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博報堂SDGsプロジェクトでの取り組み


1.はじめに

こんにちは!早稲田大学マーケティング研究会(通称:まーけん)です!

前回に引き続き、株式会社博報堂の兎洞武揚様へのインタビュー内容となっております。
SDGs編となる今回は、兎洞さんのお仕事である「SDGsプロジェクト」について詳しくお伺いしました!

こちらの記事は、博報堂様のインタビュー企画の最後となります!現在公開中の「リーダーシップ編①、②」も併せてぜひ最後までご覧ください!

「リーダーシップ編①、②」はこちらから↓↓


2.インタビュー

博報堂SDGsプロジェクトとは?

ーーでは兎洞さんが現在行っているお仕事についてお伺いします。今回、SDGsに関する仕事を専門に行っている方をあまり聞いたことがなかったので、詳しくお話を聞きたいと思ったのですが、博報堂SDGsプロジェクトとはどのようなものなのでしょうか?詳しくお聞きしたいです。

 まずSDGsプロジェクトでは、ダブルインパクトということをミッションに掲げています。何がダブルかといいますと、 企業の利益の創出と、社会的なインパクトの2つのことを指します。社会的インパクトというのは、環境や、貧困などをはじめとした社会に対する様々な影響のことです。企業が創出する「事業価値」と「社会価値」の両方に対してプラスのインパクトを出していくことを支援していこうというのが、ダブルインパクトというミッションです。

博報堂SDGsプロジェクト |お知らせ|博報堂 HAKUHODO Inc.

ーー今まで相反していた2つのものを組み合わせて、どちらにも価値が出るようにするお仕事をされているということでしょうか。

 そうですね。相反させないで統合していくということをもがきながら支援し、それ自体を僕らの仕事にしようということに取り組んでいます。

ーー具体的にどのような企業から依頼が来るのでしょうか。

 そこはさまざまです。企業のパーパスを新しく定めたいというような依頼や、それをインナーでちゃんと共有していきたいといった相談もあります。

また、具体的に、商品やサービスの新規事業の開発に関しての相談もあります。「SDGsの取り組みを世の中へどういう風に届けていったらいいだろうか?」というような、元々博報堂がやってきたコミュニケーション領域での依頼もあります。

そこはやっぱり博報堂という会社は面白いなと思います。ものすごく幅広い相談がくる感じですね。

それは博報堂のグループでお手伝いすることもあるし、外部の企業や団体と組んで進めることもあります。

会社の中の横串通し屋さんから、社会の中の横串通し屋さんへ

ーーこのSDGsプロジェクトのお仕事をするようになった具体的なきっかけはありますか。

 僕自身の話で行くと、最初はマーケティングやブランディングの仕事をしてきました。 マーケティングとかブランディングの仕事は、その商品、サービス、あるいはその企業の良さをどう世の中に届けていくかみたいなことですよね。それはとても面白いことでした。

ですが、話した、自分たちが何を大事にしているかをインナーのメンバーと共有するということが、それの良さを発信していくためにも、とても大事なのではないかということにだんだん興味が出てきて、インナーの領域に入っていった時期があります。

その時期は、会社の中での”横串通し屋さん”でした。その後、だんだん会社の中の横串通し屋さんから、社会の中の横串通し屋さんのようなことに興味が出てきました。社会課題を解決しなければならない時、企業の中だけではできないと思ってきて、NPOや行政とも話をしていかないとどうにもならないと思うことがありました。そこからマルチステークホルダーやソーシャルイノベーションに関心が出てきました。

だから企業単体の話ではなくて、 ちょっと視点を広げて仕事をしていきたいなと思って、SDGsとかESGというところに自分も入っていったっていう感じですかね。

「生活者価値への転換」とは?

ーー兎洞さんは、社会面や環境面の課題と企業の関わり方について、何を重要視していますか?また、それらに対してチャレンジしていることや感じるやりがいも教えてください。

 ダブルインパクトを出さなければいけない時に、博報堂という会社がどこで本当に力を発揮できるかということでいくと、僕らは今、SDGsプロジェクトで「生活者価値への転換」を目指しています。

社会面や環境面の課題を解決していくために、企業は色々なことをしようとしているのですが、それはちょっと考えてみるとコストですよね。


つまり、そのこと自体は価値を生まないと捉えられがちです。だけど、評価機関に評価されるためのチェックリストを企業向けに作成するということは僕らの仕事ではありません。それはそれですごく大事な仕事だと思いますが、企業が行っていることを生活者の人たちの価値に転換をしていくということが僕らの仕事だろうと今位置付けています。

ーーそこがまさに社会の利益と企業の利益というところを結びつけるということなんですね。

 おっしゃる通りです。だから、生活者の価値に転換ができた時に、初めてダブルインパクトになると思います。

社会的インパクトは出しているかもしれないけれど、そのこと自体は利益には繋がっていないのではないかというケースが多い気がします。でも、これは繋がらないといけないですよね。頑張っている企業ほど繋がらないといけないはずで、そこを繋げていくという生活者価値への転換の部分に僕らは仕事としてやりがいを感じているし、 私たちの本当の強みだと思います。ただ、言うのは簡単でなかなか難しいところではあります。

https://www.hakuhodo.co.jp/magazine/81306/


お仕事への思い

ーー今までにはない仕事の形だと思うのですが、お仕事に対する兎洞さんならではの思いはありますか。

 僕自身の話をすると、それこそ前半の話(リーダーシップについて)とも繋がりますが、人の可能性が開いて、その人自身が幸せであることと、そういう人が属しているコミュニティとか企業とか組織が健全な状態になるということを願っています。

そのような健全な企業が増えていくと、企業がダブルインパクトを発揮して、企業自体も利益を出していけるし、社会にも環境にも嬉しい状態になると思いますし、そんな社会を実現したいという気持ちがあります。

だから企業が儲かって、社会格差と環境悪化という状態を作り出してしまっている状況は帳尻があっていないと思います。この帳尻が合うような社会であったらいいなと思いますし、そういうことをやりたがっているのだろうと思います。

人と組織と社会と地球が同時に可能性を開いて幸せであるということを願いながら仕事をしています。

https://www.hakuhodo.co.jp/magazine/89467/


この仕事に向いている人物像とは?

ーーSDGsに興味がある学生にとってこのキャリアは魅力的だと思いますが、どういう人が向いているのでしょうか。

 どういう人が向いているかについては、SDGsやESGをその人自身がどう捉えているかによって違うと思うのですよね。例えば「自分のふるさとを良くしたい」と考えていて、SDGsに関心があるような人は、やりたいことがはっきりしているからやはり向いていると思います。

ですので、どういう人が向いているということは言えなくて、なぜ向いているのかを自分で発見することが重要、という答えにならざるを得ないかなという気はします。

ーーその中で1つ思ったのは、「地球と人と、企業や会社を繋げていく」といった、価値観がある人は向いているのかなとお話を聞いている中で思いました。

 そうですね。どういう人が向いているというか、どういう仕事をしたいか、ですよね。やはり、生活者の価値に転換していくことに興味があるなら、SDGsプロジェクトの仕事は向いていると思います。

ルール作りも重要なお仕事であるとは思います。

でも、さきほどの学生へのメッセージとも重なるのですが、「とにかくやらなければならないからやる」という思考停止の状態で動くのはやめようよということですね。

なぜその行動が必要になったのか、どのように解決策を見出すかということを自分で発見することが大切です。SDGsはゴールが設定されていてわかりやすいですが、やはりその手前から考えることを放棄してはいけないと思います。

ーーやはり自分とそのプロジェクトとの関係を考え続けられる人がいいのかもしれないですね。

 そうですね。わかりやすいからこそ、それをただ「わかりました」とやるのではなくて、むしろ疑った方がいいこともいっぱいあります。あることを解決することで、他のことに悪影響を及ぼしていることって、結構あったりするわけです。

だから、そんなことも含めて、やはり疑うことはすごく大事で、「本当にそうなんだっけ?」と問う力が大切です。

SDGsを自分なりに再定義することから、皆さんにはやってほしいということをお伝えしたいです。


今後の展望について

ーー最後に、今後の展望じゃないですが、「博報堂SDGsプロジェクトとして、こういう風に社会と関わっていきたい、動いていきたい」ことはありますか?

 ひとつはやはり生活者の価値に転換していくことの意味をどうやって作っていくかということをすごく頑張りたいです。

あと、自分としては、さきほどもお話しした、人と組織と社会と地球の可能性が開花するような社会を見たいので、その一助になれればと思います。

そして、今回(の早慶明合同勉強会で)、皆さんのように次の世代を担っていくような人たちとも一緒に考えたり、話したりできるといいな、そういうコラボレーションなどもぜひしてみたいなと思いました。

全然僕らが考えていないアイデアや視点もあるのではないかなと思うので、そこを地続きで繋がって考えていけるような集まりやコラボレーションをやっていけると面白そうですよね。

↑今年1月に行われた早慶明合同勉強会での集合写真

3.おわりに

いかがでしたでしょうか。本記事で兎洞様へのインタビューは最後となります。
兎洞さんが博報堂SDGsプロジェクトで取り組んでいることや、お仕事への思いなどが伝わっていたら嬉しいです!

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