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2024桜スケッチ(5)東京国立博物館・日本庭園の桜、上野恩賜公園・不忍池のシロタエ


はじめに

 かなり季節外れになりましたが、今年最後の桜スケッチの記事です。
 上野公園の桜はすでに葉桜に変わった4月11日に東京国立博物館の常設展を見に訪れました。
 帰り際に本館裏の日本庭園に顔を出すことにしました。なぜなら、前回訪れた時に日本庭園にソメイヨシノとは違う品種の桜が何本も植えてあることを知り、品種によっては遅咲きの桜が咲いているかもしれないと思ったからです。
 結論から言うと、満開とは言えないまでも十分に桜を堪能することが出来ました。

東京国立博物館・日本庭園の桜

 日本庭園の入り口はいくつかありますが、今回は東洋館の方から入りました。図1に、日本庭園で目に付いた桜の風景を示します(図1)。

東京国立博物館・日本庭園の桜
上段左から右へ、行程順:1)東洋館の入り口、2)本館裏入口へ、2)本館裏から池の方向
下段上段から続く、左から:1)応挙館を望む、2)九条館を望む、3)池の西から本館を望む

 入口に入るなり桜の大木が行く手に見えます。近づくと「ミカドヨシノ」という雅な名前の桜でした。本館の建物に沿って裏に回ると、白い桜が見えます。時期としては終わっているはずですが、大島桜なのでしょうか。池を見渡すと、かしこに桜が咲いているのが見えます。
 本館を見学中の観客が一旦出てきて池の風景を楽しんでいます(図2)。

図2 東京国立博物館・日本庭園の桜
スケッチブック B5 ペンとインク

 7割以上が外国人観光客でしょうか、桜を指さして会話を楽しんでいます。もっとも、目の前にいた外国の若いカップルの女性は、桜そっちのけで男性にしなだれかかったりと大胆なポーズを続けているので、その姿もスケッチに入れました。

 池から離れた、平成館の裏手に当たる場所には、古い和風建築の「応挙館」と「九条館」があり、上野公園では葉桜だったソメイヨシノの花をまだ見ることが出来ました。

 さて、東京国立博物館には「黒門」前にも桜が咲いています。片山東熊建築の近代建築、「表慶館」をバックにいつかはスケッチして見たいと思うのですが、今回は写真を撮るにとどめました(図3)。

図3 黒門、表慶館前の桜

上野恩賜公園・不忍池のシロタエ

 さて、東京国立博物館からの帰りですが、いつもの通り、西郷さんの銅像の方向に歩きだしました。途中の清水観音堂付近で右手を見ると坂の下に、弁天堂に通じる参道と桜の並木が見えました(図4 上段左端)。

図4 不忍池周辺の桜

 参道には屋台が並んでおり、スケッチポイントがあるかもしれないと、急遽階段を下りて不忍池経由で帰ることにしました。

 時刻はもうすぐ日没、夕日に照らされるビル群と逆光の中に建つ弁天堂に参道の桜並木と屋台、そして池面のさざ波の中に映る夕日と建物と桜並木、さらに水面および空中を飛び交うカモメの群れ、と見る人の心を動かすに十分な要素が詰まっており、スケッチ練習におあつらえ向きの写真が撮れました(図4、上段の左から2番目)

 カモメが飛び交う姿を何枚も撮影したのち、人間の眼と同じ倍率で十枚以上撮ったのち、池の周囲の道を進むと、真っ赤と白のコントラスをなす若い桜の木に出会いました。赤い桜は桃の花かと間違うくらいで、説明板で桜と分かったのです。

 説明によれば、赤いサクラの名は「紅華(コウカ)」、白いサクラの名は「白妙(シロタエ)」と云い、どちらも初めて聞く品種です。

 紅い花が気に入ったのか、大勢の外国人が花の下に群がっています。そこで人が少ない「シロタエ」の方をスケッチしました(図5)。

図5 不忍池の桜(シロタエ)
スケッチブック B5 ペンとインク

(おしまい)

 前回の記事は下記をご覧ください。


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