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<私のスケッチポイント/作品紹介あれこれ>旧桜宮公会堂、旧桜宮公会堂から泉布観を望む

大阪市内のスケッチポイント

 下に、訪れた大阪市内のスケッチポイントを示します。

大阪市内のスケッチポイント

旧桜宮公会堂、旧桜宮公会堂から泉布観を望む

(1)旧桜宮公会堂

旧桜宮公会堂  (2015)
 LANDSCAPE GT-8286 254X413mm ペンと透明水彩

 JR桜ノ宮駅から源八橋を渡り、造幣局を目指して岸沿い歩くと帝国ホテル、OAPレジデンスタワーの前を過ぎたあたりから遠くに近代建築の裏側が見えてきます。
 正面に回ると、重厚な石造りの列柱がならんだ玄関が現れます。

 建物は旧明治天皇記念館として昭和10年に建てられ、玄関部分は造幣寮現造幣局、明治4年築、昭和2年取り壊し)の、保存してあった玄関石材を使って移築したものだそうです。
 現在、結婚式場になっています。

 このレトロな玄関部分の景観に惹かれて、横長のスケッチブックで描きました。

旧桜宮公会堂から泉布観を望む

(2)旧桜宮公会堂から泉布観を望む

旧桜宮公会堂から泉布観を望む (2017)
アルシュ 230mmX310mm ペンと透明水彩

 上に紹介した旧桜宮公会堂の横に、もう一つ古色あふれたデザインの洋館が建っています。名を泉布観といいます。

 名前からも分かるように、明治の建物で、しかも相当初期に建てられています(明治2年着工、明治4年完成)

 この絵では、全体像が示されていないので伝わりませんが、この建物の前に立つと、明治維新で開国したばかりの雰囲気が強く伝わってきます。

 実は、この記事を書くためにインターネットで調べたところ、設計者はあの銀座煉瓦街、といってもお分かりにならない方がおられるかもしれません、岸田劉生が生まれ育った薬屋「楽善堂」があった頃の銀座の煉瓦街のことで、それを設計したイギリス人のお雇技師トーマス・J・ウォートルスです。

 関西の近代建築の外国人設計者としては、明治後期に来日した、ヴォーリズしか頭になかったので、ウォートルスが設計した建物があるとはと驚きました。

 銀座煉瓦街については、以前投稿した下記の記事の中で少し触れましたのでご覧ください。

 前置きが長くなりました。この絵についてですが、当日は雨模様で、外で描くことができなかったので、雨宿りのために旧桜宮公会堂の玄関に昇り、列柱の間から「額縁効果」を意識して泉布観の建物を描きました。

 当日、結婚式場のイベントが予定されていたのか、黒いスピーカーが雨を避けるために設置されていたので、そのスピーカーも大きく描いています。(街歩きスケッチですので、絵葉書のような美しい絵を描くのではなく、時代風俗や、当日の街の様子が分かるものを取り入れるようにしています)

(おしまい)

 前回の記事は下記をご覧ください。


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