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生い立ちの記

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2024年4月の記事一覧

【生い立ちの記】17 家業

【生い立ちの記】17 家業

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母方の家の仕事は
お世辞にも上手くいっていたとは言い難い

時代に逆行したような職種で
仕事が入ると
関係書類をまとめてクリップに挟み
天井から張った紐に吊るしていたが
少しずつ少しずつ数は減っていった

子どもながらにその数が少ないと不安になった

それでも
私は相変わらず私立の小学校に通っていたし
衣食住に困ることは無かった

【生い立ちの記】16 母方の祖父母

【生い立ちの記】16 母方の祖父母

16

母方の祖父は
一応自営業の社長だったが
あんまり仕事をしている所は記憶にない
ほぼ引退していたような形で
小さな居間でずっとテレビを見ていた

母方の祖母は
社交的で地域の活動にも積極的
じっとしているのが嫌いで
仕事をし、家事をし、一日中何かしら動き回っていた
本を読むのが好きな人で
家には必ず図書館で借りた本があった
歳の割に若々しく
兄と私の母親代わりだった

【生い立ちの記】15 父

【生い立ちの記】15 父

15

父は物静かな人だった
声を荒げることも無ければ
はしゃいだりすることも無かった

スープの冷めない距離にある義両親の家に通勤し
、仕事をして
昼の休憩時間には家に戻り、自宅で実母と昼食を取り
また仕事に行き、夕方には仕事を終え戻ってくる
家に帰れば実母の愚痴や悪口の相手

父のストレス発散は煙草とパチンコ

【生い立ちの記】14 祖母

【生い立ちの記】14 祖母

14

小学生ともなると
案外周囲の大人について
鋭く観察するようになる

父方の祖父は
母が亡くなって少しして亡くなった
あまり記憶に残っていない

父方の祖母は
保守的で外面は良いが
家の中では色んな人の悪口を言っていた

「女は家で大人しくしているべき」という考えで
私が友達と外で遊ぶことを良く思っていなかった

祖母自身、
親しく付き合っている友人も居らず
ただ家事をするだけの生活

悪口

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【生い立ちの記】13 フツー

【生い立ちの記】13 フツー

13

形だけの受験はあったものの
順調に系列の小学校へ進学し
フツーの日々を送っていた

特に優秀だった訳でも
落ちこぼれだった訳でもない

一目置かれる人気者でも
我が道をいく問題児でもない

フツーの
その他大勢の生徒

それが私には心地よかった
平々凡々と安寧に時を過ごしたかった

【生い立ちの記】12 戸惑い

【生い立ちの記】12 戸惑い

12

幼稚園生活は楽しかったと思う
たまたま家が近所だったアユという友達も出来た

ただ
母の日に
おかあさんにあげる絵を描くとか
運動会の親子競技で
友達の殆どがおかあさんと出場する中、
自分は父と出場とか

そういう場面で
戸惑いがあったことは
覚えている