学院に進学する道を選択する人々は、増加していると考えられます。下記図からも読み取れる、研究者数の推移から推論できると思います。 今後世界がどう変わるかわからない。人生100年時代と言われています。それに伴い転職平均年齢は40代が普通。40代でまた新たな職につき、人生を歩んでいくことが当たり前になりました。 しかも、技術革新の速度は速すぎて、大学院に所属している著者本人も不安になることが結構な頻度であります。 一つの例

    • ブラック研究室の見分け方「後編」

      「前編」では、ブラック研究室の定義をしてみました。もし読んでない方がいるのであれば、下記のリンクを参考にしてください。 今回の「後編」ではブラック研究室の現状は何故なくならないのか? 実質不条理な事をされた学生はどうなるのかを中心に解説したいと思います。 認めない・認めたくない「ブラック」研究室 ブラック研究室はどの大学院にもありますが、誰も言いたがらない、見て見ぬふりをする代表的な象徴だと思います。もちろん東京大学も例外ではありません。 東大新聞の記事を参考にしてみて下

      • 論文執筆の方法「研究課題とは?」

        国内の院生は、少なくとも自ら設定した一つ以上の「研究課題:テーマ」に関して論文を執筆する必要があります。今回は「どうやって」を研究テーマを設定するべきなのか、その進め方に関して考察したいと思います。 院試で設定した研究課題は変えざるを得ない我々院生は入学試験の際、必ず研究計画書を提出し、その内容を面接で発表 するといった関門を突破してきました。しかし、修士課程入学前に作成する研究計画書は、基礎・専門知識がほぼない状態で執筆することが多く、その内容は実質使えない場合が普通とさ

        • 「小講座制」と「大講座制」

          「講座制」とは 以前の記事で「講座制」とはなんぞやということを簡単に説明したのですが、今回は「講座制」をさらに詳しく掘り下げたいと思います。 そもそも、「講座制」は、教育だけでなく研究の機能を持つ旧制の大学、それも帝国大学に固有の組織原理でした。「講座制」の講座は、ある学問分野の専門領域を表しています。原則として、教授:1、助教授(今の准教授):1、助手(今の助教):1〜3が配置され、教授・助教授・助手という3職階の教員がワンセットになって一つの講座が構成されます。 大

        「Great Books of the Western World」プロジェクトから学ぶ「考え方」

          博士進学の理由・メリットとは?

          博士進学は…考えたことがない学生が大半では?博士という道は一見、とんでもないトレードオフを強いられるといった認識があるのかもしれません。周囲にもこういった認識は蔓延しており、博士進学率は低いと思います。下の引用文は博士に対する認識を代表していると思います。 政策主導の研究立国の道は、開かれるのか? 「未来が不安・貧困等の」博士課程認識に変革が起きるかもしれません。新たな政策ができたからです。下記リンクの記事を一緒に見てみましょう。 岸田政権になり、日本国政府は再び「科学技

          博士進学の理由・メリットとは?

          大学院試験は研究計画書で決まる

          大学院に行って勉強したい!と思ったタイミングが大学4年生。 でも、GPAはすごく低い。 上げようにも4年生から、もしくは既に社会人になっていてここから挽回するのは厳しい。 こんな思いをしている方は多いのではないでしょうか? 筆者自身、大学卒業時のGPAは2.2と大学院を志望する人の中ではダントツに低かったと思います。 私は学部はMARCHの大学に通っており、大学院から東大に来たという経歴です。 なぜ、GPA2.2の貧弱学生が東大の大学院に合格できたのか。 私が受験

          大学院試験は研究計画書で決まる

          「講座制」と「学科目制」からみる研究室の構成

          教授・准教授・助教がいる研究室と、教授(准教授)が一人だけいる研究室の違いの理由を知っていますか? 将来教員になりたい方は、そのルーツを知っておくことで、教員を目指す道筋の1つの指標になるでしょう。 両者の違いは、旧帝国大学系の大学と地方国立大学のでき方の違いから生じていると言われています。 1. 異なるルーツ実は、そもそも旧帝国大学系の大学と地方国立大学は、異なるルーツを持っています。 戦前期の日本には、帝国大学・大学校・高等学校・大学予科・専門学校・高等師範学校・

          「講座制」と「学科目制」からみる研究室の構成

          院生の生活費事情

          院生活のお金事情ってどうなの? ネットで調べると、JASSO(日本学生支援機構)が公開している統計データが見つかります。全体の傾向についてはこちらが参考になるかと思います。 この記事では、より事例ベースの情報として、私の学生生活費についてご紹介したいと思います。ご参考になれば幸いです。 私のプロフィールを簡単にまとめるとこのようになります。 ・東大院生 修士課程1年 ・男 ・一人暮らし ・電車通学 ・週3~4ほどでキャンパスに通っている それでは早速本題に入っていき

          院生の生活費事情

          研究室別運用資金の推定方法

          皆さんは、研究室に志願する際、研究室の資金レベルについて調べたことはありますか? 研究内容は調べる、資金力については調べずに志願したといったケースが多いと思います。 研究室の運用資金は院生活に非常に大きな影響を及ぼしますので、まずは運用資金がなぜ重要なのか、その理由を解説したいと思います。 実験費用はどうするの? まず、理系である場合、論文を執筆するために必ず必要なのが実験費用です。実験道具、実験機器、実験薬品、実験参加者募集など、様々なことにお金がかかります。 筆者

          研究室別運用資金の推定方法

          お金が無くても国際学会に参加するために

          国際学会に参加したいが、資金が足りない…。 せっかくの機会をお金で諦めるのはもったいないですよね。 筆者も所属する研究室が予算を持っておらず、国際学会の参加に関して1円もだせないという状況でした。 しかし、今回紹介する方法を実践したことにより、総額50万円ほどの予算をゲットすることができました! 所属する研究室が予算を持っていなくても、公費で国際学会に参加するノウハウを書いていきます。 1.指導教官以外の先生に頼んでみる所属する研究室の教授に断られても、似た分野の違う

          お金が無くても国際学会に参加するために

          分報のすすめ|教員を有効活用するために

          みなさんは教員という"研究資源"を有効活用していますか? みなさんの研究室はSlackなどのプラットフォームを使っているでしょうか。 コロナ禍でオンラインで研究やゼミを実施するようになってから、SlackやMicrosoft Teamsのようなツールはさらに広まったと感じます。 情報のフローを生み出すことができ、拡張性にも秀でているため、研究室生活を便利なものにすることができます。 ただし、流れてくる情報を受動的に読んでいるだけでは、教員や先輩といった"研究資源"を最

          分報のすすめ|教員を有効活用するために

          大学院に入学したら読むべき本 3選

          文系理系問わず、大学院に入学したら読むべき本をご紹介します。 東大の教授陣が絶賛する良書もご紹介しているので、ぜひ読んでみてください。 『統計学入門 (基礎統計学Ⅰ)』 文系でも理系でも論文を執筆する際に必ず必要な知識。それは統計学です。 いままで、統計について勉強してこなかった…。 数学とか分析とかそもそも苦手…。 こういった人にこそおすすめしたい一冊です。 初学者でも理解できるように、丁寧に統計学の基礎が書かれており、長年出版され続けており、東大の教授の多くが絶

          大学院に入学したら読むべき本 3選

          ブラック研究室の見分け方「前編」

          院生活を語る上で、研究室の話は欠かせない事だと思います。 研究室がブラックだと、院生活・人生に多大な影響を及ぼすので、進学を考えている方には是非とも読んでほしい記事です。 外部からでも確認できるブラック研究室の特徴は、割とはっきりしているのでその特徴をお伝えします。 初めにブラック研究室などを耳にしますが、そもそもブラック研究室の定義とは何でしょうか? 「やばい」としか表現できない人が多いのではないでしょうか? 我々の周囲にも質問をしてみましたが、明確に説明できる院生は少

          ブラック研究室の見分け方「前編」

          院生活は即レスで決まる!(特に遊びの誘いには)

          みなさんは、返信が早いほうですか? 私は、大学院生になってから、できる限り即レスすることを心がけています。 大学院生はメールやSlackを使う頻度が学部時代に比べて跳ね上がります。 待っていれば、情報を届けてくれるのは学部時代で終わりです。 大学院生は自ら連絡を取り、情報を取りに行かなければなりません。 教授や学務に連絡する量は、学部時代とは比べ物にもなりません。 ここで大事になるのが、返信スピードです。 元々、返信は遅めだったのですが、最近は通知に気づいた瞬間に返

          院生活は即レスで決まる!(特に遊びの誘いには)

          指導教員の類型と院生活

          東大の研究室はまさに「王国」と言えるかもしれません。 王国ごとに財政(運営資金)・法律(ルール)・常識・文化も違います。 東大の大学院とは、まさしくいくつもの王国が存在している大陸みたいなものです。 王国にはすべてを決める王様が存在しています。すなわち指導教員です。 今回は、「王様」の類型があるとされているので、在学生の方は自分の指導教員はどうなのか、進学を希望している方には指導教員をどう見極めるべきなのか、これを判断する材料を提供したいと思います。 米・Duke大学

          指導教員の類型と院生活

          Weekly 院生活

          大学院生活ってどうなの? 研究室や就活、お金のことなど、大学院に関する正確な情報はどのように手に入れればよいでしょうか? 大学院で何ができ、何が得られるのか、誰も詳しく教えてくれません。 留学生や研究者、社会人をやりながら大学院生活を送る人など、多様な場であるはずなのに、シェアする場は用意されず、その情報は閉ざされたままです。 情報をオープンにすることで、新たな可能性への気付きが生まれ、選択肢が広がります。 私達は自身が望む選択肢、可能性に挑戦できる情報がシェアされる

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