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「リーダーシップは動的である」その意味とは?

(早稲田大学マーケティング研究会×株式会社博報堂)

1.はじめに

こんにちは!早稲田大学マーケティング研究会(通称:まーけん)です!

今年1月に株式会社博報堂の兎洞武揚様をお迎えして「自分もチームも成長するリーダーシップ」というテーマで早慶明マーケティング研究会の合同勉強会が行われました。


今回は、早慶明合同勉強会でもお話しいただいた「リーダーシップ」についてのお話と、兎洞さんが現在携わっている「SDGsのお仕事」についてのお話を伺いました。


さて、リーダーシップ編①となる今回は、「そもそもリーダーシップとは?」というところからお聞きしていますので、リーダーシップについてよくわからない!という方にもわかりやすい内容になっております!


こちらの記事は、リーダーシップ編①②、SDGs編の3本立てでたっぷりとお届けします!順次公開をお楽しみに!

ぜひ最後までご覧ください!

兎洞武揚さん

株式会社 博報堂
ブランド・イノベーションデザイン局
チーフイノベーションプランニングディレクター

1992年博報堂入社。マーケティング、ブランディング業務に従事した後、ビジョンに基づく企業の組織変革のコンサルティングにおいて豊富な業務経験を重ねる。2010年より、企業の利益と社会インパクトの同時実現を専門としてきた。

SDGs視点での企業・事業変革とは/高橋啓一・兎洞武揚(連載:ブランド・トランスフォーメーション Vol.4) |博報堂WEBマガジン センタードット (hakuhodo.co.jp)より引用)


早慶明の学生達に講演会をした感想

ーー早慶明合同勉強会を終えての感想をお聞かせください。

  すごく熱があって、僕自身もすごく楽しかったですし、皆さん自身もビジコンなどのチームのリーダーをやっていることもあり、「リーダー的なことをどういう風にやっていこうか?」と良い意味で悩んでいる人たちだったなと思いました。

今回の内容がそこにすごく刺さった感じもあったし、しかも楽しみながらやっているところがあって、それも良かったなという感想です!

ー今回の講演会は約半数が早稲田大学マーケティング研究会からの参加でしたが、講演会を終えて学生に対して抱いた印象はどうでしたか。

 未来を担っていく希望だと僕は思っています。
今回出席した人たちは、自分で学ぼうとしていて、自分が学生の頃は遊んでばっかりだったなとか思い出し、自分との比較も含めて、すごく希望だなという風に感じました。


早慶明合同勉強会の様子

2.インタビュー

リーダーシップについて


〜メンバーの可能性の開花を支援する〜

ーー兎洞さんが考えるリーダーシップとは?

 「メンバーの可能性の開花を支援する」ということがリーダーシップではないかなと思っていて、そのメンバーの中に自分を含めるということがやはり大事になってくると感じています。

ーーリーダーシップはどうすれば獲得できるのでしょうか。

 まず、(可能性の)開花の支援を、開花「させる」と言いがちですが、開花は最終的に本人を通じて「する」のですよね。開花しろと言って絶対するものでもないと思います。

ですから、開花「させる」という言葉は使わないスタンスがまず大切なことだと考えています。

「リーダーシップは動的である」

ーーこの言葉はどういう意味でしょうか。

 動的というのは、自分がかかわっているメンバーやコミュニティがどんな状態にあるのかをしっかり感じ見立てながら、その状態に合わせて関わっていくということです。

集団やコミュニティは振り子のように振れていくものだと思います。これはサークルやマーケティング研究会というようなコミュニティもそうだと思うし、僕らのような会社組織にも言えます。

リーダーシップの話からいくと、パワーを発揮するのが重要な時と、みんなの考えを引き出していくことが重要なタイミングがあると思います。

「何か決断をしていく、といったパワーを発揮していくようなタイミング」と、「一人ひとりがどのように考えているのかという多様性を出していくのが大事なタイミング」があって、これを動的という風に言っているということです。

ーー言われてみて本当に気付いたというか、とるべきリーダーシップは変わってくるなと思いました。

 リーダシップ論は様々ありますが、こうあるべきと決めつけてしまうのはどこか違う気がしています。だからこそ、状況やタイミングによって必要なリーダーシップは変わっていく、動的であるという風に今日お話しました。



ーーこれに気づいたのはいつごろなのでしょうか。

 どこかでというはっきりした時期は特定できないのですが、たとえば、リーダーが孤独になる時ってありませんか?

ーー(広報局長)ありますね(笑)リーダーだからこそ孤独じゃないなと思うこともありますが、立場的には大体ひとりですよね。

僕が一番最初に孤独を感じたのは、小学校2〜4年生の頃でした。

小学校の学級委員になった時、誰も言うことを聞かないことに対して悲しくなった小さい頃の苦い体験がありまして、リーダー的な役割の時に感じる孤独さはずっとベースにあったのではないかと思います。

いつのタイミングですという風には言えないけれど、リーダーの孤独さ世の中は振り子のように動いているということが自分の中において、どこかで噛み合ったのだと思います。

「2つが自分の中でくっついていたのだな」みたいなことに気づかされた感じですね。

ーーそうだったのですね。

  2つの相反することが両方大事だったりとか、振り子のように動くということの価値観やものごとの世界の捉え方といったことだったりが相まって「リーダーシップも動的だ」という風に思いました。 

ーー周りの状況を見て、最適なリーダーシップの発揮の仕方を判断することは容易ではないですが、それを可能にする方法はあるのでしょうか。

 動的というフレームが手に入ったら、そのフレームでモノを見ることができるようになると考えています。

ですから一般的には「みんな言うことを聞かないな」という状態だと、ネガティブな事実にしか捉えられないかもしれないですが、

「動的」というフレームやレンズを通して見てみると、「あれ今みんなどういう状態なんだろう?」という視点で観察することができるのではないでしょうか。

そうすれば、「今はパワーを使う/使いすぎている」というように状況判断が自然にできていけるような気がしています。

だから僕は「世の中は振り子のように動いている」ということを認知として持つことで、ひとつの指標や地図といったものができると思います。

そうしたら「みんな勝手にやっているな / 何も聞いていないな / 考えていないな」と感じたり、怒りが湧いてきたりするときは、実は動的なリーダーシップが必要なサインだ!と捉えることができるようになると思います。そこを感じる力は大事なのではないかと感じています。



「問う」「問われる」の中で気づきが生まれる

ーーリーダーシップにおいて「問う力」はなぜ重要なのでしょうか?

 問うことの何が良いのかというと、問う側が、「この人はどんなことを考えているのかな」と理解することが一つあります。

そして、それが良い問いの場合は、「問われた側も答える中で気づいていく」ということです。問う側も問われた側もお互い気づきを得ることで、対話が始まってもっと深まっていったり、新しい第三の道のようなことが見えてきたりすると思います。

そのようなことを実現する「問う力」はすごく重要なことだと思います。

ーー問うときに相手のことを理解することは大切だと思うのですが、私は自分の気持ちが入ってしまって、自分の考えに邪魔されずに相手の立場になれるにはどうしたらよいのでしょうか。

(勉強会の)ワークでやって、みんな活発に議論していたところですよね(笑)

自分の考えとしては、そもそも先天的に相手の立場になれることが得意な人がいると思います。
例えば、自分の思考を走らせる前に相手の気持ちにすぐなれるというような共感性や自他非分離の感覚に当たる部分ですね。

ただ朗報があって、僕みたいに共感性が弱いタイプでも、意識をすれば後天的に獲得できると思います。

「人の話を聞きながら先に自分の考えが回ってしまう」というのはどうしても人間であればやってしまうことなのですが、意識をもっていれば、少なくとも、「あ、今、自分はこの人の話を聞いていない」ということにその瞬間、気づくことはできるようになります。

この、気づくということがすごく重要で、気づくことさえ出来たらいったん自分の頭を走らせるのはストップさせて、相手の話を聞こうと自分を切り替えていくことが出来るようになりますよね。

「語る力」は自己一致した言葉を発揮する力

 ーーリーダーシップにおいて「語る力」はなぜ重要なのでしょうか。

 「語る力」はパワーを発揮する、決断するというところと直結する話かなという風に考えています。語る力は、自己一致した言葉を発する力だと思います。

自己一致というのは、本当に自分がそう感じているということをちゃんと言葉にして出していくということではないかと感じています。

ですから、語る力というのは自分が本当に思っていることを言葉にして出せているかどうかということが非常に重要となってきます。そして何か物事を決断する時には欠かせない力だと思っています。


 ーー伝えたいことを伝える際に、言語化できないと一時の感情に任せたり、伝えることを諦めてランク(ある立場であるという特権)を濫用したりして逃げてしまった経験がありますが、その問題点を解決する方法はありますでしょうか。

これは、本当に難しいです。
先程「メンバーの可能性の開花を支援する」という話の時に、そのメンバーの中に「自分自身」も含めるという話をしました。これは「自分に対して支援が必要な状況」だということです。

少し抽象的な話なので具体例を出しますね。例えば、自分がリーダーをやっていて、メンバーから嫌なこと言われたり、ものすごい批判があったりするとしましょう。

その時に自分が「本当に自己一致してランクを引き受けて話せるのか」 「 『いいからやれよ』みたいな感じの、 ランクを濫用した形でやってしまう」といったような狭間に立って感情の板挟みに合うと思います。

このような場合、後者のような発言をしないということのサポートを自分自身に対してする必要があります。

もしその時に自分で自分をサポート(支援)できる力があれば、 それが1番いいのですが、
自分自身を一歩引いて見るのは中々難しいと思います。

人間みんな他人のことはよく客観的に見ることができるのですが、 自分自身に対して客観視するのが1番難しいです。

 そんな時は、「人に頼る」ということが1番良い解決策です。

自分が信頼できる人にアドバイスを聞いたり、どういう風に見えているよって言ってもらったりすることが良いと思います。

場合によっては、嫌なこと言われたり、ものすごい批判してくる相手が信頼できる人だったら、自分の気持ちをオープンに晒け出してしまい、それに対して相手がどう思うかみたいなことの中で一緒に解決していくみたいなやり方もあると思います。

(リーダーシップ②に続く)


3.おわりに

いかがでしたでしょうか。リーダーシップ編②となる次回はビジコンやグループ活動で実際に使える円滑なコミュニケーションの取り方についてのお話を伺っています!すぐに活かせる内容ばかりですので、お楽しみに!

そして最後にお願いがあります!早稲田大学マーケティング研究会では、Twitter・Instagramの投稿を積極的に行っております!

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