円満退社
現環境からの離れ方は仕事の清算である
去るなら円満退社に限る
逃げるように去ることも必要だが苦しいだけだ。後悔する。
どんな仕事であっても決して無傷で去ろうとすることは許されない。
どうしてこんなにも人生は別れに満ち満ちているというのに、なおあらゆる別れが重いのか。
円満に去ることができるかどうかは、過程に依存しない。
多少有利にも不利にも働くことはあるだろうが、最後は別れ方次第だ。
そこに真摯さがなければ円満に分かれることは成しえない。殴り合った末に消耗するだけ消耗して得られるものは何も残らない。
わたしが相手にとってどんな関係性であれ、別れを切り出されるのは辛い。
どんな相手であろうと、どんなに嫌な奴だろうと。その人にとっての仕事の清算を汚す理由をわたしは持ちえない。
それであるならばせめて真摯に向き合おうとするのが人情だろう。
本音を隠し、陰で人をあざ嗤うような態度は許されない。次は自分がそうされるだけだ。
いずれ別れは訪れる。生涯を共にできるなどほんの一握り。
友人たちの死に際を考える。どうかその生は幸せなものであってほしいと願う。わたしはそこに立ち会うことはできないけれど、きちんと別れることはできるはずだ。
わたしに向き合ってくれた人への感謝を添えて、わたしを愛してくれた人の幸せを願って。
どうせ去るなら、美しく去りたいものだ。
別れ際くらい、相手を立てよう。
自分のつまらないこだわりや感情などいったん置いておこう。つまらないことで怒らず、ほどほどのことならなんでも許してあげよう。
引き留めてくれたら、それほど幸せなことはない。見送ってくれるならそれほど幸せなことはない。
それだけの仕事をわたしはしたのだ。胸を張って次に行こう。
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