見出し画像

ひきこもりは”治る”のか

ひきこもりは治療するべきか

 一般にひきこもりは「根性が足りない」とか「甘え」だとか思われています。ひきこもりは治るのか。ひきこもりは病気や障害なのか。ひきこもりは治療するべきなのか。

 僕はひきこもりそのものを病気や障害というのは少し違うと思う。咳を病気というようなものだ。咳はさまざまな病気によって引き起こされる症状であり、病気そのものではない。何らかの原因があってひきこもりという症状が現れているのだ。長引く咳を放置してはならないように、ひきこもりは放置するべきではない。親が石油王でひきこもりを続けて許される身分であれば問題はないかもしれない。だがほとんど全てのひきこもりは、そんなことは許されない。いつかは外に出なければならないし、そうでなければ死ぬしかない。そしてなにより、ひきこもっている本人が一番つらいのだ。
 だからといって戸塚ヨットスクールのように無理やり外に引きずり出してしばき倒すことには賛同できない。元ひきこもり当事者としてそれだけは許すことのできない一線だと確信している。

 僕は3年近くひきこもりをしていた。ここ半年くらいでは外に出ることがそんなにつらくなくなってきた。1年くらい前までは、病院や市役所に行くだけでも体調が悪くなっていたし、さらに少し前では3~4ヶ月に一回くらいしか家の外に出ない期間が続いていた。そもそも布団から起き上がることも困難であったのだ。

 今ではバイトも始めてひきこもりから脱したと言ってもいいと思っている。バイトはバイトでつらいのだが、お金が手に入るし、100キロ近くあった体重も15キロ近く痩せるほどのダイエット効果もあるため、なんとか頑張って今の生活を続けている。

 そんな僕が自分の体験談を踏まえて、ひきこもりの治し方について語りたいと思う。

ここから先は

3,634字

¥ 300

この文章が面白いと思った方は少額でもいいのでぜひご支援ください。筆者の励みになります。