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100年前のレシピ本を訳してみます12- C章 野菜とジャガイモの料理 I. 野菜

 やっと3つ目の章(C)に入ります。野菜とジャガイモの料理です。この「野菜」と「じゃがいも」と分けているところがドイツっぽいと思いました。ジャガイモって野菜の一つではありますが、完全に野菜に入りきらないポジションにありますね。現在の野菜などの統計をたまに見ても、ジャガイモは野菜と分けられていることがよくあります。

1. 野菜の下ごしらえのルール

 野菜はすべてできるだけ新鮮なものを使い、慎重に選んできれいにし、隅々までよく洗います。その際、栄養となる塩分が浸出しないよう、長く水に浸けるのは避けます。根菜はすべて切る前に丁寧に洗います。水気をきった野菜は常に沸騰したお湯か肉のブイヨンに入れ、お湯がきちんと沸騰するよう、いくつかに分けて入れます。こうすると茹でる野菜を素早く柔らかく茹でることができ、栄養分や香りを失わずに済みます。香りを保つには野菜をゆっくりと、きちんと蓋をした鍋で火を止めずに茹でます。差し水をするのは、ぼこぼこ沸騰させるには必要ではありますが、控えておきます。蒸気で野菜を蒸すには、私はクヴェトリンブルクのアルント社製の野菜鍋を使いますが、良い味と香りを素晴らしく保ってくれます。

クヴェトリンブルクのアルント社ですが、おそらくこちらの会社かなと。金属製の台所用品などを作っていたようです。

 じっくり茹でるのは、辛みとガスを生じる性質を持つキャベツとカブ類だけにします。ただそれによって大切な栄養塩類が失われていくのは隠しようのない事実です。そのため茹でるお湯は少なめにし、短時間でゆで上げます。栄養塩類の損失を埋め合わせたい場合は、Dr.ラーマンの植物性栄養塩エキスを少々加えるとよいでしょう。

Dr.ラーマンとはこの方だと思われます。Johann Heinrich Lahmann (1860年 ブレーメン生まれ~1905年フリードリヒスタール) 医師であり自然治療家でもあったようです。
https://de.wikipedia.org/wiki/Heinrich_Lahmann#Medizinische_Sicht
 この方は植物性ミルクも開発しているのですね。下の画像がそれです。最近日本でも出てきているアーモンドミルクです。乳幼児用らしく、価格もお手頃、母乳や牛乳の代用になると書いてあります。

Wikipedia CC BY-SA 4.0

 ほぼすべての野菜にとって最良の油脂はもちろんバターですが、もはや高価でなかなか買えません。腎臓の脂とバター、植物性バター、キャベツ類のいくつかにはラード、ヘットやベーコンの脂で代用しましょう。代用油脂は野菜を入れる前に茹で湯に加え、最後盛り付ける前に新鮮なバターをひとかけら混ぜ入れ、野菜に上品なバターの風味を付けます。
 とろみをつけるには色の薄いあるいは濃いルーが一番よく、茹でた野菜と一緒にさっと火を通し、卵黄は加熱し過ぎて固まらないよう、野菜を盛り付けてから混ぜ込みます。
 茹でた野菜は味を損なうことなく、盛り付けるまで置いておくことができます。ただ蒸すまたは湯煎にかけて温め直す必要があります。湯煎はしっかり中まで温まるまでかけます。バターひとかけらとリービッヒの肉エキス少々を盛り付ける前に混ぜ入れるのがおすすめです。
 塩ゆでにする野菜はどれも-豆、菜種科の葉など-はまず柔らかく茹で、濾し器の上で沸騰したお湯に入れ、その上でソースと一緒に火を通します。

2.ほうれん草

 きれいにしたほうれん草を深い器に入れ、3~4度十分な水で洗います。そしてきれいな色を保つよう、5分だけ塩を入れ沸騰したお湯で蓋をせず茹でます。すぐに冷水にとってザルで水気を切り、穴杓子で強く押して水気を絞り、細かくみじん切りにします。植物性バターを少々熱し、粉あるいはパンくずを入れてしばらく炒め、ほうれん草とナツメグ、新鮮なバター少々を入れて、よく混ぜながら必要であれば塩を振って、肉のブイヨンか水を少々加えてよく火を通します。
 男性の多くにはやや軟弱な味に感じられがちなほうれん草ですが、セイヨウアサツキ(チャイブ)、マギー調味料、あるいはバターで炒めた玉ねぎを加えて味を引き締めることができます。
 ほうれん草にはいろいろな物を添えることができます。最も簡単なのはパンを三角形に切ってトーストしたものやプルーンくらいに柔らかく茹でた卵を4等分にしたものがあります。
 オムレツ、あばら肉、流行のクルステン(D.肉料理)、牛モモのマル、ソーセージ、焼いたり燻製したりした牛タン、魚のクラプフェン、魚団子、焼いたタラのしっぽ、腎臓のスライス、豚のソーセージ、ハムのファルスのプリンゼ、焼いたレバーがよい付け合せとなります。

「牛モモのマル」がこちらです。
Frikandeausというドイツ語(元はフランス語から)にあたる部位が位置的にこれかなと。

3.ヴィ―ル風ほうれん草

 よく選びきれいにしたほうれん草を、水分は一切加えずに適度な鍋に、できるだめ密に押し込みます。熱いコンロのそばに置き、自らの十分な水分が出てきたら、弱火にかけて蒸します。そして細かく切り、溶かしバター、リービッヒの肉エキス少々、カイエンペッパー少々、塩を加えて火を通しながら混ぜ合わせ、すぐに卵と白パンのトーストを添えて盛り付けます。-このように調理すれば、茹でると失われるほうれん草の栄養塩類が完全に保持できます。

この「ヴィ―ル」が謎で、この料理名で検索しても何も見つかりませんし、ヴィ―ル(Wiel)で探しても地名としてはオーストリアの小さな村くらいしかなく、当時はあった場所のことなのか、それとも人名なのか。
この時代にいた人で胃病を専門としたWielという医師が見つかりました。胃の弱い人のための食事について本を書いているようなので、もしかしたらこの人がこのレシピの考案者なのかも?著書が見れればいいのですが

4.フランス風ほうれん草

 ほうれん草をルール3に沿って茹で、細かく刻みます。バターをふんわり攪拌し、固ゆで卵の黄身を濾して加え、ナツメグと塩少々を入れ、ほうれん草をこれらと一緒に合わせて火にかけます。茶色の肉汁ソースを大さじ何杯か加えるとしっかりした味がつきます。上品な料理ではこのほうれん草を、焼いた子牛の胸腺に付け合せます。

ルール3がどれか分かりません。上の3番目のレシピのことなのかな・・

5.ほうれん草と米

 250gの米を水で何度か湯がいたあと、牛乳か薄い肉のブイヨンで芯が残る程度に柔らかく茹で、3個分の溶き卵とサワークリーム大さじ数杯を合わせて混ぜ合わせます。先の通りにほうれん草を4リットル分茹でて刻み、溶かしバターでしんなり炒め、上質なコショウとおろしたチーズで味付けし、おろした丸パンを大さじ数杯加えて混ぜ込みます。米とほうれん草を、バターを塗った型に交互に敷き詰めて30分焼き、型から出して茶色の肉汁ソースをかけ、焼いたチキンまたは子牛のあばら骨に添えます。

グラタンやドリアみたいな料理でしょうか

6.残ったほうれん草の型蒸し

 調理したほうれん草の残りに卵黄2個、白い基本のソース大さじ数杯、おろした丸パン、刻んで炒めたキノコと混ぜ合わせ、バターを塗った小さなカップ煮詰めて、30分湯煎にかけたらカップから出し、ローストポテトと焼いたハムに添えます。

7.ほうれん草の茎

 ほうれん草が花から種になり、料理に使えなくなってしまったら、皮をむいてアブラナのように細かく切ったほうれん草の茎は美味しい野菜となります。柔らかく茹でて水に取り、しっかり水気を絞ってカリフラワーのように(42番参照)蒸し煮します。
 調理時間は1時間です。

8.キャラウェイとキャベツ

 キャラウェイの若芽をよく洗い、水と重炭酸ソーダで煮たらザルに取って水をかけ、穴杓子で押すようにして水気を絞ります。クーネロールを熱し、粉を入れて黄色く炒めて熱湯を注いでとろみのあるルーを作り、塩とナツメグを加え、キャベツを入れてしんなり炒め、バターをひとかけら入れて混ぜます。ローストポテトを加えます。合わせるのはどんな肉でもよいです。
 キャラウェイキャベツにはベーコンを入れてもよいです。しばらく火にかけ、茹でていないキャベツを燕麦と塩を振りながら重ねていき、手短に柔らかくなるまで火を通します。

 キャラウェイの芽を食べるというのは初めて見ました。キャラウェイのあの香りはあるのでしょうか・・市販のキャラウェイを撒いたら芽が出ますでしょうか。ちょっとやってみたいですね。
 クーネロールはヤシ油のブランドです。1912年の広告がこちらです。

Wikipedia

9.緑または茶色の冬キャベツ(ケール)の芽

 冬キャベツ(ケール)を(春に)きれいにして洗い、束ねて塩を入れた少々のお湯で茹で、ザルに取ります。繊維を取り除いて熱い器に盛り、細かく潰したラスクとナツメグを振りかけ、酸味のある卵ソースを添えます。このキャベツは芽キャベツのように調理してもよく、またブレーメンのブラウンキャベツのように、柔らかいため短時間で茹でてもよいです。調理時間は15分です。
 燻製肉、フリカンデル、グリルソーセージ、詰め物をした子牛の胸肉、レバー、腎臓、卵焼き、スクランブルエッグ、パンケーキ、プリンゼが合います。

 フリカンデルはオランダの挽肉を棒状にしたものです。
日本語の解説サイトがあります。こちらです
 プリンゼ(Plinse)はドイツのパンケーキの一種です。

10. ホップ

 地上に出ている部分がまだ白い、ホップのごく若い芽をきれいにして束ね、塩を入れた少なめの湯で茹でてザルに取り、繊維を取り除きます。ホップの芽はアミガサタケを入れたオランダ風ソースに入れて火を通す、または溶かしバターに入れて和え、コショウを振っていただきます。
 付け合せには焼いた魚、あばら肉、燻製肉、スクランブルエッグ、肉の残りを入れたオムレツ、焼いた鳩が挙げられます。

ホップの若芽を食べるのは、今でもホップを栽培する地域では行われています。こちらにいい画像があります。

11.ハマアカザ(ヤマホウレンソウ)

 この植物の葉はほうれん草のように下ごしらえし、しばしばほうれん草と同じ分量で合わせて使われますが、これは特におすすめです。
 ハマアカザは茹でたあと、卵ソース(R章)で和え、ローストポテトを添えます。
 ほうれん草やスイバと同じような付け合せを選ぶとよいです。

ハマアカザ(ヤマホウレンソウ)って日本では馴染みのない植物ですよね。こんな草です。いろんな種類があるそうです。

12.セイヨウノダイコン

 セイヨウノダイコンは春に雑草として庭や畑に育つ草です。若草をほうれん草のように調理するのをぜひお薦めします。セイヨウノダイコン同様、チコリやタンポポ(蒲公英)の若い葉-そして驚くなかれ、セイヨウイラクサの最初の芽でさえも-ほうれん草のように調理すると美味しい野菜です。どんな付け合せも合います。
 調理時間は15分~30分です。

セイヨウノダイコンも聞きなれない言葉ですね。大根のような太い根っこができるわけではなく、花もちょっと菜種に似てます。

13.スイバ

 大きめの新鮮な葉を茎から切り取り、茎は除去します。砂っぽいものが付いているため、たっぷりの水で葉を数回洗います。水に入れて火にかけ、柔らかくなりすぎないよう、沸騰前に火から下ろしてザルにあけます。酸味が水に浸出し、ザルの上で穴杓子で水分を押し出したら、バターを熱して小麦粉を炒め、卵黄1~2個、塩、ナツメグを加えたクリームか牛乳をカップ2杯注ぎ入れ火を通します。水っぽくならずまとまった質感になるようにします。バターでローストした白パンの細切りを表面に敷き詰めます。
 スイバは茹でた後、薄い色のルーに肉ブイヨン、コショウ、玉ねぎのすりおろし少々を加えて作ったソースに入れて温めてもよいです。
 調理時間は30分です。
 付け合せ:あばら肉、舌、燻製肉、加熱ハム、レバー、腎臓、残り肉のオムレツ、焼いたり煮たりした羊

スイバは蓚、酸い葉と書きます。酸味のある葉っぱで、私の田舎ではスカンポと呼ばれ、子供の頃は茎をかじったりしていました。
ドイツではSauerampfer(sauer=酸っぱい、Ampfer=スイバ属)といい、いろいろな料理に使われます。私はジャガイモと一緒にサワークリームで和えるサラダを作ったことがあります。フランクフルトの名物「Frankfurter Grünen Soße(フランクフルト風グリーンソース)」というハーブソースにも使われます。

14.スイバのピューレ

 丁寧に選り分けて洗ったスイバを熱湯で茹でてザルに取り、冷水をかけてしっかり水気を絞り、濾し器にかけます。できたピューレを適した鍋に入れ、粉を振りかけ新鮮なバターひとかけらとしっかりした味付けの肉ブイヨンを大さじ数杯、塩、ナツメグ、砂糖一つまみを混ぜ入れ、かき混ぜながら弱火で火を通します。ほうれん草と半分ずつで作ってもよいです。

15.カブの葉

 カブの葉を茎から切り外し(とても若い葉の場合は茎がついたままでも大丈夫です)、洗って葉の隆起を細かく切り、軽く塩を入れたお湯で柔らかく茹でます。水気をきったら茎を細かく刻み粉をふってバターで炒め、牛乳か塩漬け肉のブイヨンを加えて煮ます。カブの葉を入れて火を通し、ナツメグで味付けします。あらかじめ浸透装置で塩抜きをせずに塩漬け肉のブイヨンを使う場合は、塩を入れる必要はありません。
 付け合わせにはあばら肉、シュニッツェル、フリカンデル、加熱または生ハム、腎臓です。
 簡単に調理するには、カブの葉を肉やジャガイモと一緒に煮込みます。燻製ベーコンまたは脂身の多い豚肉を1時間先に煮ておき、皮を剥いたジャガイモとあらかじめ柔らかく茹でておいたカブの葉を加え、すべてをじっくり柔らかく煮込みます。肉は器の真ん中に盛り付け、野菜は生のジャガイモ1~3個のすりおろしを加えてとろみを付けたあと、肉のまわりに盛り付けます。ベーコンはスライスしてきつね色に焼き、出た脂は野菜用のソースを作るのに使い、ベーコンは塩ゆでジャガイモに添えます。

ドイツ語でRübstielやStielmusといい、アブラナ科の植物です。カブの若い葉や茎を指すことが多い、とドイツ版ウィキペディアには書いてあります。それに似た仲間のブラッシカ・ラパのことも指すようです。
日本でも菜種の葉やつぼみを食べたりしますので、なんか似ていますよね。

もう一つ興味深かったのは「シュニッツェル」で、原文には「Schnitzel」ではなく「Eskalope」とありました。フランス語の「escalope」をドイツ語風に綴った言葉ですが、フランス語風に言うのが流行っていたのか普通だったのか、どうなんでしょうね。
ちなみにこの本の肉料理のところでは、ウィーン風シュニッツェルのレシピが出て来ます。

16. スベリヒユ

 バターひとかけらを溶かし、潰したラスクかおろした白パンを入れて黄色く炒めます。摘んで洗ったスベリヒユの葉を入れて一緒に炒め、必要量のマギーの固形ブイヨンで取ったブイヨンを注ぎ入れ、生クリームか卵黄1個を溶き入れます。スベリヒユはほうれん草と全く同じように調理できます。調理時間は15分で付け合せにはほうれん草と同じものを添えます。

スベリヒユは私はドイツで知ったのですが、日本でも生育しているんですね。もしかしたら意識せず見たことがあったのかもしれません。栄養が結構あるらしいですね。こちらのリンクに画像がいくつかあります。

17.ローマ風エンダイブ、アスパラガスのサラダ

 人の手で束ねて栽培したエンダイブの内側の葉を選び、黄色いものだけを取り、キャベツやほうれん草のように茹でるか、またはフランスで一般的な以下の方法もよいです。黄色い葉を茎と一緒に湯がき、葉にバターを塗って塩と胡椒を振り、茎のところをまとめて縛ります。器にベーコン、ニンジン、玉ねぎのスライスを入れたらエンダイブの葉をその上に敷き、ベーコンのスライスを乗せ、タイム、エストラゴン、パセリを加え、肉のブイヨンを注ぎます。これをじっくり2時間蒸し煮にし、上品なソースをかけ、肉団子を添えて盛り付けます。太い茎を美味しく調理するには、さらに大きく成長させ、花のつぼみが出る前に使います。肉厚の茎の皮を剥いてスライスし、塩を入れたお湯で茹で、アスパラガスのソース(R章)か、淡い色のルーとサワークリームを合わせナツメグで味付けしたソースで温めて供します。

このレシピの名前は確かに後半が「アスパラガスのサラダ」となっているのですが、「アスパラガスのソース」の間違いではないかしら、とレシピを読むと思えてきます。
「ローマ風」エンダイブとはそういう名前の品種なのか、この料理の何かがローマ風なのか分かりかねますが、エンダイブにあたるドイツ語はEndivie
なのですが、別名がいろいろあり、このレシピではBindsalatと書かれています。Bindは縛る、結ぶという意味の動詞bindenから来ています。レシピにある通り、束ねてつまり糸などで縛って育てることからついた名前です。

18. フダンソウ、またはローマ風キャベツ

 多数ある色のフダンソウのうち、白っぽい緑の葉が一番よいです。若く柔らかい葉はほうれん草のように調理し、レモン汁を何度か加え、茹でた後は水にしばらくさらしておきます。茎は指半分ほどの長さに切って柔らかく茹で、アスパラガスのソースで和え、器に王冠のように真ん中を空けて盛り付けます。
 調理時間は1時間です。付け合せはほうれん草やカリフラワーと同じ物が合います。

最近では日本でもよく見かけますね。スイスチャードという英名の方が馴染みがあるでしょうか。

19. アスパラガスの調理

 アスパラガスは穂先から根元まで薄く皮を剥き、根元が硬いところは切り落とします。皮の剥き方は次のようにするとさらによいです。先の鋭い刃物で根元の厚い皮の下を刺して突き上げるようにしてぐるりと皮を剥くようにすると一度で剥けます。何度が練習すれば手早く皮を剥けるようになります。次にアスパラガスを洗い、束ねて縛り(穂先をそろえ、根元を切り揃えます)、塩を入れた湯で穂先が潰れない程度に茹でます。とても便利なのはボルドーロ・アルボンディの調理器具を使うことで、それを使えば束ねる必要はなく、茹でる時も崩れたりせず、蓋の圧力を利用して鍋から取り出し温めた野菜用の器に移すことができます。砂糖をひとつまみ、ハシバミの実ほどのバターを茹でるお湯に入れると、アスパラガスによい下味がつくので大変お勧めです。根元の方が柔らかくなったら(通常アスパラガスの茹で時間は穂先の方が15分、全体では30~45分です)、アスパラガスの束を温めた器に入れて縛り糸を切り取り、きれいに盛り付けます。
  アスパラガスにはアスパラガスソース(R章)か溶かしバターをかけます。固ゆで卵をおろしたものを加えることもよくあります。南ドイツではアスパラガスにクリームソースを添えるのが大変人気があり、英国ではアスパラガスをトーストしたパンにのせ、卵黄3個を混ぜ合わせた溶かしバターをかけ、時にはパルメザンチーズをおろしたものを散らし、目玉焼きを乗せます。
 アスパラガスに合う付け合せは、あばら肉、焼いた鶏肉、牛モモのマル、スクランブルエッグ、生ハム、スモークサーモン、セルヴェラートヴルストです。
 アスパラガスは水(湯)に長く浸したままにしないよう気を付けましょう。

「ボルドーロ・アルボンディの調理器具」が気になりますよね。この下のリンクに画像があります。アスパラガスをまとめて挟んでそのまま茹でて取り出し、皿に盛りつけられる、いわば大きなクリップのような道具です。
原書には、Bordolo-Abondi(ボルドーロ・アボンディ)となっていたので、見つけるのにちょっと手間がかかりました。
こうした古い情報しか出てこないので、このメーカーは今はもうないものと思います。


20.蒸したアスパラガス

 皮を剥いたアスパラガスを2回切って分けます。穂先はとっておき、残りの部分は苦みがあるので、半分ほど火が通るくらいに湯がきます。肉ブイヨンに多めのバターとメース少々、塩少々を入れて沸かし、アスパラガスを入れてゆっくり柔らかくなるまで火を通します。盛り付ける前に潰したラスクを加え、丸パンの団子をきれいに添え、しっかりとろみをつけたブイヨンをかけます。
 付け合せはスクランブルエッグ以外では上のレシピの通りです。
 とてもお薦めできるのは、アスパラガスの穂先だけの調理です。少量の肉ブイヨンに塩とバターを入れ、アスパラガスの穂先をその中で茹で、同時にベシャメルソース(R章)を、アスパラガスの茹でブイヨンを加えるだけで完成するところまで準備します。温めた器に茹でたアスパラガスの穂先を盛り、熱湯を入れた器の上に置きます。すぐにソースをかけ、アスパラガスの周りに柔らかめに茹でた卵を刻んで散らし、塩漬けの舌を並べます。

21.アスパラガスと若いニンジン

 若いニンジンを好みの量を塩でこすり、きれいに洗って1~2度切り分けます。これを、同じように切ったアスパラガスと一緒に上のレシピのように茹でて調理しますが、卵黄は混ぜません。

22.皇帝のアスパラガス

 アスパラガスを19番のように柔らかく茹でます。次にライン地方のワイン500ml、卵黄8個、バター100g、塩少々と砂糖ひとつまみを合わせて湯煎にかけて攪拌しどろっとしたソースを作ります。茹でたアスパラガスを温めた器に盛り、ソースを添えます。

23.新しいアスパラガス料理

(アスパラガスが安価な時期のみお勧めです)
 良質のアスパラガスを穂先から8㎝のところで切り、根元の方は、生ハム少々とパセリの根少しを入れた濃いめの肉ブイヨンで、濾せるくらい柔らかく茹で、卵大の新鮮なバターと卵黄2個を加え混ぜます。穂先の方も柔らかく茹で、水気を切ったら粥状に煮込んだアスパラガスの根元と合わせ、バターをちぎって上に乗せ、丸パンをおろして散らし、熱したお玉で軽く焼き付けます。このアスパラガス料理は大変美味で、小さい子牛のリブと合わせて供します。

これはどの辺が「新しい」のかよく分かりません。上のレシピもそうですが、アスパラガスの量が明記されていないので、量によってできあがりの質感が変わりそうですね。

24.アスパラガスパン

(前菜にうってつけの一品)
 皮を剥いたアスパラガスの穂先だけを使います。塩を入れた湯で湯がき、パセリのみじん切りを入れた子牛のブイヨンをルーでとろみを付けてソースを作り、アスパラガスの穂先を入れて火を通し、卵黄数個をクリームで溶いたものを加え混ぜます。小さな牛乳パンの端を切り取って中をくり抜き、アスパラガスのフリカッセを入れて、切り取ったパンの端で蓋をしてきっちり閉じ、溶かしバターで茶色く焼きます。残ったアスパラガスの根元の方は、リービッヒの肉エキスを少々入れた穂先を茹でたお湯で茹でて、美味しいスープを作れます。

「アスパラガスパン」というと、アスパラガスを生地に入れて焼いたパンのようなイメージを持たれるかなと思ったのですが、とりあえず原書のSpargelbrötchenを直訳しておきました。フリカッセと書いてあるので、アスパラガスのフリカッセパン、とかの方が分かりやすそうですね。

25.アスパラガス卵

 折れてしまったもろいアスパラガスは塩を入れた湯で茹で、色の薄いルーを作り、アスパラガスの茹で汁を加えてソースにしてナツメグとマギー調味料で味付けし、そこへアスパラガスを入れて温め、全卵6個を溶いてアスパラガスに混ぜ入れ、卵に火が通るまで熱いコンロにかけておきます。アスパラガス卵はこんもり盛り付け、加熱ハムのみじん切りを散らし、周りに小さいローストポテトを並べます。

26. ハマナ(シーケール)

 生育地は浜辺で、イギリス、スウェーデン、フランス、フランドルの海岸に見られますが、今では南ドイツでもたくさん温室栽培されています。ドイツの白キャベツの葉脈のように長く伸びた部分を料理として使います。ハマナはきれいにしたらアスパラガスほどの長さに切り、アスパラガスのように束ねて縛って茹で、どろっとしたバターソースかアスパラガスソースをかけて供します。
 ハマナは、カリフラワーのようにスープにも使えます(B章53番)。茎をサラダにして食べてもよいです。

ドイツ語でMeerkohlあるいはSeekohlといい、意味は「海のキャベツ」です。英語のSeakaleと同じですね。アブラナ科クランべ属の植物で、葉はキャベツというより色や質感がケールに似ています。

27.ラードまたはバターキャベツ

 この収益性の高いキャベツはとても健康でおいしい料理になります。一般的な野菜として栽培するにふさわしい野菜です。
 葉はよく洗い、まな板の上で細かく刻み、柔らかく茹でます。このキャベツのでんぷん質?は、夏は茹でた後ザルにとって水に浸けることで取り除きます。その後穴杓子で強く水分を押し出し、次の2つの方法で調理します。
  熱したバターで粉を炒め、熱湯を混ぜて塩を加え、キャベツを入れてしんなり炒め、盛り付ける時にクリームを少々混ぜ、茹でたジャガイモと好きな肉、例えばハムや燻製肉、焼いたレバー、焼きソーセージ、フリカンデルなどを入れた器を添えます。
 あるいはベーコンを茹でて、その茹で汁でキャベツを茹でるか、または水に脂と塩を入れて沸騰させ、ジャガイモを入れて茹で、茹でたキャベツをその上に乗せます。ジャガイモに火が通ったら、汁気たっぷりに茹で上がった野菜を混ぜます。ジャガイモだけでは十分にとろみがつかなければ、生のジャガイモ1~2個をすりおろして加え混ぜるとこうして調理した野菜をうまくつなぐことができます。
 調理時間は1.5時間です。

まず名前ですが、最初ラードやバターで調理したキャベツだと思ったのですが、どうやらそう呼ばれる種類のキャベツがあるようです。バターキャベツ(Butterkohl)は見つかりました。ちりめんキャベツ(サボイキャベツ)の仲間というか亜種というか、そんな位置づけのようです。下のリンクに写真があります。

4行目の「でんぷん」は?を付けています。原書にはDas Starkeとあるのですが、これが何を意味するのか分かりません。「でんぷん」ならDie Stärkeとなるのですが・・。昔はこう言っていたのでしょうか。

28. ライプツィヒ風ごった煮

 この料理はアスパラガスの時期が一番美味しくできます。以下の旬の野菜を同じ量ずつ用意し別々に茹でます。アスパラガスは塩を入れたお湯で、小さいニンジンは牛肉のブイヨンで、さやえんどうまたはエンドウ豆はバターをひとかけら入れたお湯で、コールラビは塩少々入れたお湯で、カリフラワーも同様に。全て茹で上がったら、カリフラワーが一番上に来るように器に入れ、その間にザリガニのハサミと尻尾を並べます。ザリガニの殻はザリガニの肉と丸パンの団子の生地を混ぜた詰め物を入れ、A章39番にならってアミガサタケを準備します。盛り付けの準備をする間、熱い蒸気にかけた野菜に、生クリームとザリガニソースを半々ずつ卵黄で混ぜ合わせたバターソースをかけ、最後にアミガサタケ、詰め物をしたザリガニの殻、黄色い小さな丸パンの団子を見栄えよく器に入れます。

この料理はドイツ語でLeipziger Allerleiといいます。直訳すると「ライプツィヒのいろんなもののごったまぜ」といった意味になります。言い伝えによればナポレオン戦争の後に発明されたとされ、文豪ゲーテも食べたとか。今でも食べられている料理です。
写真は下をどうぞ。

原文のドイツ語で最初「?」だったのが、ザリガニの殻を表す言葉。ドイツ語でKrebsnaseと言います。Krebs(ザリガニ)のNase(鼻)って何?と思ったら殻のことでした。不勉強でしたね。他にもFelsennaseといえば、岩鼻、つまり岩の突出部という意味になります。

29.若い根菜(ニンジン)

 若いニンジンをお湯でさっと湯がき、冷水にとった後、滑らかできれいな形を損なわないように薄い皮をナイフで剥きます。きれいに洗い、ただ水に浸けっぱなしにしてはいけません。そしてニンジンを砂糖少々、バター、塩少々(塩がきつくなりやすいため)が入った沸騰したお湯に入れ、ブンツラウの鍋で柔らかく茹でます。盛り付ける前にナイフの先ほどの粉を振り入れ、パセリのみじん切りを加えてニンジンを炒めます。
 若いニンジンは最初にバターで10分、鍋を振りながら蒸し煮にします。砂糖、パセリ、塩、薄い色のルーを少々加えて柔らかくなるまで火を通します。盛り付ける際はパセリは取り除きます。調理時間は1時間です。
 付け合せ:様々なあばら肉料理、焼いたフリカンデル、焼いたソーセージ、燻製または塩漬けの舌

30.若い根菜とエンドウ豆

 根菜を上のレシピ通りバターを入れた熱湯に入れ火にかけます。そこにさやから出したエンドウ豆を入れ、それぞれの根菜から半分を取って上のレシピ通りに調理します。盛り付ける直前に、ジャガイモの粉少々でとろみをつけたブイヨンをたっぷり用意し、丸パンの団子をいくつか入れます。

31.若いエンドウ豆

 水にバターをたっぷり入れて沸かし、さやから取り出したエンドウ豆を少しずつ入れていき、その都度お湯を沸騰させます。エンドウ豆は大量のお湯で手早く茹でなくてはいけません。茹で時間が長すぎる、あるいは茹でた後お湯にそのままずっと浸けておくと、味が損なわれてしまいます。盛り付ける直前に塩を加えます、ただエンドウ豆は塩気がつきやすいので控えめにします。さらに豆に甘みが足りない場合は砂糖も少し加え、パセリのみじん切りと、水で溶いたデンプンか粉をナイフの先ほどの量で少しずつ加え混ぜます。あるいはこうして粉を混ぜ入れる代わりに、エンドウ豆が茹で上がったら、粉とバターを捏ねて小さな団子を作ってエンドウ豆の鍋に加えます。この団子が徐々に溶けてとろみをつけ、エンドウ豆の味をよくします。最後にキノコか丸パンの団子(Q章)をエンドウ豆の鍋に入れて茹でてもよいです。
 エンドウ豆を、ニンジンの2つ目のレシピの通りに調理することもできます。または塩を入れた湯で茹でた後、クリームソースに入れて温めるか、新鮮なバターで炒めパセリを振りかけるのもよいです。-高級料理ではザリガニのハサミや詰め物をしたザリガニの殻にエンドウ豆を添えます。シュチェチンでは、ザリガニ10匹の肉を取り出して切り、最初の方法で調理したエンドウ豆に混ぜます。丸パンの団子を詰めたザリガニの殻、尻尾やハサミを器の縁に盛り付けます。
 付け合せとして:焼いた鶏(ひな鳥)、子牛のあばら肉、流行のクルステルン、肉団子、ゾマーヴルスト、生ハム、舌(温・冷)、スモークサーモン、焼いた鰻、舌平目、その他カリッと焼いた魚。

アドバイス:エンドウ豆の美味しさやよい香りを保ちたい場合は、摘みたてのものを使い、とりわけ茹でる前にさやから出し、決して前日の晩などに行ってはいけません。
 よく知られる品種は多数ありますが、イギリスのMarkerbseまたはRittererbseが特におすすめで、甘みのある心地よい味を持ち、すぐに火が通って柔らかくなり、他のエンドウ豆と異なり茹でた後すぐしっかりした味がつき、類をみないほど柔らかさを長く保ち、固くなったように見えてもまだ調理ができるからです。

エンドウ豆(グリーンピース)は今でもドイツでよく食べます。スープにもします。最後の「MarkerbseまたはRittererbse」に相当する日本語が分かりませんでした。Markerbseはサッカロースを多く含み、甘みの豊富な品種だそうです。Rittererbseはドイツ語のソースは見つかりませんでしたが、Ritter=騎士でイギリスの品種らしいので、knight peaと検索したらでてきました。さやが大きく、収量も多い品種だそうです。

32.さやえんどう

 小さいサラダ用のさやえんどうがよいです、さやが大きなものは味が劣ります。さやえんどうは豆をさやから出す必要はなく、繊維だけ取り除きます。それをよく洗い、沸騰したお湯にバターと塩を加え、さやえんどうを入れて茹で、最後にパセリのみじん切りと水で溶いたデンプンを入れて火を通します。
 調理時間は1~1.25時間です。
 燻製肉、焼きソーセージ、焼いたレバー、焼き魚などがよく合います。

33.会食用のいろいろ野菜

 鳩か鶏を4等分に切り、塩を入れたお湯で茹でてアクを取り、バターひとかけらとメース、ルーを入れてゆっくり煮込みます。その間にたくさんのアスパラガスの皮を剥いて2か所切り、カリフラワーも小房に切り分け、両方とも塩を入れたお湯で半茹でにします。ザルにあけて湯を切り、鳩に加えて完全に茹でます。ただし煮崩れしないよう気を付けます。次にザリガニを熱湯で15分茹で、殻を割り尻尾とハサミの殻でA章14番に従ってザリガニバターを作ります。尻尾の身はとっておきます。ハサミの肉は細かく刻み、バターと白パンのパン粉少々、クリーム大さじ4杯、卵1個、ナツメグ少々、塩を加えて混ぜ、ファルスを作ります。これを殻に詰め、小さな肉あるいはパンの団子とともに肉のブイヨンに入れて火を通します。鳩と野菜を器に盛り、ソースは卵黄数個を加え混ぜ、レモン汁少々を垂らし、ザリガニのハサミと団子を入れ、器の縁に殻を美しく盛り、ザリガニバターをその上に添えます。
 この野菜料理はザリガニなしでも大変おすすめです。調理時間はたっぷり2時間を見積もっておきましょう。

34.カブ

 カブは大きめの角切りか、好みで細切りにし、若干苦みがあるので沸騰したお湯で湯がき、煮立ったブイヨンかお湯少々に植物油とともに入れて火にかけ、後から塩を加え柔らかく茹でます。大きなまたはそれより小さいナイフの刃先ほどのモンダミーンを水で溶いたものを加え、あるいは脇の方から粉をブイヨンの中に振り入れ、バターをいくらかその上に入れ、ブイヨンを使わない場合は、リービッヒの肉エキスをナイフの先ほど加えます。カブを盛り付けたらナツメグを振りかけ、茹でたジャガイモを添えます。
 ジャガイモはカブと一緒に茹でてもよいです、カブが半分ほど煮えたらジャガイモを加えます。
 上品な料理では、カブを、塩を入れたお湯で数分間茹でたら、テルトウカブと全く同じように、茶色くまたは白く蒸し煮にします。
 豚か雄羊のあばら肉、焼きソーセージを合わせます。

このカブは原文では「Mairüben」(Mai=5月、Rüben=カブ)と言います。ただこれも日本語に相当する語はなく、学名Brassica rapa subsp. rapa var. majalisといい、画像を見ても日本で普通に流通しているカブと何ら変わりありません。

Wikipedia: Turnip-5743_-_Hans_Braxmeier     

35.そら豆

 豆は柔らかいのを、またはあまり若すぎないものを取ります。黄緑色の芽を取り除き、豆は洗わずにたっぷりの熱湯に入れて茹でます。その際、1番のように少しだけ水を注ぐように気を付け、あるいは牛乳と水を半々にして、丁寧にアクを取りながら蓋をせずにきちんと柔らかくなるまで火を通します。半分ほど火が通ったところで、お湯に塩を入れます。しっかり柔らかくなったら、陶製の水切りボウルにあけ(ブリキの物は豆に好ましくない色が付いてしまいます)、熱湯をかけて素早く蓋をします。こうすると豆の白さを保てます。熱々に保つことに注意しましょう。盛り付ける前にたっぷりのバターとパセリ、キダチハッカ(セイボリー)のみじん切りを混ぜ入れるか、盛り付ける時に溶かしバターとパセリを熱々の状態で注ぎかける、あるいはそれら両方を添えます。
調理時間は1時間です。
加熱ハム、頭半分、豚あばら肉、燻製したばらベーコンが人気の付け合わせです。

「陶製の水切りボウル」はこんな感じのものです。ボウルよりもっといい言葉があれば差替えようと思います。

 キダチハッカ(セイボリー)はドイツ語でBohnenkraut、Bohne(n)=豆、のKraut=ここではハーブということで、豆料理によく使うハーブです。
 一番最後の分の「頭半分」はよく分からないところで、原文ではhalber Kopfで「半分の頭」なのですが、何の頭なのか書いてありませんし、もしかするとサラダ菜を意味するKopfsalatのことか、あるいはその前のハムを一頭と考え、その半分ていうこと?など考えましたが・・ドイツ人にいつか聞いてみます。

36.そら豆の他の調理法

 燻製ベーコンをサイコロに切り、ゆっくりと炒めて粉をふり入れ、きつね色に炒めます。熱湯、バターひとかけら、塩を加え、柔らかく茹で水気を切ったそら豆を、好みでパセリのみじん切り、またはサマーセイボリーを加え、クールブイヨンで煮崩れないようさっと火を通します。ここでもベーコンスライス(15番カブの葉参照)を黄色に炒め、油脂を溶かしてそら豆を入れて温め、ベーコンスライスを入れます。
 あるいは脂のすくないベーコンを茹で、脂を落とし、別の鍋で加熱したら小麦粉を入れて炒め、ベーコンの茹で汁を注いで混ぜ、上記のように豆を入れて温め、ベーコンと一緒に盛り付けます。
 そら豆が古く皮が硬い場合は、まず半分ほど茹でてから皮を剥き、上のいずれかの方法で調理します。

サマーセイボリー(summer savory)はドイツ語でSommer-Bohnenkraut、別名の一つにKölleというのがありますが、原文ではこちらが使われています。セイボリーの仲間でもよく使われるもののようです。

37.タマチシャ(サラダ菜)の蒸し煮

 このレシピには固めのサラダ菜を使います。きれいにし、深鍋に入れ十分な水で丁寧に洗い、砂を落とします。次にナトリウムを少々入れたっぷりの熱湯を沸かし、サラダ菜を柔らかく茹で、ザルに取ります。水に1時間浸けて苦みを取り除きます。水気を切り、みじん切りにします。潰したラスクか、良質の油脂で小麦を炒め、熱湯少々、バターひとかけら、マギー調味料10滴、塩、ナツメグを加え、サラダ菜を入れて火を通します。
 付け合せ:冷ました子牛のローストで作ったソーセージ、焼いたレバー、コートレット、腎臓のスライス、焼いた魚、肉のオムレツ、これらに類似したもの

サラダ菜を茹でて調理するのは日本では馴染みがないですし、さらにみじん切りにして火を通すというのもあまり聞きませんね(レタスを炒めるというのはありましたか)。
ざっと検索すると、こんな風に調理するのが多いようです。

38.日常の食卓のための野菜と精麦の煮込み

 小さく切ったコールラビ、根菜、根セロリ、パセリの根、インゲン豆、数等分した玉ねぎ数個を、スープ用油脂を入れた水に入れて火にかけ、塩と顆粒調味料を入れ、半分ほど火を通す。この野菜のブイヨンであらかじめ水でふやかし半分ほど蒸した精麦を入れて完全に柔らかくなるまで茹で、盛り付けの前に小さい角切りにしてきつね色に炒めたベーコンを混ぜ込み、野菜を目玉焼き数個と一緒に盛り、燻製肉、豚のあばら肉か蒸した牛肉を添えます。

39.地上に実るコールラビ

 コールラビは皮を剥いて洗い、固い部分は切り取って細切りかスライスにします。塩を入れた熱湯で柔らかく茹でます。植物油脂と粉を合わせて炒め、好みで牛乳かビーフブイヨン、あるいは両方を注ぎ入れ、パセリのみじん切りかナツメグを加え、コールラビを入れて蒸し煮します。-コールラビが柔らかくなったら、心葉を細かく刻んで単独で茹で、バターと肉ブイヨンと混ぜ合わせ、カリフラワーのように弱火で煮て盛り付けたコールラビをその周りにきれいに並べます。その他ソーセージを周りに並べてもよいし、コートレット、モモ、ルーラーデ、肉団子もよいです。調理時間は1時間半です。
 追記:青いコールラビは白いものより良いです。マイルドで白いもののようにすぐにむっとするようなにおいがありません。

40.詰め物入りコールラビ

 コールラビは丸く皮を剥き、軽く塩を入れた湯で半分ほど茹でます。スライスを一枚切り、残りを器のようにくり抜いて、その中においしい牛肉のファルスを詰め、スライスで蓋をします。蓋を上にして糸で縛り、平たい鍋に並べます。温めた肉ブイヨンを注ぎ、バターを多めに入れ、塩が足りなければ塩を加え、コールラビを煮ます。盛り付けの際、気を付けながら器に移し、糸を切って取り外し、ジャガイモの粉かデンプンを溶いてブイヨンにとろみをつけ、コールラビの上からかけます。
 この料理の調理時間は2時間かかります。

41.型焼きしたコールラビ

 皮を剥いた柔らかいコールラビをスライスにし、塩を入れた湯で10分茹でます。皿1杯分の小さなジャガイモも皮を剥き、茹でてコールラビと合わせたら、バターと肉ブイヨンを少し加え、柔らかく蒸し煮にします。耐熱性のある炻器の型にバターを塗り、まず野菜を入れたらその上に生ハムを敷き、それを繰り返して4分の3ほどまで入れます。卵黄を3個にクリームを少し加えて攪拌し、型の中身に注ぎます。バターをちぎって丸パンのパン粉と一緒に散らし、弱めの火で30分焼きます。

42.カリフラワー

 カリフラワーは葉柄を取り除き、ナイフの先を使って小さな葉をこそげ取ったら、花蕾をできるだけ傷つけないよう小房に切り分け、塩水につけて幼虫その他の虫を取り除きます。その後塩、バター、レモン汁を入れたやや沸騰したお湯に入れて柔らかくなりすぎないように茹でます。水切り籠を内蔵した鍋で蒸せば、崩れることなくすぐれた味も逃がさずに加熱できます。
 カリフラワーを花蕾を上にして合う器に並べ、ドイツ風にとろみのあるザリガニのソース、クリームソースまたは酸味のある卵ソースをかけてもよいし、また一方では英国風に溶かしバターのみをかけ、パンをおろしてふりかけ、ナツメグをまぶすだけでもよいです。
 ソーセージ、牛タン、生ハム、焼いたひな鳥、詰め物をした子牛の胸肉、スモークサーモン、モモ、流行のクルステルンまたは腎臓のクルステルン、豚肉のソーセージを付けあわせにします。

43.パルメザンチーズをかけたカリフラワー

 カリフラワーを茹でたら器にきれいに並べ、片手いっぱいほどのパルメザンチーズを加えたかなり濃いクリームソースをかけ、上からさらにパルメザンチーズをおろしてカリフラワーが覆われるくらいふりかけます。溶かしバターをまぶし、高温のオーブンでよい焼き色がつくまで焼きます。
 別の調理法は、茹でたカリフラワーを小房に切り分け、とろみのある卵ソースをからめ、おろしたパンをまぶして油できつね色に揚げます。
 会食用のカリフラワーを用意する時は、茹でたカリフラワーを皿の真ん中に置き、(カリフラワーの茹で汁と肉ブイヨンで炊いた)米を周りに盛ります。酸味を効かせた卵ソースを注ぎ、小さい三日月型パイで飾ります。
 高級な料理ではカリフラワーの代わりに、同じくキャベツ変種のブロッコリの方がよく使われます。ブロッコリの花蕾は、カリフラワーと同じで小房に切り分け、調理します。茎は皮を剥き、切り分けて味の似たアスパラガスのように茹でます。

44.ミラノ風カリフラワー

 見た目のよいカリフラワーを、茎をできるだけ短く切り落とし、塩を入れたお湯で柔らかく茹で、ザルに取って水気を切ります。耐熱性の陶製の器にバターを塗ってパルメザンチーズをおろして散らし、カリフラワーを小房に切り分けて器に入れたら、雄牛の舌を細かく刻んだものを大さじ2杯、同量のマッシュルームのみじん切りを混ぜて振りかけ、トマトピューレ大さじ数杯を混ぜた濃いベシャメルソースをかけて覆います。その表面にパン粉をまぶし、溶かしバターをかけ、パルメザンチーズをおろして振りかけ、温めたオーブンに入れ10分焼きます。

パルメザンチーズをかけるところがミラノ風なのでしょう。料理名を検索すると、レシピサイトのいくつかにレシピが出て来ますが、どれもパルメザンチーズをかけて焼く程度の、材料はシンプルなものばかりです。


45.セロリの煮込み

 きちんと洗った根セロリを4~8等分に切って茹で、根セロリにしっかり味を付け、きつね色のいい色がつくように肉エキスのブイヨンに入れ、バター、塩、ナツメグを加えて弱火で煮込み、仕上げにジャガイモの粉かデンプンでとろみを付けます。
 調理時間は1.5時半です。
 付け合せ:詰め物をした子牛の胸肉、蒸した子牛のあばら肉、フィレ肉、ルーラーデン、焼いた子牛の胸腺、上品なフリカンデル、焼いた雄牛の舌、塩漬けの舌、焼きソーセージ、流行りのクルステルン、あらゆる種類のコートレット
 大きな根セロリはコールラビのように中をくり抜いて詰め物ができます(ただしザリガニのバターは抜きで)し、または軽食として食べることもできます。

46.イギリスのセロリ

は、煮込み野菜として食べる場合には、カルドン(71番)のように調理します。ただほとんどの場合、生のまま塩を振ってバターやチーズと合わせて食べます。その際人工的に白くした茎の皮を剥き、細長いセロリグラスに入れます。

 ここでいうセロリは茎セロリなのですが、「イギリスの」というのはイギリスから伝わったのか、イギリス風の食べ方なのかがいまいちわかりません。きっと後者かと思うのですが。
 
 セロリグラスって知りませんでした。今でもスティック野菜をおしゃれに盛り付けたりすることがありますが、そういう感覚なのでしょうか。
写真がありましたのでどうぞ。

↓ こちらはビクトリア調セロリグラス


47.ネギを調理する(ヘッセンの料理)

 ネギをきれいにし、緑の葉まで切って洗い、脂、バターひとかけらと塩を入れて煮立たせた肉のブイヨンにネギを入れて1時間ほど煮ます。半分ほど時間がたったらレーズンを加え、盛り付ける前に潰したラスクか粉を少しと、お酢と砂糖少々を加える。セロリはジャガイモやスープで煮た肉を添えて食べます。ちなみに他の物も合います。ネギがあまり柔らかくない場合は、ネギを2回皮を剥き、その先の調理の前にお湯で30分以上柔らかく煮ます。

ネギはここではJohannislauch(聖ヨハネのネギ)とあります。聖ヨハネの日(6月24日)の頃に収穫したからという説があります。一般的にはWinterzwiebel(冬玉ねぎ)やLauchzwiebel(ネギ玉ねぎ)、Frühlingszwiebel(春ネギ)などと呼ばれます。

48.玉ねぎの蒸し煮

 中くらいの大きさの玉ねぎの皮を剥いて茹で、強い味を取ります。濃い肉のブイヨンにバター、メース、潰したラスク、好みでレモン汁を少し入れて味付けし、陶製の鍋で玉ねぎを1時間~1時間半煮ます。
 添え物:エスカロップ、焼いたタン、焼いたレバー、ザウレ・ロレン、焼きソーセージ、牛肉の煮込み

ザウレ・ロレ(ン=複数)はSaure Rolle(n)と書き、酸っぱいロール(巻いたもの)の意味で、ドイツ北部シュレースヴィヒ・ホルシュタインのソーセージの1種です。なぜ「酸っぱい」かというと、下味を付けた牛肉をミノに入れて14日間酢の溶液に浸けて作るためです。昔農家で屠畜した後に残った肉を集めて作っていたそうです。スライスして焼いて食べることが多く、野菜やジャガイモなどを添えて食べるこの地方の郷土料理となります。
こんな感じです。これはディトマーシュ風だそうです。

東フリースラントではホエー(乳清)に浸けるなど、町によって独自の調理法があるようです。

49.詰め物をした大きい玉ねぎ(軽食向け)

 カップの受け皿ほどの大きさのスペイン玉ねぎは皮を剥き、上の部分を切り取って蓋にし、中身をくり抜いて美味しい肉のファルスを詰め、蓋をして糸で巻いて固定します。そして玉ねぎをバターで5分間、表面をまんべんなく焼いたら、ブイヨン、塩、ホールのオールスパイス、白コショウ、全体の量に応じてローリエを2~3枚、メースを少し、潰したラスクを加え、鍋の蓋をして45分~1時間、肉に火が通り、玉ねぎが柔らかくなるまで煮込みます。そうしたら糸を外し、レモンスライスを添え、とろみのある濃いソースをかけて盛り付け、付け合せは添えません。

スペイン玉ねぎって何だろうと思って検索したらこんな写真が。

日本の玉ねぎと同じものかもですね。
ドイツの玉ねぎは確かに日本のより小さいのが多く、詰め物をするなら大きい玉ねぎの方が使いやすいですよね。

50.サラダ豆

 食べるのに邪魔になる繊維を丁寧に取り除くため、豆の片端を上から下まで筋を取ったら、もう片側を下から上へと筋を取ります。豆を洗い、沸騰したお湯に少しずつ入れます。入れる度にお湯を再度沸騰させます。豆に半分程度火が通ったら塩を入れ、完全に柔らかくなるまで茹でたら、陶製の濾し器に移し、それを茹で汁の鍋の上において豆を保温しておきます。卵ソース、ベーコンソース、またはバターソース(R章参照)を準備するか、英国風カリフラワーと同じように仕上げます。

サラダ豆=Salatbohneと言いますが、日本でもおなじみのインゲンマメです。インゲンマメもいくつか呼び名がありますが、ドイツでもGartenbohne、Grüne Bohne、Buschbohneなどがあります。

51. 折ったサラダ豆

 前のレシピ通りに繊維を取ったあと、豆を指半分の長さに折ります。クーネロールを熱して粉を入れて炒めたら牛乳を注ぎ、豆を入れて弱火で煮ます。塩を振り、コショウも加え、しっかりとろみのついたソースの中でしばらく煮たら、火から下ろします。豆が崩れないよう気を付けながら、酸味がつく程度に酢あるいはレモン汁を加え混ぜ、ジャガイモと一緒に器に盛ります。
 あるいは茹でた豆を新鮮なバターとパセリのみじん切りを絡めて、48番の玉ねぎを円状に周りに添えてもよいでしょう。

52.切り豆

 この豆は茹でないので、筋を取ったらしっかりと洗うことが大事です。そうしたら細くできるだけ長く切り、熱湯にバター少々、玉ねぎ1個とハム1個と共に入れ煮ます。その後両方を取り出し、炒めた小麦粉を入れて混ぜ、潰した砂糖を小さじ1杯、マギー調味料を小さじ半分、パセリのみじん切り、必要に応じて塩を加えます。茹でたジャガイモを添えます。-調理にはおよそ2時間を要します。
 合わせるものはサラダ豆と同じです。

ドイツ語のSchneide(=切る)bohnen(=豆)をそのまま訳しました。ただ、この料理名、正しくはSchneide- oder Bietsbohneとなっています。Schneidebohneは今でもあるのですが、Bietsbohneがさっぱり見当たりません。Bietという名詞はあるのですが、意味が豆とどうつながるのか分かりません。Schneidebohneで見るとインゲン豆の仲間のようです。

ただこのSchneidebohneにはもう一つあり、特にラインラント風として乳酸発酵させた保存食品のことも指します(下リンク)。なのでSaure Bohnen(酸っぱい豆)とも呼ばれます。
このレシピは発酵させているようではないので、ここでは無関係でしょう。


53.切り豆をメクレンブルク風に調理する方法

 前出のように下ごしらえした豆を、肉ブイヨンとバター、塩を入れた熱湯で柔らかく茹でます。盛り付ける前にパセリのみじん切りとベンケイナズナをたっぷり加え、豆の量に応じてブイヨンか水で溶いた小麦粉大さじ1ないし2杯を加えて混ぜ、豆を入れてしっかり火を通し、器に盛りつけます。

メクレンブルクにも豆を使った料理はありますが、これに相当するものはまだ見つかってません。でも似たような料理はいろいろあるのではと思います。ちなみにハンブルクなど北部では、エンドウ豆、ベーコン、洋ナシを一緒に煮込む料理があります。

54.牛乳で煮た切り豆

 下ごしらえした豆を熱湯で茹でて水を切り、牛乳、塩、バターと合わせて柔らかく煮る。盛り付けの前にパセリのみじん切りとベンケイナズナ、生クリームで溶いた粉(生クリーム1/4ℓに対し粉大さじ1)を加え、豆を入れてよく火を通します。

ベンケイナズナはドイツ語ではPfefferkrautといい、コショウ草の意味です。でも日本でいうコショウソウは学名がLepidium sativum、ベンケイナズナは
Lepidium latifoliumなので近い仲間だとは思いますが、厳密には違うようです。(写真は下リンク)


55.拾い集め(盲目の鶏)、ヴェストファーレンの地元料理

 燻製ベーコンまたは燻製ハムを半茹でにし、さやから出した白いんげん豆も水に入れて火にかけ、ゆっくり茹で、その間に他の野菜を準備します。インゲン豆は筋を取って洗い、小さく切り、半量のニンジンを洗って角切りにし、洋ナシと酸味のあるリンゴは皮を剥いて4等分にし、小ぶりのジャガイモも同様に皮を剥きます。ベーコンまたはハムが半分ほど柔らかく火が通ったら、茹で汁を少々特別な鍋に入れ、まずは豆とニンジンを入れて半分ほど火が通ったら、ジャガイモと洋ナシを、最後にリンゴを入れ、全体を煮込みます。肉を切り、柔らかく茹でた白いんげんと共に野菜に加え、ベーコン(ハム)の茹で汁を加えてとろみを出します。
 調理時間は2~2時間半です。

この料理名が「???」だったのですが、ウィキペディアに説明がありました。
 まず「盲目の鶏」ですが、ドイツに「盲目の鶏も、トウモロコシ粒を見つけることがある。」という諺があります。日本だと「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」になりますが、この料理名はこの諺から生まれたそうで、その意味するところは「誰でもこの料理の中に好きなものが一つくらいは見つかるだろう」というものです。
 で、「拾い集め」の方は、この本の著者ダヴィーディスが命名したそうですが、料理人が菜園に残っている作物をかき集め「盲目の鶏」として調理した秋の料理であることがその理由のようです。

56.型蒸しした野菜

 溝のないエンゼルケーキ型にバターを塗り、白い紙をぴっちり敷いて、その上にさらにバターを塗ります。茹でたニンジンと大根を、同じ大きなの丸にくり抜いて交互に型の底や側面に敷き詰めます。そこに、卵黄数個とパン粉大さじ数杯を混ぜてとろりと煮込んだほうれん草(3番)を詰めて、上からバターを塗った紙を敷き、35分じっくりと湯煎にかけます。盛り付ける際、型を注意深くひっくり返して中身を皿にあけ、紙を取り外し、真ん中の空いた部分にライプツィヒ風煮込み(28番)を入れます。

エンゼルケーキ型と書きましたが、下のリンクのようなドーナツ型のケーキ型のことです。


57.トウモロコシ、アメリカ人の好物料理(いわゆるインディアン・コーンまたはシュガー)

 トウモロコシの粒が完全に熟し、かつまだ白くとても柔らかい状態になったら、葉を切り取り、トウモロコシを、塩少々を入れたお湯で30分茹で、熱いうちに食卓に出します。新鮮なバターを塗って粒を食べます。

シュガーというのは、sugar cornのことかと思ったのですが、indian cornを調べると南米の赤とか黒の粒が混じったやつが出てくるんですよね。でもこのレシピは「白く柔らかい」とあるので、シュガーコーンの方でしょう。

58.トウモロコシをシュヴァーベン風に調理

 上で述べたトウモロコシを、縦に半分に切り、金網に乗せて新鮮なバターを何度か塗りながら焼きます。熱いうちにいただきます。

これは絶対に美味しいと思いますが、シュヴァーベンの料理で探しても見つかりませんでした。今は特にシュヴァーベン風でもないのかもしれません。

59.キュウリの蒸し煮

 キュウリの皮を剥き、種をくり抜いて小さく切り、酢と水を半々ずつ合わせて塩を入れた中にキュウリを入れてしばらく煮ます。あるいは酢と塩を加えた水に1時間浸けておきます。それをマギーの固形ブイヨン、バター、ナツメグ、潰したラスクを入れたブイヨンで最大30分煮ます。
 東プロイセンでは、キュウリをサワークリームで煮ます。キュウリを切った後、マリネしたり茹でたりせずに、溶かしバターに加えて玉ねぎのみじん切りと一緒に炒め、小麦粉を振りかけたらサワークリームを半リットル加えて、弱火で柔らかく煮込みます。
 フリカンデレ、コートレット、雄羊のロースト、ソーセージ、子牛のシュニッツェルを合わせます。

下のもそうですが、キュウリを煮るって日本ではあまりなじみがないですが、冬瓜などをイメージするとわかりやすいでしょうか。ドイツのキュウリはとても太いので、真ん中の種も量が多くて結構水っぽいので、サラダにする時も種を取ることが多いです。
 やはり東プロイセンやベルリンではキュウリの蒸し煮が郷土料理だそうです。うちにある東プロイセンの料理本には残念ながら載っていませんでしたが、ドイツ全国の郷土料理を集めた本にはありました。トップ画像がそれです。

60.詰め物をしたキュウリ(軽食向き)

 大きい緑色のキュウリは、柔らかさを失うよう、前日の夕方に皮をむくのがよく、縦半分に切ってスプーンで種をかき取ったら酢に漬けます。昼頃キュウリを乾かし、子牛のファルスを作ります。子牛の挽き肉をいくらか、マッシュルームのみじん切り、冷水でふやかして水気を絞った牛乳パン、新鮮なバターひとかけら、溶き卵1個、ナツメグと塩が材料です。これらをすべてよく混ぜ合わせたら、半量をキュウリに詰めて糸で縛り、たっぷりの溶かしバターで全面を茶色く炒めてその後じっくり蒸し煮にします。キュウリを取り出し、ソースのとろみをつけるに十分な量の粉を残ったバターで炒め、マギーの固形調味料で作ったブイヨンを注ぎ入れ、種を取ったレモンスライス、メース、塩、白コショウひとつまみ、ケッパーを加えます。キュウリを入れ少しの間煮たら糸を取り外し、ソースは新鮮な卵黄一個を混ぜてきれいに盛り付けます。

61.キュウリの煮もの

 このいくらか柔らかく、しかしとても消化しやすい煮ものは、15分で調理できてしまうため特におすすめです。まず瓶ほどの太さのキュウリの皮を剥き、指の幅程度に細長く切り、塩を入れた熱湯に入れて数分間柔らかくなりすぎない程度に茹でます。その間に粉小さじ1杯をバター少々で炒め、新鮮な牛乳を注ぎ入れ、ナツメグで味を付け、ざるに取って水気を切ったキュウリを入れて煮ます。カリフラワーのように扱えばよいです。鍋を火からおろした後、サラダ豆のレシピのように酢を少々加えて混ぜてもよいです。
 キュウリと全く同様に、キュウリのレシピは全て、カボチャも調理できます。
 合わせる料理:フリカンデレ、鶏のグリル、塩をして燻製した肉も特によいです。

62.マロン(ヨーロッパグリ)

 マロンはA章47番の通りに調理し、キャセロールに入れて新鮮なバター、塩、砂糖少々、美味しい肉のブイヨンを加え弱火で柔らかく蒸し煮します。ブイヨンをバターで炒めた粉のルーでとろみをつけ、温かいうちに盛り付け、器を肉汁たっぷりに焼いたコートレットを添えるか、マロンをケールに添えて盛り付けます。
 煮たマロンが残ったらピューレに転用できます。マロンを熱湯で洗い流して濾し、バター、リービッヒの肉エキスをナイフの先ほど、薄めのブイヨンを好みの状態になる量加えて混ぜ、できたピューレは芽キャベツ、ザウアークラウト、または焼きソーセージに添えます。

63.秋の根菜(ニンジン)を春の根菜のように調理する

 根菜をきれいに洗ったら薄く皮を剥き、再度丁寧に洗って、春の根菜と同じように先端だけを取って茹でますが、必要な甘さを出すため砂糖少々を加え、最後にパセリのみじん切りを入れます。
 付け合せは若い根菜と同じです。

注意:全ての野菜をきれいにする前と後に洗うことが、よい味を出す調理に大きな影響を与えるなら、根菜の場合は皮の中に強い味を出すものがあるので、水の中で両手の間でこすってきれいな水で数回洗い流します。
 根菜は甘みを失ってしまうので、決して切った後に洗わず、ニンジンやスウェーデンカブはできるだけじっくり煮込むと味がよくなります。

64.秋の根菜の別の調理法

 きれいに洗った根菜をごく細長く切りますが、まな板の上で行うのが一番よいでしょう。これを熱湯少々、みじん切りの玉ねぎ、卵半分くらいの量のパルミンと一緒に火にかけ、後から塩を加えて柔らかくなるよう手ばやく煮ます。次にバターをいくつかちぎって加えて溶かし、簡単に作ったブイヨンにトウモロコシ粉少々を加えてとろみをつけ、パセリのみじん切りを混ぜます。-盛り付ける前に皮を剥いた酸味のあるリンゴを半分根菜の上に置いて蒸し煮し、根菜をリンゴと一緒に美しく盛り付けます。小さい器に盛ったジャガイモを添えます。

65.詰め物をしたトマト

 熟した見栄えのよいトマトの中身を丁寧にくり抜き、くり抜いた中身を濾して、マッシュルームのみじん切り、すりおろした白パン、ふんわり攪拌したバター、塩、コショウを合わせた物、あるいは細かく切った鶏肉の残りや、とても美味しいのはみじん切りの鶏レバー、バター少々、生クリーム、卵数個、おろしたパン、香りのよい香草を合わせてファルスを作り、トマトに詰めます。そのトマトをバターで10~15分焼き、レモン汁を垂らし、軽めの食事として焼いたパンのスライスを添えて、あるいはもう少し大きな中程度の食事の飾りとして食べます。
  南アメリカでは、ほぼ完全に茹で上がった米にバターをたっぷり混ぜ、カレー粉で味付けしてくり抜いたトマトに詰めます。このトマトは焼かずに濃く出したブイヨンでゆっくり煮て、蒸し鶏を合わせます。-ボスニアでは青いトマトを使いますが、とても美味です。私も自分で未熟なトマトで試してみました。ドイツでも天候が思わしくない時によく手に入ります。この青いトマトに、良質のラム肉を細かく切り、バターとおろした玉ねぎを加えて15分炒め、ほぼ完全に茹で上がった米を同量加え、コショウで味付けして詰めます。詰めたトマトを肉のブイヨンで柔らかくなるまで蒸し煮し、たっぷりのサワークリームを入れて作った淡い色のソースをかけます。

南米でカレー粉使う料理ってあるのか分かりませんが、意外な気もしますね。ボスニアで使う青いトマトって、もしかしてグリーンのパプリカではないかと思えるのですが。クロアチアやトルコなどにありますしね。

66.詰め物入りトマトの新しい調理法

-1つ目の方法 
 同じ大きさのトマトを、きれいに拭いてから、ヘタの部分を蓋として切り取って中身を丁寧にくり抜きます(中身はスープ用に取っておきます)。トマト10個に対し、ベーコン100gを薄切りにし、マッシュルーム7個を細かく切り、パセリとタイム少々、小さなエシャロット1個、すべてを弱火にかけて炒め、溶き卵3個を混ぜ込み、トマトに詰めます。表面にパンくずをまぶし、溶かしバターを塗った型にトマトを並べて入れ、10分間急火で蒸し焼きにします。
-2つ目の方法
 くり抜いたトマトをまず詰め物をせずに5分間、バターを塗った焼き型に入れてオーブンで焼き、胸腺のラグー(D章114・115番参照)を詰め、パンくずをまぶして、焼いたキッチンスコップで表面を茶色に焼き付けます。
-3つ目の方法
 トマトを横半分に切って中身をくり抜き、レバーのファルスに細かく刻んだ塩漬けのタンを混ぜたものを詰めます。バターを塗った天板にトマトを並べ、パンくずとおろしたパルメザンチーズを混ぜたものを振りかけ、10分蒸し焼きにします。盛り付ける際、トマトにそれぞれ落とし卵を1個ずつのせ、マギーの固形ブイヨン1個にバター少々を混ぜて作った濃い肉のブイヨンを注ぎ、エストラゴンのみじん切りをまぶします。

67.スペイン風トマト

 熟したトマトをスライスし、塩を振り、蓋をして1時間置いておきます。その間に茹でたハムを細かく刻み、焼き型にバターを塗ってハムとトマトのスライスを交互に入れ、一番上にちぎったバターとおろしたパンを散らし30分焼きます。型から丁寧に取り出し、煮詰めた茶色の濃いブイヨンをかけ、ローストした小さいジャガイモも周りに並べ、他の材料は加えず食卓に出します。

68.ナス

 ナス科に属するこの果肉質の野菜は、キュウリのような形の紫色をしたものがより一般的で、次に卵型をした白いものが高級とされますが、どちらも熟したものを使わなければいけません。熟していないものはやや苦味があるためです。調理には縦に半分に切り、切込みをいくつか入れて、おろしたパン、溶かしバター、コショウ、塩の順に転がして、焼き網またはフライパンで焼きます。-あるいは茄子をスライスし、塩コショウをまぶし、バターできつね色に焼いて、トマトソースを添えて出します。- 小さく切ってキュウリのように蒸し煮にしてもよいです。
 どんな料理とも合わせられます。

69.詰め物をしたナス

 ナスを縦半分に切り、真ん中をくり抜き、くり抜いた部分を細かく刻んだら、おろしたエシャロット1個、マッシュルーム3個のみじん切り、ベーコンの薄切り数枚、パセリのみじん切り小さじ1と一緒に油で炒めます。これを子牛肉のファルスと混ぜ合わせ、ナスに詰めます。バターを塗ったフライパンに並べ、オーブンで25~30分焼きます。焼き汁は、マギーの固形ブイヨン、ワインまたは水少々、ゼアニン粉で作ったブイヨンをソースとしてナスにかけます。―上品な軽食のメニューにぴったりです。

70.アーティチョーク(チョウセンアザミ)

 茎のところで短く切り取り、固い葉を取り除いて残りの葉のざらざらした部分を拭き取ります。一時間塩水で茹でたら、筋っぽい部分を取り出し、下の部分は白い芯を残して切り取り、オランダ風ソースかまたはふんわり攪拌したバター(R章)だけを添えて盛り付けます。-冬にはエンドウ豆(缶詰の漬けたもの)を詰めたアーティチョークの芯、またはアーティチョークの芯と牛の骨髄という人気の料理で高級コースの最後を締めくくります。-合わせる料理はカリフラワーの場合と同じです。

71.カルドンまたはカルディ

 カルドンの緑の葉をむしり取って束ね、お酢と塩を加えたお湯で、筋っぽい薄皮が剥けるようになるまで茹で、冷水にとって10㎝長さに切ります。キャセロールにベーコンスライスを敷き、玉ねぎのスライスをのせ、白ワイングラス1杯とマギーの固形ブイヨンで作った濃いブイヨンを注ぎ、カルドンを入れて柔らかく煮ます。盛り付けの際はブイヨンからカルドンを取り出し、ブイヨンは脂を取りのぞいて茶色のルーでとろみをつけてソースにし、カルドンにかけます。-あるいはブイヨンは置いておき、カルドンの汁気を切って酢と塩を入れたお湯で茹でた牛の骨髄と一緒に盛り付けます。

カルドンはCardone, Kardoneと綴り、別名Cardi, Cardy, Kardiとなります。学名はCynara cardunculus、アーティチョークの仲間です。カルドンの説明はこちらをどうぞ。

ウィキペディア

72.パースニップ

 パースニップは太くて白い、がっしりとして糖分を豊富に含んだ根菜で、万人受けするわけではないにしても、多くの人に美味だとされています。
パースニップは洗って皮をこそげ取り、再度洗ったら十字に切り分け指半分の長さに切ったら、厚めの小さい形に切ります。バターを入れたお湯を沸かし、パースニップを入れて塩を加えて柔らかく茹でます。1時間で十分です。茹で汁はあまり煮詰めすぎず、何も加えなくてもとろみが十分あるのでナツメグ少々を加えるだけにします。
 あるいはまた、パースニップを肉のブイヨンと肉についた脂で煮込み、柔らかな味を出すためレモン汁を加えるか、テルトウカブ(アブラナ科ブラッシカ・ラパの1種でパースニップに似ている)のように調理する、または英国風に柔らかく煮込んで揚げ衣(A章29、30番)を付けて揚げます。
 付け合せ:コートレットの料理いろいろ、焼きソーセージ、ラムや子牛のモモ、鳥料理

和名はアメリカボウフウ、シロニンジン、サトウニンジン。18世紀、ドイツやオーストリアではとても食べられたそうですが、そのうちニンジンやジャガイモの需要が上がってパースニップの消費は減少していましたが、細菌では有機栽培のものを中心に流通しています。

73.秋のカブ

 この黄色のカブは最も柔らかく、とても美味です。5月カブのように好みでジャガイモと一緒に茹でます。
 付け合せ:燻製肉や塩漬け肉、マトン
 調理時間:1~1.5時間

ドイツ語でHerbstrüben(秋のカブ)といい、学名はBrassica rapa subsp. rapa subvar. esculentaです。トップ画像のものがこれです。レシピには「黄色」と書いてありますが、中が黄色いのでしょうか。
 ちなみに5月カブ(Mairübe)は、日本にもよくあるあの白いカブにそっくりです。

74.テルトウカブ

 バターひとかけらを強すぎない火にかけ絶えず混ぜながらきつね色に炒め、砂糖大さじ1を加え、さらに混ぜます。次に小麦粉小さじ1杯を加え、きれいにしてお湯でよく洗ったカブを切らずに加え、茶色くなってくるまで絶えずかき混ぜます。ここへ味の良い沸騰した肉のブイヨンを注ぎ入れ、しっかり蓋をしめてカブにじっくり1.5~2時間ほど火を通します。添えるジャガイモを炒めます。
 オッタースベルクのカブはテルトウカブより長いので切り分け、同じように調理します。
 付け合せ:ソーセージ、燻製または塩漬けのタン、詰め物をした子牛の胸肉、羊のあばら肉、焼きソーセージ、豚肉のソーセージ、燻製ソーセージ、ポンメルン風ガチョウの胸肉

 テルトウ(Teltow)はブランデンブルク州の町で、そこから由来するとされていますが、元々はポーランドやフィンランドからもたらされたようです。18、19世紀にはとても人気の根菜で、ゲーテやカントに好まれた他、フランス王室にも知られていたそうです。
 東独時代はほとんど栽培されていなかったそうで、東西ドイツ統一後、農業系の団体が1993年にTeltower Rübchen(小カブ)の名で品種登録し、1999年には栽培促進・保護協会も設立されています。
 スープやサラダなどにして食べます。

 「オッタースベルクのカブ(Ottersberger Rüben)」はネット検索をするとこの料理本と同時代の他の料理本や農業の本に登場しますが、現代のソースでは見つかりませんでした。ちなみにオッタースベルクはニーダーザクセンにある町です。


75.チャービルカブまたは根茎チャービル

 これはあまり知られていない上質な根菜で、12月と1月が旬です。洗ったものを冷水に入れ、沸騰させたらアーモンドのように皮を剥き、テルトウカブと同じように調理して同じ付け合せを添えます。

これもドイツ語名(Kerbel (=チャービル) rübchen)を直訳しました。下のリンクに写真があります。リンク内の説明によると、これも古い根菜で、味はニンジンとパースニップの間だそうです。
学名:Chaerophyllum bulbosum

76.オカ

 またはモンカタバミが、シュレースヴィヒ=ホルシュタイン、テューリンゲン、ライン川流域で栽培されている、根茎のある新しい野菜で、その透きとおった塊茎を野菜として調理します。よく洗ったオカを、牛乳と水を半々に、塩を入れた中に皮付きのまま入れて柔らかく茹でて水けを切り、皮を剥きます。淡い色のルーを溶き入れた肉のブイヨンで軽くとろみの付いたソースを作り、オカをその中に入れ少し火を通します。好みでソースに卵黄を混ぜ入れます。白いルーの代わりに茶色のものでもよく、ソースを上質なコショウ、マギー調味料10滴、レモン汁少々で味付けします。-オカは地下室で長期保存ができ、万人好みではないですが、美味しい冬野菜です。

 これまた初めて聞く名前のカブです。
 ドイツ語でSauerklee (=カタバミ)rübchen(小カブ)といいますが、カタバミカブという日本語の名前はありません。Knollige Sauerklee(塊茎状のカタバミ、学名Oxalis tuberosa)というのがありまして、おそらくこのことだろうと思います。別名にOka, Oca, Yamなどがあり、ウィキペディア日本語版では「オカ」とあったので、これを採用しました(下のリンク参照)。

 モンカタバミとはドイツ語でGlücksklee-Rübchenといい、四つ葉カタバミとも言うそうですが、学名はOxalis tetraphyllaと、オカとは違うんですよね。著者が混同したのかもしれないですが、こちらも食べられる塊茎があります。葉っぱと塊茎の写真が下のリンクにあります。

77.ルタバガまたはコールラビを土の中で茶色に調理する

 黄色のルタバガが一番よいです。指の長さに切り、テルトウカブ同様に調理し、ジャガイモを炒めて同じ付け合せを添えます。

ちょっとこれはレシピのタイトルがよく分かりませんでした。「土の中で(in der Erde)」が何か他のことを意味してるんでしょうか。地中に実るルタバガやコールラビ、とか土製の窯や鍋のことでしょうか。

78.ルタバガの日常的な調理方法

 ルタバガは洗って皮を剥き、再度洗ったら細い短冊切りにし、必要に応じて茹でます。次に、腎臓の脂またはパルミンと塩を入れた少な目の熱湯で柔らかく煮て、最後にバターをいくらか加え、大さじ1~2杯のクリームで溶いたトウモロコシ粉を、ルタバガの形を崩さないようていねいに混ぜ込みます。盛り付けの際ナツメグを少々振りかけます。ジャガイモを茹でるか炒めるかして添えてもよいですし、ルタバガにのせて一緒に茹でてもよいです。
 合わせる料理:牛肉やウサギのロースト、燻製肉(温・冷)、焼きソーセージ、スライスパンのロースト、焼いたレバーなど


ルタバガは最近日本でも出回っていますね。ドイツへはスカンジナビアから入ったそうで、古くはSchwedische Rübe(スウェーデンカブ)と呼ばれました。第一次大戦中は「ルタバガの冬」と呼ばれる食糧危機がありました。日本語ウィキペディアでは「カブラの冬」と紹介されています。

79.チョロギ(Stachys tuberifera)

 日本からもたらされた新しい野菜で、とても繊細な味わいがあります。この小さい塊茎はこすって土を落とすだけにします(皮が薄いので、湯がいて皮を剥く必要はありません)。次に10~15分塩を入れた熱湯で茹でます。ブイヨン、チョロギの茹で汁少々、バターで炒めた小麦粉、塩、コショウ、レモン汁を合わせ、最後に卵黄を混ぜたとろみの強いオランダ風ソースを添えます。あるいはまた、パセリソース、ベシャメルソース、クレソンのソース(R章参照)を添えてもよいですし、茹でた後に卵白をからめて揚げたり、アスパラガスサラダ同様サラダとして食べたりしても構いません。合わせる料理は、焼いた子牛の乳腺、鶏、レバー、あばら肉、タン、ハムや燻製肉。

 中国原産のシソ科イヌゴマ属の植物で、ドイツ語ではKnollen-Ziest(塊茎状のイヌゴマ)といい、Chinesische Artischocke(中国のアーティチョーク), Japanknolle(日本の塊茎), Japanische Kartoffel(日本のジャガイモ)などの呼び名があるようです。学名をStachys affinisといいますが、Stachys sieboldiiとも言うのだそう。sieboldiiはもちろん、ドイツ人の医者フィリップ・フランツ・フォン・シーボルトのことですが、シーボルトが発見したのではなく、日本に縁のあるシーボルトに敬意を表して名付けられたとか。
ヨーロッパへは1882年にフランスへまずもたらされ栽培が始まったようです。
 私は食べたことありません。菊芋みたいな感じかなあと想像しますが、いつか食べてみたいです。

80.キクイモ(菊芋)

 これも新しい根菜で繊細な味がします。きれいにしたら小さく切り、手早く茹でたら-短時間で十分です-バターで炒めますが、テルトウカブやゴボウのように調理してもよいです。

 これも日本で手に入るようになってきたので、あまり説明は要らないと思います。イヌリンが豊富で健康と言われてますね。
 ただ、最初レシピ名を見た時、ヒマワリのことかと勘違いしました。ドイツ語ではHelianthusまたはSönnlingとあり、Helianthusとはヒマワリ属のことなんですね。Sönnlingとは太陽(=Sonne)にちなんだ名前なので、もうこれはヒマワリしかない、という感じだったのですが、はてヒマワリの根っこって食べるのだろうか、という疑問が湧きまして。で、Helianthus Knolleと検索をかけてみると、Topinambur、つまりキクイモがヒットしたというわけです。学名を見てみると、どちらもHelianthus tuberosusなので、あーキクイモのことか!と合点がいきました。
 キクイモはアメリカ大陸原産で、17世紀にアメリカに移住したフランス人がヨーロッパに送ったことからヨーロッパにも広まり、19世紀には食糧としても飼料としても重要な作物になっていたそうです。
 現在ドイツでも栽培されています。

81.西洋黒ゴボウ(スコルツォネラ)

 西洋黒ゴボウは、大さじ1杯の小麦粉または牛乳を水に加え混ぜたもので洗い、そいだ西洋黒ゴボウを使うまでそこに入れておきます。このように処理すると白さが保たれます。塩を入れた熱湯で5分茹で、次にアルプス産地の陶製の耐熱鍋にバターと肉のブイヨンを入れてその中で柔らかく煮ます。後から塩を少々加えます。陶製の鍋を使うのは、金属製の鍋だと白い色が失われてしまうためです。盛り付ける15分前になったら甘みのついていないラスクを潰したものか、小麦粉をバターで炒めたものを加え、好みでメースで味付けします。最後に茹でた肉団子を加え、牛肉の煮込みに添えるか、そのままでいただきます。
 西洋黒ゴボウは酢を少々入れた塩水で柔らかく茹で、濃くとろみをつけたアスパラガスソース、ベシャメルソース、オランデーズソースを添えるか、あるいは小麦粉のルーを肉のブイヨンで溶き、野菜の茹で汁少々、レモン汁、メース、パセリを入れてソースを作り、ゴボウをこの中で弱火で煮ます。
 英国では塩を入れたお湯で柔らかく茹でた西洋黒ゴボウを、バター、おろしたパルメザンチーズ、上品な胡椒少しと合わせてバターとチーズが溶けるまで火にかけて調理しますが、南ドイツでは小さく切って卵白をからめて油で揚げます。
 西洋黒ゴボウには目玉焼きを添え、フリカンドー、仔牛肉のソーセージのファルス、若鶏、子牛のあばら肉、タンのロースト、フリカンデルの蒸し煮、牛肉の煮込みの付け合わせにします。

 西洋黒ゴボウは正式な日本語名はキバナバラモンジンというそうです。イメージしやすいように西洋黒ゴボウとしましたが、別の和名にキクゴボウというのもあります。ドイツ語ではSchwarzwurzel(=黒い根っ子)といいます。原文では括弧にSkorzonerenとも書かれていますが、これはイタリア語のScorzoneraから来ています。
 見かけは日本のゴボウに似ていますが、別の植物で、中身は白く、アクがすごいです。アクの白い液が出て、すぐに酸化して茶色くなります。ただ味は日本のゴボウよりマイルドで淡泊です。スープや温サラダなどいろいろな料理に使われます。

82.エンダイブ

 軟白栽培によるエンダイブの白い葉は最も高級な冬野菜のひとつです。茎を切り落とし、緑の葉を除去して内側の黄色い葉を塩を入れたお湯で茹で、冷水にとって冷ましたら、水気を絞って細かく刻みます。黄色のルーでとろみをつけた濃い肉のブイヨンで半時間ほど弱火で煮込み、ナツメグ、マギーの料理調味料で味付けし、レモン汁少々で味を引き締めて、好みで卵黄数個を混ぜ入れます。肉のブイヨンの代わりに濃いクリームソースで煮込むか、あるいはそのどちらかで煮込んだあと漉し器にかけ、新鮮なバターひとかけらを混ぜてピューレにします。
 合わせる料理としてはあばら肉各種、焼いたレバー、フリカンデレ、子牛の胸腺、鶏の丸焼きがいいです。

エンダイブ(ドイツ語:Endivie)とありますが、レシピを読んでいてもしかしたら同じキクニガナ属のチコリかも?という気もしました。フランス語だとアンディーヴ(endive)というとチコリを指しますね。エンダイブってふさふさの細い葉っぱだし、こんな風に調理するかしら?と不思議です。当時はチコリをこう呼んでいたのか、など調べてみたいと思います。

83.カボチャ

 皮を剥いて種を取り除いた小ぶりのカボチャを一口大に切り、みじん切りの玉ねぎ1個と切ったトマト3個を合わせてバターで炒め、1/3リットルの薄めの肉ブイヨンを注いで塩、コショウをし、ゆっくりと弱火で柔らかく煮込みます。
 煮汁はとろみをつけ、野菜は盛り付ける際、パン粉を炒めてまぶします。

84.芽キャベツ

 緑色の閉じたバラのつぼみのような芽キャベツを摘んで、硬いつぼみの周りのしなびた葉を茎から切り落とします。小さなしっかり閉じた芽キャベツをあまり沸騰していない塩を入れたお湯で茹で、網じゃくしですくい、崩れないようにざるに取り、冷めないようすばやく蓋をします。盛り付ける前にバターひとかけら、塩、ナツメグ、水で溶いたマギーの固形ブイヨンとパン粉少々を弱火にかけ、温まったら芽キャベツを入れてからめます。−芽キャベツは水気を切った後、温めておいた器に入れ新鮮なバターを芽キャベツの間や上に散らします。−調理時間は15分です。
 薫製したあるいは焼いた牛タン、ソーセージ、あばら肉、コロッケ、高級なフリカンデル、ハムを巻いたプリンゼが合わせる料理にむいています。

プリンゼ(Plinse)はクレープのようなパンケーキの1種で、ドイツ東部の料理です。ソルブ語に由来する名前です。

85.ちりめんキャベツ(サボイキャベツ)

 一番外側の葉は捨て、残りを縦に切ります。芯の部分と厚い葉肋を取り除き、残りを小さく切ります。切った葉を洗い、たっぷりの熱湯に塩を適量入れてさっと茹で、ざるにあけて水気を絞ったら、ナツメグ少々とバターを加えた肉のブイヨンにサボイキャベツを入れて蒸し煮します。
 南ドイツ風の美味な調理法は、塩を入れた熱湯で葉を茹でて刻み、バター、コショウひとつまみ、チャイブのみじん切り小さじ山盛り2杯、リービッヒの肉エキスを刃先程度、生クリーム少々と合わせて混ぜながら火を通します。
調理時間は1時間です。
合わせる料理:ブフ・ブラン、鴨のロースト、雄牛のロースト、あばら肉、豚肉のソーセージ、牛肉の煮込み、日常の食卓にはジューシーなスープ用肉、特にショートリブがよいです。

ちりめんキャベツはドイツ語でWirsingといいますが、これはラテン語で緑を表すviridiaが由来といわれますが、別名のサボイキャベツ(ドイツ語ではSavoyerkohl)は、このキャベツが北イタリア産であるらしいことから、当時その地域を支配していたサヴォイア家にちなんで名付けられました。
ドイツでは他のキャベツ同様一般的に売られています。

86.紫キャベツ

 赤い夏キャベツは冬キャベツよりおすすめです。冬キャベツは味が強く、調理時間も長いです。準備するまえに、まず真ん中から切り分け、外側の厚い葉と硬い葉肋を取り除き、残りを細くできるだけ長い千切りに切るかそぎます。お腹にガスが溜まらないよう、しっかり茹で、水気を切ったら艶のある赤い色を帯びるまで酢をからめます。次に水にガチョウか鴨、豚の脂か、あるいは腎臓の脂とバターを半々ずつ入れて火にかけ、ブドウの実をいくつかと、酸味のあるリンゴ2個を細かく切ったもの、小さい玉ねぎをいくつか、砂糖と塩を加え、そこへ紫キャベツをできればブンツラウの鍋に入れて柔らかく煮込みます。
 盛り付ける直前に小麦粉を少々ふりかけ、好みで赤ワインをグラス1杯、スグリのジュースまたはスグリのゼリーを大さじ数杯加え、4等分に切ったリンゴを上にのせて柔らかく蒸し煮し、紫キャベツにリンゴを見目よく添えて盛り付けます。−このように調理した紫キャベツには酢を加える必要はありません。この上品な味に酸味は十分あり、酢を加えてきつい酸味を加えるよりもより美味しいです。小さいジャガイモのローストが一番合いますが、時間がない場合は塩茹でのジャガイモでもよいです。
 会食の際、紫キャベツは次のように盛り付けます。器の真ん中にスグリのゼリーをあけ、その周りに紫キャベツを環状に盛りつけ、パイ生地を小さく切って焼いたものを環状にあしらいます。
 白いキャベツもまた同じように調理できますが、その場合赤ワインの代わりに白ワインを使い、最後のリンゴは省きます。白キャベツを使う際は酸味をつけることがしばしばありますが、その時は酢やクエン酸を使います。
合わせる料理:フィレ肉、牛タンのロースト、フリカンデレ、ソーセージまたは焼きソーセージ、肉巻き、豚のロースト、ウサギのロースト、ガチョウのロースト、鴨、ザウアーブラーテン、詰め物をしたポークリブ。

紫キャベツはドイツ語ではRotkohl、つまり「赤キャベツ」と呼ばれます。オーストリアではBlaukraut(青いキャベツ)となります。

87.白キャベツ

 外側の緑の葉を取り除いた後、キャベツを真ん中で切りわけ、芯と太い葉肋を切り落とし、大きめにまとまった形に切り分けます。これをたっぷりの熱湯で蓋をせずに10分、最長でも15分茹でます。ざるにとり、塩を入れた水を沸かし、クーネロールを加え、キャベツを入れバターをいくつかちぎって散らし、しっかり蓋を閉めて柔らかく蒸し煮にします。油と塩は均等に浸み込むため混ぜる必要はなく、そのまま網じゃくしでキャベツを野菜の器に移します。こうして調理するとキャベツは美味しく見た目もよい一品になります。ジャガイモを添えてもよいですが、日常の食事にはジャガイモを上にのせて調理するとよいでしょう。後者の場合、キャベツを15分調理した後にジャガイモをのせ、野菜にではなくジャガイモの上にバターをちぎって散らし塩を振ります。−昼食には肉もよいでしょう。塩を入れたお湯で1時間ほど下茹でし、キャベツをその上にのせて上記の通りに調理します。
合わせる料理:蒸した牛肉、スープ用の肉、フリカンデレ、ポークリブ、焼きソーセージなど。

白キャベツ(Weißkohl)は日本の普通のキャベツに見かけは似ていますが、葉が日本のものより硬いです。なので調理すると食べやすくなるのです。

88.いわゆる有名な狩人風キャベツ

 白キャベツを紫キャベツ同様細くそぐか切ります。濃い、酸味のついたベーコンソースを作り胡椒をふります。一人当たり厚切りベーコン30g、小麦粉大さじ半分で計算します。その後きれいに洗ったジャガイモを幅の広すぎない鍋に入れ、全体が被らない程度の水を入れ塩を加えて火にかけ、沸騰してきたらキャベツをその上にまんべんなく端の方は高く乗せ、塩をふってベーコンソースをかけて覆って煮込み、ジャガイモが柔らかくなったと思えるまでしっかり蓋をして煮込みます。一度確認し、きちんと柔らかくなっていて、水分がたくさん残っていたら、蓋をとって強火で手早く煮詰めます。その後キャベツを混ぜます−全体がまとまって汁気があり、酢と塩でちょうどよく、胡椒ですこしピリッとした味になっているはずです−美味な焼きソーセージをたくさん盛り付けた器と一緒に食卓に出します。
メモ:柔らかく煮えにくいジャガイモは、キャベツを入れる段階で半分程度火を通します。また、この料理は一度目で拍手で褒められるほどうまくいくことはないことも書き添えておきます。

この料理は今でも食べられます。ドイツ語でJägerkohlといいます。こちらにレシピがあります。写真がついているのでイメージしやすいですが、日本でも食べているみたいなキャベツの炒め物に似ています。

89.毎日の食卓のためのフランクフルト風白キャベツの料理

 細く切った白キャベツを塩を入れたお湯で柔らかく茹で、水気を切り、ラード少々、おろした玉ねぎ、リンゴワイングラス1杯、レモン汁少々を合わせた中に入れて煮込み、茹でたてのジャガイモを皮をむいてスライスしたものと交互に炻器の器に入れます。サワークリーム250mlを卵黄2個と一緒に混ぜ合わせてかけ、ソースがきつね色になるまでオーブンで焼きます。同じ器に入れたまま、フランクフルターソーセージと一緒に食卓に出します。

フランクフルト風というのは、アップルワインを使うところですね。フランクフルトはアップルワインが有名です。

90.詰め物をしたキャベツ

 白キャベツかちりめんキャベツの大きい葉をたくさん取って10分茹で、ざるに清潔な布巾を敷き、太い盛り上がった芯を切り取った葉を厚く丸く敷きつめ、牛肉のファルス(Q.III)を塗り、その上にまた葉を置いてファルスを塗る作業を繰り返すと、大きなキャベツの形になります。布巾を糸で縛り、キャベツを肉ブイヨンか軽く塩を入れたお湯に全体がかぶるように入れて蓋をし柔らかくなるまで茹でます。盛り付ける際、布巾から丁寧に取り出し、器に盛って次のソースをかけ、残りは添えます。
 ソースは小麦粉をバターで炒め、キャベツの茹で汁にマギーの固形ブイヨン1個を溶いたものを加え、メースとレモンスライスを加えて味付けし、卵黄数個を混ぜ入れます。
 この料理は調理に2時間かかり、ジャガイモのみ添えていただきます。

これも想像しやすい料理ですね。日本でもよくあるキャベツとベーコンの重ね煮に似ていますよね。

91.詰め物をしたキャベツ、別の調理法

 白いキャベツを数個、悪くなった葉を除去し、葉脈の隆起した部分は切り取り、芯のところで茎も切り取ります。次にキャベツを洗い、沸騰したお湯に塩少々を入れてキャベツを柔らかくなりすぎない程度に茹でます。
茹でて水気を切ったキャベツを冷まし、おいしい豚肉のファルスと一緒に後に示すようにプディング型に敷き詰めるか、より簡単なのは細長い鋳物の鍋に入れ、ブイヨンをカップに1杯注ぎ、ゆっくり火を通します。プディング型に入れる場合、まず一番大きな葉を敷き、その上に指半分ほどの高さまで豚肉のファルスを入れ、型がいっぱいになるまで繰り返します。最後はキャベツの葉で閉じ、バターをいくつかちぎって散らします。全体的に軽く押し込んで型にきっちり蓋をし、熱湯に沈めて2時間火を通します。
 ファルスは大きなキャベツの場合、豚挽肉600g、おろした白パン120g、卵3個、サワークリーム大さじ2杯、玉ねぎのすりおろし少々、コショウ、塩、ナツメグを使います。
 ソースはいろいろな調理法があります。最も簡単で有用なのは、マギーの固形ブイヨンとマギー調味料を溶かしたローストビーフか子牛のローストのソースを使うことで、すりおろした小型パンでとろみをつけ、あらかじめ火を通しておいたマッシュルームを加えます。バターを軽く炒めて色をつけてパン粉を混ぜ込んだだけのもの、または肉団子とキャベツで出汁を取り、それで焦バターのルーを溶き、好みでケッパーや刻んだアンチョビ、またはマッシュルームを加え、最後に固形ブイヨンで味をしっかりさせます。
 変化をつけたい場合おすすめは「小さなキャベツ」で、ファルスをジャガイモ大に丸め、茹でた白キャベツかちりめんキャベツの大きい葉で包みます。この小さいキャベツをバターか溶かしたベーコンで炒め、薄めの肉ブイヨンを注いで煮込みます。煮汁はモンダミンでとろみをつけ、マギー調味料とトマトピューレで味をよくし、キャベツにかけます。
 このキャベツのプディングの残りは有効活用します。スライスして卵とパン粉をまぶし、揚げ油できつね色に焼いたら茶色のソースとジャガイモの団子を添えて食卓に出します。

92.ちりめんキャベツの爆弾、会食の際の軽食

 大きく固いちりめんキャベツの外側の葉を取り除き、15分間塩を入れたお湯で茹でます。取り出してざるにあげます。並行して子牛の胸腺3枚を茹で、大きなガチョウのレバーを蒸し煮にします。両方をマッシュルームの缶詰、新鮮なトリュフ数個とともに大きめのサイコロに切り、仔牛肉で小さな団子も用意し、塩を入れたお湯で茹でたら切った材料に合わせます。薄い色のルーを胸腺でとった出汁、マッシュルームのつけ汁、肉のエキスで溶いてソースを作り、しっかりとろみを出して、材料を加えて火を通します。水気を切ったちりめんキャベツから中の葉を丁寧に切り取ってくり抜き、フリカッセを詰めて、上の部分を葉で閉じます。閉じたキャベツをナプキンで包んで縛り、煮立った肉エキスブイヨンをかけて1時間茹でます。
 器に盛り、溶かしたザリガニバターをかけ、ザリガニのソースを添えます。くり抜いた葉を柔らかく茹でて刻み、キャベツの茹で汁、固形ブイヨン、茶色のルーでおいしいスープを作ります。

爆弾とはすごい名前ですが、外見と迫力を物語っていますね。

93.オランダ風キャベツのケーキ

 白キャベツを4等分に切り、葉脈の太いところを除去して柔らかく茹で、冷水にとって冷やしたら水気を絞ります。細かく刻み、削ぎ切りしたベーコン125g、おろした玉ねぎ2個、塩、コショウとパセリと一緒に10分蒸し煮します。次に小型パン4個を牛乳に浸し、しっかり絞ったあと、卵黄6個、ナツメグ少々と一緒に冷ましたキャベツに合わせます。卵白を固く泡だてて混ぜ込み、用意しておいた型に入れてオーブンで薄茶色になるまで焼きます。型から出し、マッシュルームソースとジャガイモのローストとともに、蒸した濃い色の肉の付け合わせにします。

94. ブレーメン風緑または茶色のケールの丸ごと調理

 前者は味があまり強くないため、後者の茶色のものをおすすめします。ケールが凍っていたら、芯の部分とその周りの葉、やわらかければ茎もふくめ、洗って使います。残りの葉は煮込みに使えます。一番よいのは、ケールを夕方下準備をして夜にまた冷凍させることです。品種や多くの場合土壌によりますが、しっかり強い味のケールが育つところでは、たっぷりの水で10分ほどさっと茹でます。次に熱湯を少々取り、多めのガチョウの脂または豚のラードと植物性バター(マーガリン)を加えて火にかけ、ケールを層にして入れます。必要程度の塩(キャベツ類はすぐに塩気が強くなるので控えめに)、小さく切った玉ねぎをたくさん入れ、しっかり蓋をしてじっくり煮込みます。ケールはきちんと火を通しますが、やわらかくなりすぎてはいけませんし、かき混ぜすぎてもいけません。通常2時間ほどの調理時間で十分です。甘みが足りない場合は、砂糖をひとかけら早めに加え、煮汁はさっと煮詰め、盛り付けの際、必要に応じてジャガイモのでんぷん少々でとろみをつけます。
 蒸した栗(A章47番)で飾るか、混ぜ込むあるいは別の器に入れて添えます。小ぶりのジャガイモを生のままきつね色に炒め、脇に盛り付けます。
合わせる料理:ガチョウのロースト、詰め物をした豚のあばら肉、豚のロースト、薫製肉、焼きソーセージ、豚のコートレット、豚バラのベーコン。
ブレーメンでは、ケールは大抵の場合(牛の腎臓脂またはベーコンとひきわり燕麦で作った)ピンケルヴルストと一緒に煮込みますが、他の地域ではケールは細かくすりつぶした挽き割り燕麦を薄く層にしながらまぶして火にかけ、少しやわらかくします。

マーガリンはナポレオン3世によって作られたそうですね。マルガリン酸に由来する名前だそうです。
ドイツで最初のマーガリン工場は、1891年ケルンのBenedikt Klein Margarinewerkeです。ドイツ語ではこのレシピのようにPflanzenbutter(植物性バター)、Kunstbutter(人口バター)とも呼ばれていました。

95.短く切った、またはみじん切りにした茶色のケール

 硬すぎない葉と柔らかい茎を洗ったあと、まな板の上で細かく切り、ガチョウか豚の脂、玉ねぎ、塩と合わせ、あまり手短に作りすぎていないブイヨンにまず燕麦をいくらか入れたあとに加えて煮込みます。
薫製したメットヴルストやバラベーコンを入れて一緒に煮込んでもよいです。

96. ヴェストファーレン風刻んだキャベツの料理

 キャベツの芯と青い葉すべてをしっかり洗ったあと、細かく刻んで10分茹でたら、熱湯少々、ガチョウ脂かバターと豚のラードを半分ずつ合わせたもの、小さな玉ねぎ数個、塩少々と合わせて柔らかく煮込みます。最後に砂糖少々と溶いたでんぷんを加え、透明なブイヨンにならないようにします。蒸した栗とローストしたジャガイモを添えます。ガチョウのローストなどの脂を含んだ料理を合わせるなら、家族の食卓には茹でたジャガイモが好ましいでしょう。
添える料理や調理時間は丸ごとキャベツの場合と同じです。

97.ザウアークラウト(白キャベツの漬物)

 自分で漬けたザウアークラウトは樽から取り出すときは、端の部分の色が濃くなっている場合はそれを取り除くよう気をつけます。取り出したザウアークラウトは汁気を絞ります。酸味が強すぎる場合は、お湯をかけてすぐに水気を切り、吸水させないようにします。良質な豚とガチョウのラードを半分ずつザウアークラウトに合わせます。ブンツラウ陶器の鍋に脂を水少々と共にいれて火にかけ、ザウアークラウトをリンゴのスライス、玉ねぎとともに加え、クールブイヨンの中で必要に応じて塩、砂糖で味付けしてしっかり蓋をして手早く煮込みます。盛り付ける際、おろしたジャガイモ、軽めの白ワインをグラス1杯を混ぜ入れ、ジャガイモあるいはフランケン風にエンドウ豆のピューレを添えます。
 キャベツを細くおろし、塩を使わずに漬け込んだザウアークラウトの場合(保存食の章参照)、調理には1時間だけで十分ですが、それ以外は2時間要します。ケールのザウアークラウトの場合、3〜4時間かかります。
合わせる料理は一般的に、ヨーロッパヤマウズラ、キジ、ガチョウのレバーパテ、レバークレーセ、焼いたレバー、カワカマスのグリル、プレスコプフ、子豚、豚のブラーテン、豚のあばら肉、薫製の茹でハム、塩漬けの豚足(ベルリン風に言えば:アイスバイン)。

98.ザウアークラウトの残りを焼いたもの

 ブリューヴルストと合わせるとよい一品になります。サラダ用ジャガイモを茹でて皮を剥き、冷めたらおろした後、バターと生クリームをまぜてなめらかになるまで火を通します。次にグラタン皿にザウアークラウトとジャガイモを交互に敷きつめます。最後にサワークリーム4分の1リットル、卵黄3個、おろしたパルメザンチーズ大さじ3杯と塩を合わせ、ザウアークラウトで終えた層の上からかけます。オーブンできつね色に焼きます。

ブリューヴルストは、生肉を使ったソーセージで茹でる、焼くなどの調理をして食べるソーセージのことです。

99. 型に入れたザウアークラウト

 マイルドなザウアークラウトを湯がき、酸味のあるリンゴの皮を剥いて薄切りにし、脂身が程よく入ったベーコンを切ります。耐熱の型にバターを塗り、ベーコンの薄切りを敷き詰めます。その上にザウアークラウト、リンゴ、ベーコンの順にのせます。最後はザウアークラウトで終わります。サワークリーム半リットルを攪拌して上からかけ、じっくり3時間焼きます。型に入れたまま、ジャガイモのピューレを添えて出します。

100. 会食向けのパイナップル入りザウアークラウト

 97番の通りに調理したザウアークラウトに、翌日、新鮮なパイナップルを小さく切ったものを一皿分とその汁を混ぜて湯煎にかけます。これを中身をくり抜いたパイナップルに詰め、トリュフをつめた塩漬けのあばら肉かカッセル風の骨付きあばら肉に添えます。

今でもパイナップルを入れて煮込む食べ方があります。パイナップルは、ヨーロッパにはコロンブスの発見によって知られるようになったのですが、17世紀にはオランダで温室栽培が成功したそうです。でもまだまだ上流階級、富裕層の食べ物で、ドイツでも例えば1880年代にはパイナップル1個の値段が5〜7マルクで、これはライ麦パンおよそ20〜25kg分の値段に相当したとか。
一般市民にも普及したのは、缶詰が流通するようになってからでした。

101. 日常の食卓用のザウアークラウト

 97番のとおりにザウアークラウトを準備します。その間に水に1人あたり大さじ1〜2杯の良質の菜種油と豚脂を入れて火にかけて煮立たせ、ザウアークラウトを入れて火を通します。油はキャベツが短時間に柔らかくなるのを助け、黄色い色をつけます。ハムや脂身の混じったベーコンを一緒に煮込むのはおすすめなので、そうしたい場合は、塩味が強くならないよう、そしてザウアークラウトを入れる前に、半分ほど火を通しておかないといけません。ラピーニとじゃがいもの料理同様、ベーコンスライスを炒めて出た脂をザウアークラウトに使ってもよいです。じゃがいもは単体で茹でるのがよく、ザウアークラウトの酸によって固くなってしまうので、最後にするのがよいです。とてもおすすめなのは、人数分によって1〜2個のじゃがいもをおろして、ザウアークラウトにしっかり火が通ったら加えることです。煮汁の水っぽさを調整し、料理の見た目をよくしてくれます。じゃがいもの代わりに白いんげん豆をごく柔らかく煮て、茹で汁を煮詰めたものと一緒に盛り付ける前に加え混ぜます。

102. 塩漬けのえんどう豆を煮る

 えんどう豆を塩から出したら、沸騰したお湯をかけて30分後に流します。これを3回繰り返します。さらによいのは塩漬けの野菜はすべて茹でる前に6時間浸透器で脱塩します。その後小さく切ったニンジンを熱湯に入れてバターをひとかけら加えます。1〜1時間半柔らかくなるまで茹でます。これが終わったら、細かく潰したラスク、砂糖、パセリのみじん切りを混ぜ込み、すぐに盛り付けます。

えんどう豆、つまりグリーンピースの塩漬け、ということなのですが、いまいちピンときません。茹でてから塩水に浸けて保存するものかなと思います。現在では下の写真のような瓶詰めのものをよく見かけます。

103. 塩漬けのそら豆を新鮮なものと同様に調理する

 そら豆は早朝洗って水に浸すのを何度か繰り返します。その後新鮮な豆と同じように琺瑯製ではない鍋で茹でて水を切り、熱い牛乳をたっぷり注ぎ入れます。こうすると豆が白さを保ちます。ただ豆を手早く継続して煮込み柔らかくするように気をつけます。そして新鮮な豆同様に扱い、新鮮な豆とほとんど変わりありません。
 調理時間と添える料理は新鮮なそら豆と同じです。

そら豆も現在では瓶詰めが売られています。

104. エンダイブの漬物

 82番のエンダイブの煮込み同様に水に漬けて塩抜きしてから茹で、同じ付け合せを添えます。

105. 切り豆の漬物

 柔らかく茹でたら何度か水を変えて塩抜きし、ざるに取ってみずを切ります。浸透器を使うと尚良いです。
 次に豆を水、腎臓脂と豚ラードを半分ずつと一緒にクールブイヨンに入れて柔らかく煮て必要なだけ塩で味付けします。柔らかく煮た白いんげん豆と煮詰めた茹で汁と一緒に加えて混ぜ、あるいはいんげん豆を器に輪っか状において、その真中に白インゲンを盛ります。白インゲンの代わりにあらかじめ茹でた小ぶりのじゃがいもを使ってもよいです。野菜の上にのせて柔らかく煮て、生のじゃがいも一個をおろしてザワークラウトのように加えて混ぜます。
 調理時間は質によりますが、1〜2時間です。
 これに合わせるのは燻製肉、茹でハム、または茹でて燻製した豚の頭、焼きソーセージ、豚のあばら肉、燻製したタン、きちんと水で戻したニシンです。燻製したメットヴルストを1時間豆の上において煮込んだものもとてもよい付け合せです。ただこれは塩やスパイスは控えめにしましょう。同様に新鮮な牛肉を煮たものもよいです。

106. サラダ豆の漬物

 茹でて水に取り、新鮮なサラダ豆同様に弱火で煮込みます。または水気を切って濃厚な卵ソースで和えてもよいです。
合わせる料理は前のレシピで挙げたとおりです。

107. ラピーニの漬物

 1番で記載した通りに茹でて水に漬けたあと、新鮮なラピーニ同様じゃがいもと一緒に茹でます。

108. 乾燥した若いいんげん豆

 あまり乾燥させすぎていない豆をお湯で洗い、一晩ふやかすことはせずに沸騰した軟水に入れて火にかけ、半時間茹でます。水気を切り、熱湯を手の幅ほどの高さまで注いだら蓋をしめて絶えず火にかけ水を替えながら柔らかく煮込みます。こうすると1時間半ほどしかかかりません。最後の半時間で塩を加えます。ざるにあけて水を切り、新鮮なサラダ豆のように蒸し煮するか酸味のある卵ソースと合わせてもよいです。軟水が足りないときは、最初に茹でるお湯に、豆を入れる前にナトリウムを少々加えます。
合わせる料理は新鮮な豆の場合と同じです。

若いいんげん豆の元のドイツ語はPrinzessbohnen(姫豆)となっていますが、こういう品種があるのではなく、いんげん豆をごく若い時に収穫したもので、さやに筋もほとんどないような柔らかい豆です。
今でもよく食べられますが、新鮮なものの他、袋にパックされたり缶詰のものもあります。

109. 乾燥した切り豆

 これを冷たい軟水に数時間浸けてふやかし、お湯で洗い流して熱湯に入れて火にかけます。半時間茹でた後、水気を切り、再度半時間茹でて、熱湯にバターか脂を入れて柔らかく煮込みます。後から塩、デンプンかじゃがいもの粉を少し、パセリのみじん切りを加えて、器に盛ったじゃがいもに添えます。豆が完全に柔らかくなる前にじゃがいもを数個上に入れて一緒に柔らかく火を通します。
添える料理:燻製または塩漬け肉、焼きソーセージ、ハム、あばら肉、水で塩抜きしたニシン

110. 乾燥した黄色のえんどう豆またはえんどう豆のピューレ

 えんどう豆を扱う時はえんどう豆のスープの通りにし、通常茹でた後はクールブイヨンでしかるべき量の脂を入れて煮込んだら、塩を加えてざるで濾して再度火を通し、器に盛ったら少し盛り上げて表面を滑らかになでつけます。バターで茶色く炒めた玉ねぎで表面を覆い、白パンの薄切りを焼いたものを周りに差し込みます。
調理時間:2時間
添える料理:塩漬けの豚肉ならなんでも、水で塩抜きしたニシン

111. 乾燥した「灰色えんどう」(いわゆる老婆)

 このえんどう豆の種類は、多くの男性に好まれています。使用前に一晩軟水に浸けておくとよいです。
 しかし茹でる時ほんの少しソーダを水に入れると豆がとても柔らかくなります。半時間後水を替え、豆が柔らかくなったら水を切って、程よく酸味をつけたベーコンのソースと一緒にじゃがいもやその他好みの添え物と盛り付けます。

「老婆」とはすごい名前ですが、現在はあまり使われていない名前のようです。
 まず灰色えんどうですが、別名をKapuzinererbsen(カプチン会風えんどう)というそうです。
(画像: https://www.meinkuechengarten.de/pflanzen/kapuzinererbsen/ )
で、灰色えんどうはそのまま料理名にもなっています。シュレースヴィヒ・ホルシュタイン州の特にエルムスホーンという町では煮込んだ豆をじゃがいも、玉ねぎ、豚頬肉やソーセージなどと一緒に灰の水曜日の前日の火曜日に食べる伝統があるとか。
 また、「老婆(alte Weiber)」でも検索をすると一つこの名前が出てくるサイトがありました。
http://www.kirchenweb.at/kochrezepte/ddr/gemuese/alteweiber.htm
 これによると、この料理は旧東ドイツの料理だとされています。豆をベーコン、玉ねぎと煮込み、酢、砂糖、塩&コショウ、マジョラムで味付けするとあります。

112. 白いんげん豆

 えんどう豆と同じように柔らかく茹でますが、水を替えるのは2回おこないます。ただざるで漉すことはしません。2度茹でたら良質の脂と、盛り付けの前に塩と酢を少し加えて混ぜます。白いんげん豆は、スプーンで食べるのであまり水気を飛ばさないように煮込みます。
あるいは煮ているときに脂も酢も加えず、水を切ってベーコンか玉ねぎのソース、あるいはバターと酢を加えます。
添える料理:茹でハム、焼くか蒸した牛肉、焼いたレバー、焼きソーセージ、豚肉のロール、ザウレ・ロレ、仔牛頭の煮こごり

113. レンズ豆

 えんどう豆と同じように扱い、茹でて水を切り、盛り付けて玉ねぎソースをかけます。
 あるいはレンズ豆を茹でた後、ベーコンひとかけらと玉ねぎ数個をあわせて柔らかく煮込み、最後に粉少しと酢を煮詰めたブイヨンに加え混ぜます。
調理時間はえんどう豆やいんげん豆と同じです。

114. メクレンブルク風レンズ豆

 レンズ豆を丁寧に選り分けて洗ったら、しっかり柔らかくなるまで茹でます。次に茹で水を捨て、肉ブイヨンと切ったポロネギとセロリをレンズ豆と合わせ、しばらく煮込んで十分な脂で粉を炒めたルーでとろみをつけます。
あるいはレンズ豆を一時間茹でた後お湯を捨て、新しい水で柔らかく茹でます。次にベーコンを一つたっぷりの玉ねぎと共にスライスに切り、バターが泡立つまでバターで炒め、分量の割合に合わせて大さじ1、2から3杯までの粉を加えて淡黄色に炒め、肉ブイヨンを加えてとろみのあるソースになるまでよく混ぜ、酢、塩、マギー調味料10滴とコショウを加え、レンズ豆に注ぎかけよく火を通します。

 どの辺りがメクレンブルク風なのか、ちょっとわかりません。うちにあるドイツ料理本、メクレンブルク・フォアポンメルンの料理本にはありませんでした。
 ネット検索してみるといくつかありましたが、材料はじゃがいもを入れていたりと少し異なります。
https://www.gutekueche.de/mecklenburger-linseneintopf-rezept-6045

115. ロシア風レンズ豆の煮込み

 あらかじめよく選り分けて水に浸けておいたレンズ豆を10分茹で、新しいお湯を注ぎゆっくりと柔らかく煮ます。溶かしバターでパン粉を大さじ数杯きつね色に炒め、おろした玉ねぎとサワークリーム、肉ブイヨンを加えてとろみのあるソースを作り、水気を切ったレンズ豆を入れて10分弱火でゆっくり火を通します。塩とナツメグで味付けします。

 これはロシア風なのはサワークリームを入れるところでしょうか。ボルシチにも入れますよね。


野菜料理は以上となります。









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