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チェンジ・リーダーの条件~自ら変化をつくりだせるか?


***変化はコントロールできない。
できるのは、その先頭に立つことだけである***



チェンジ・リーダーとは、「変化を機会としてとらえる者のことである」とドラッカーは言います。

特にコロナ禍によって社会の変化のスピードに拍車のかかる時代、生き残れるのは、その変化を恐れの対象ではなく機会ととらえ、積極的に変化の波に乗り、そして自らも社会に変化を起こしていく変革者であり、そうした人を「チェンジ・リーダー」とドラッカーは呼んでいます。

目次を見ると、Part1~5まである中で、すべての章に「マネジメント」と題付けされています。ということは、チェンジ・リーダーにとって不可欠なものはマネジメントであり、イノベーションを起こすために必要な要素こそマネジメントであるということ。

そもそも、「マネジメント」とは何か?
組織や社会においてどんな役割を果たしているのか?

マネジメントには次の3つの役割があります。

①組織の使命を果たす
②働く人を生かす
③社会的責任を果たす

ドラッカーによれば、この3つは全く異質なものであると同時に重要なものです。組織の中核となる機関としてのマネジメントが、組織が社会に貢献するうえで果たすべき役割です。

私はこの3つを、次のような図で考えてみました。


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3つの輪が重なる部分を広げていくことがマネジメントであり、それを果たす人こそがチェンジ・リーダー。

さらに、図のように展開すると、お馴染みの価値循環モデルになると考えました。

①組織の使命を果たす=会社
②働く人を生かす=社員
③社会的責任を果たす=顧客(社会)

この3つは全てマネジメント側の視点ではありますが、当てはめるとこのようになるのではないでしょうか。

「組織の使命」というのは、組織の目的やミッション・ビジョン。「働く人を生かす」というのは、社員一人一人の自己実現や安心安全を確保することにより、各自が組織の使命に向かって主体的に強みを生かして貢献していける、その環境を創り出すこと。

この2つの輪が広がることで、環境保全や経済循環といった「社会的責任」を果たせる割合も広がっていきます。

冒頭での言葉のように、チェンジ・リーダーとは「変化を機会としてとらえる者のこと」です。

社会で起こっている様々な問題を「脅威」として目を背けるのか、それとも絶好の「機会」として挑戦していくのか。

この本を読んでいて、前書きの部分の言葉に大きな気づきを得ました。

マネジメントは「知識を行動に具体化することに責任をもつ者」であるという言葉。

そして、マネジメントは単なる化学でもなければ、単なる技能でもなく、科学であるとともに技能でもあるのだと。

知識を知っているだけでは、その知識が持つ価値を引き出すことは出来ません。本は読むものではなく「使うもの」とよく言われますが、知識は「行動」して初めて価値が生まれます。

その価値を引き出すために、行動という変化を起こしていくのがマネジメントの責任ということですね。

例えば、『ビジョナリーカンパニーZERO』の中で、イノベーションとは実行されたアイデアである、と書かれています。

どれほど優れたアイデアも、実行されなければ価値は生まれない。

誰が見ても素晴らしい商品を作ったとしても、それが使われなければ意味がありません。優れた戦略や目標も、実行されなれば机上の空論で終わってしまいます。

私たちコンサルタントは、そうした「行動」を促していく役割を担う存在であり、同時にそうしたチェンジ・リーダーを社会に増やしていくことが使命であると考えています。

誰かが変化を起こすのを待っていても舞台は始まらない。

自らが変化を起こし、周囲を巻き込み、挑戦し続けるチェンジ・リーダーでありたい。舞台の幕が開かないのなら、自ら舞台裏のスイッチを押して幕を開けに行くくらいの気持ちで。

そうした挑戦者を一人でも多く増やしていきたい。

それをまずこの一年のテーマとして、自分に出来る変化を起こしていきます。


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