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サービス視点から見た小売業の考察 「サービス視点を持つ小売業 / Retail as a Service / RaaS 」(2022年)
2019年バンコックの経営学会で研究発表(全文英語 横浜市大鴨志田教授との共同研究)したものを日本語化し、現段階で必要と思われるアップデートを瀧澤が施しました。 ================================== 概要:コロナ禍という地球的な災害も影響して、いま小売業界は多くの課題に直面している。築き上げた地位を失いつつあるのは「製品の在庫と分配」を主な機能としてきた「旧型」の小売業である。そうした企業に必要なのはデジタル対応(DX)だけではない。アマゾン
(3)「サービスとしての小売業 / Retail as a Service / RaaS 」(2022年) 商品の先にある価値とD2C
■「商品の先にある価値/Beyond Product Value/BPV」を創造するD2C SPA(製造型小売業)はすでにアパレル業界における一般的なビジネスの形態になっている。SPAは自社で商品企画とデザインを行い、自社の責任で商品を製造し販売する。アマゾンも現在SPA化を目指して着々と準備を整えている。前の項で述べたように、2020年時点で同社は様々なカテゴリーにおいて100を超える自社ブランド、あるいはアマゾンだけが販売できる独占的なブランドを展開しており、その数は急
(2)「サービス視点を持つ小売業 / Retail as a Service / RaaS 」(2022年) 分配の先にある価値
◼️製造業と流通業 流通業の最終的な目的は製造業によって生産された製品を消費者に引き渡すことにある。つまり流通業(Distribution Industry)は製品のDistribution をおもな目的とする産業である。それぞれの店舗においてはマーチャンダイジングという行為が加えられて「業態」、たとえばコンビニエンスストア、スーパーマーケット、ディスカウントストア、ドラッグストア、専門店、百貨店などが創り出される。こうした業態においえ新しい価値が付加されることもあるが、そ
(1)「サービス視点を持つ小売業 / Retail as a Service / RaaS 」(2022年) ナチュラルモノポリー企業の誕生と小売の輪理論
◾️ナチュラルモノポリー企業の誕生 現在、変化をドライブするエネルギーはテクノロジーだ。進化するテクノロジーの中で、ビジネスと消費者、あるいはビジネスとビジネスとの間でコミュニケートされる情報の総量も爆発的に増加している。AIの急激な進化とビジネスへの普及によって、情報の発信者と受信者がAIに置き換えられるという未来がすでにSFではなくなってきた。近未来的には、リアルな人の手を介さずにAI同士のやり取りだけで様々なBtoBあるいはBtoCのトランズアクションが済まされる時代