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レモングラス

贈り物をする時、しばしばハーブを小さな束にして添えることがある。
ラベンダーやローズマリー、バジルなんかは香り高く、花も飾って楽しめるので喜ばれることが多い。
しかしこの時期、受け取った側がどう使おうか悩むので贈り物に添えるのは少し迷うものの、花壇の端っこでそれはそれは元気に育っているハーブがある。
レモングラスだ。

果物のレモンの旬は冬なので、レモンが気軽に手に入る季節は真反対。夏はハーブの力を借りてレモンを楽しもうと思ったのがきっかけで植えることにした。
葉っぱをちぎればレモンの香り漂う爽やかなハーブ。生命力がかなり強いので何度刈って植え替えようとも、次の夏には立派に伸びている。葉っぱが硬くて時々指を切ってしまいそうになるけれど、その頑丈さに却って元気をもらう。

我が家では主にレモングラスはスープとハーブティーに使っている。
にんにくと生姜と煮るだけで簡単にスープの基礎が出来上がるので、時間がない時やさっぱり・あっさりな食事を摂りたい時に活躍する。

水1Lに対してレモングラス茎根3~4本、
ニンニク・生姜はそれぞれ1片ずつ

水を沸騰させ、レモングラスの茎根、にんにく、生姜を入れて数分間煮る。
色が出てきたら火から下ろし、少し置いたら中身を取り出すか濾しておく。
そこまでできたら、あとはお好みの味付けと具材で調理を進めるだけの、とっても簡単でお腹に優しいレシピ。

例えば塩で味をととのえて、鶏肉を茹でてパクチーをのせたり、それにフォーを入れたら充分エスニックな1品料理が完成する。魚介や唐辛子を入れて煮込んでも良いし、野菜を沢山入れると味わいがまた柔らかくなる。
私自身は塩麹か醤油麹を練り込んだ肉団子や、漬けたお肉を入れて塩気をマイルドに仕上げるのが好みだ。

茎根を切り離した後の葉っぱは5cm程に切って乾燥させ、瓶に詰めて保存している。
ちなみにこの夏気に入ったハーブティーのブレンドは、レモングラス、モヒートミント、ローズマリー、ホーリーバジルの組み合わせ。いつでも飲めるように、テーブルに置いてある。

料理以外の使い道もたくさん方法があるハーブ。
とりわけレモングラスはそのフレッシュな香りが魅力的で、夏の食卓に爽やかな風を運んでくれる。

我が家の花壇の端っこで、私達を励ますようにそこに根付いている。その佇まいからは、「もう一踏ん張りだ。」とそっと背中を押してくれるような、優しさまでもが醸し出ているのを感じるのであった。


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