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政府主導の政策で「ヒト・モノ・カネ」を動かし賃上げを|【特集】価値を売る経営で安いニッポンから抜け出せ[PART4-「政策」を考える]
賃金の上昇を伴わない物価の上昇に国民の不満は募るばかり。企業努力も必要だが、政府主導の政策による後押しも不可欠だ。 経済協力開発機構(OECD)が9月末に2023年の経済見通しを発表した。突然クイズで恐縮だが、日本、米国、英国、ドイツはA、B、C、Dのどれに当たるか。 経済成長率 A=1.4%、B=0.5%、C=0%、D=マイナス0.7% ヒント。A、B、C、Dの23年のインフレ見通しは次の通り。 インフレ率 A=1.98%、B=3.37%、C=5.89%、D
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記事をすべて見る すべて見る「買いもの上手」がデフレ時代脱却のカギになる|【特集】価値を売る経営で安いニッポンから抜け出せ[REPORT-価値の「売り方」2]
販売員にとっても、消費者にとっても嬉しい「買いもの」とは?販売のプロにそのコツを聞いてみた。 文・編集部(友森敏雄) 「ゴールデンベア」などのブランドを展開する老舗アパレル企業コスギ。社員の久保田正恵さんは販売の面白さに魅了されて『「客単価アップ」販売のススメ』(同文舘出版)という本まで出した。久保田さんの話を聞いていると、買いものの仕方を変えてみようと思えてくる──。 久保田さんが販売の面白さを知ったのは、知人からの頼みで試食の販売員をピンチヒッターで務めたことだ
有料250ECサイトを超える価値 百貨店「外商」の新潮流|【特集】価値を売る経営で安いニッポンから抜け出せ[REPORT-価値の「売り方」1]
百貨店「外商」が活況を呈している。富裕層を魅了する〝人ならでは〟のサービスが生み出す価値とは。 文・編集部(梶田美有) コロナ禍で訪日外国人が激減し、国内消費も自粛ムードで落ち込む中、百貨店業界は大きな打撃を受けた。だが、一部の〝お得意様〟向けサービスである「外商」はコロナ禍でも活況を呈しており、新たな潮流が生まれている。 現場では徹底的にお客様の価値観に寄り添い、テクノロジーではできない〝人ならでは〟のサービスで勝機を見出す外商員の姿があった。 三越伊勢丹ホー
変化を続ける人々の価値観 社会を動かす「応援消費」とは|【特集】価値を売る経営で安いニッポンから抜け出せ[PART3-「消費行動」を考える]
「消費」をすることで「応援」するという新しい動きがある。「応援消費」は人々の行動や社会にどのような変革をもたらすのか。 災害で被災した地域だったり、「ふるさと納税」という形で見ず知らずの地域だったり、果てはアイドルまで、「消費」をすることで「応援」するという動きがある。この現象について『応援消費─社会を動かす力』(岩波新書)で分析した東京都立大学の水越康介教授に、「応援消費」が、どのように人々の行動や社会を変革する可能性があるのか聞いた。 「応援消費」という行動がある
有料300世の中にない商品をつくれば価格は自分で決められる|【特集】価値を売る経営で安いニッポンから抜け出せ[REPORT-価値の「伝え方」2]
〝超〟富裕層のニーズを満たす旅行コンテンツを提供するエクスぺリサス。「五ツ星の体験」をつくることでどのような「価値」を生み出しているのか。 文・編集部(友森敏雄) 10月11日から、訪日外国人旅行者(インバウンド)に対して、1日5万人に制限していた入国者数の上限を撤廃し、個人旅行も解禁された。新型コロナウイルスが流行する前の2019年、訪日外国人数は、3188万人と過去最高を記録。日本の観光資源が世界中の人々を魅了した結果だが、足りないものがあった。 〝超〟富裕層の
「おいしいものだけを売る」 信念貫く〝奇跡のスーパー〟|【特集】価値を売る経営で安いニッポンから抜け出せ[REPORT-価値の「伝え方」1]
群馬県高崎市にある小さなスーパーマーケット「まるおか」。〝奇跡のスーパー〟が提供する価値とは。 文・編集部(鈴木賢太郎) 「食は命」「食べものは安さ・便利さだけで選ばない」「子供には本物の味を」……。 開店前の午前10時。群馬県高崎市にある「スーパーまるおか」に入店すると、至る所に貼られた〝紙〟が目に飛び込んできた。店内には大型店やコンビニで広く扱われているナショナルブランド(NB)の商品は見当たらない。冷凍食品から調味料、飲料、お菓子に至るまで、初めて見る商品ばか
有料250売り上げや利益で測れない「強いブランド」をつくる価値|【特集】価値を売る経営で安いニッポンから抜け出せ[PART2-2-「脱価格戦略」を考える]
「使う人が喜ぶものをつくる」との発想だけでは、強いブランドはつくれない。つくり手の哲学や思いを言語化し、その価値を伝える努力をすべきだ。 私は1990年から2016年までの26年間、ルイ・ヴィトンやティファニー、フェラガモという「ラグジュアリーブランド」の業界に身を置き、仏・米・伊3カ国の経営スタイル、ブランドマネジメントを経験してきた。ブランド業界で学んだことは、現在でも私自身の仕事に対する考えや価値観に大きな影響を与えてくれている。 足元、多くの日本企業が熾烈な価
有料300値決めは企業経営の命 経営者よ、「価格」ばかりで戦うな|【特集】価値を売る経営で安いニッポンから抜け出せ[PART2-1-「脱価格戦略」を考える]
価格の安さを売りにすると、従業員や関係者を犠牲にした経営から永遠に抜け出せない。経営者は強い危機意識と変革の覚悟を持ち、非価格競争力を高める経営に転換すべきだ。 「良いものをより安く売る」 日本社会で頻繁に取り上げられるこのフレーズを聞くたびに、私は「これは正しい日本語なのか?」と考えてしまう。本来、良い原材料を使い、従業員が手間暇をかけてつくっている良いものは、適正な価格があって然るべきだ。 しかし、日本では「安さ=正義」とばかりに、そのことがあまりにも軽んじら
有料300地域の有志が試行錯誤で学ぶ「ブランド」の育て方|【特集】価値を売る経営で安いニッポンから抜け出せ[REPORT-価値の「つくり方」2]
地域の有志が集まって生み出した「福山デニム」。このブランドの価値をどのように高めようとしているのか。 文・編集部(友森敏雄) JR福山駅から福塩線で約30分。戸手駅の近くに古いミシンを使用したビンテージジーンズの製作で知られる縫製会社NSGの工場がある。2018年、NSG社長の名和史普さんら、地場産業の有志が「福山ファクトリーギルド」を組織して「福山デニム」を開発した。 広島県福山市は、生地、刺繍、縫製などデニムの関連産業は多いのに最終商品はなく、もっぱら「児島ジー
流通側が握る家電の価格決定権 メーカーは取り戻せるか|【特集】価値を売る経営で安いニッポンから抜け出せ[REPORT-価値の「つくり方」1]
「家電の値段は毎年下がる」のが常識という日本の商慣行。良い製品をつくり続けるため、ついにパナソニックが動いた。 一時代をつくったスーパー「ダイエー」の創始者、中内㓛氏。信念は「価格の決定権をメーカーから消費者に取り返す」ことだった。「価格破壊」というワードが、彼の代名詞として使われた。この〝流通の革命児〟と長年にわたり戦ったメーカーがある。〝経営の神様〟とも呼ばれた松下幸之助氏率いる松下電器(現パナソニックホールディングス)だ。時は、昭和の東京オリンピックが開催された19
有料300デフレ脱却への〝追い風〟 値上げと賃上げの好循環生み出せ|【特集】価値を売る経営で安いニッポンから抜け出せ[PART1-「物価と賃金」を考える]
消費者の値上げ嫌いを恐れ、企業の「価格据え置き慣行」が定着した日本。国民の意識の変化を好機とし、今こそ値上げと賃上げの好循環を実現すべきだ。 物価とは蚊柱である──。 「物価とは何か」ということを理解してもらうとき、私はこの比喩を用いて説明している。 蚊柱とは、たくさんの蚊が集まり、柱のように見える群れのことである。世の中に何十万と存在する商品は一匹一匹の蚊に当たり、ミクロで見れば素早く移動する蚊(=価格変動が激しい商品)もいれば、緩やかに移動する蚊(=価格が安定
有料300