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【経営学11】PEST分析って何?(マーケティング・経営戦略分野)

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皆様是非ご活用ください!

はじめに

暑い日が続いていますが皆さんお元気でしょうか。
世界がどんどん変わっていく昨今、異常気象+コロナでほとんど外に出られなくなっていますね😱
それでも私達は生きていかないといけないし、経営者はより広い視野で経営を俯瞰して意思決定をしていかないといけません。
しんどい状態がまだまだ続くと思いますから、頑張っていきましょう。

さて、多くの経営者(マネージャー含む)の皆様は、自社の経営戦略やマーケティング戦略を練る際に、市場調査や競合調査等を行うことが多いかと思います。
このときに、マクロ的視点(広い視野で調べる)とミクロ的視点(視野を絞って調べる)でそれぞれ調査を行い、それらの情報を統合させて意思決定を行っていると思います。

調査自体は主に裏方のプロ(経営戦略室やリサーチ部門)が担当すると思いますが、今回はその調査・分析業務に焦点を当て、その中でもマクロ分析の代表的なフレームワークであるPEST分析についてお話します。
とても重要なことなので、是非最後までお付き合いくださいませ😁



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1.PEST分析とは

経営を行う上で、どんな商品を、誰に向けて販促していくのかを判断する前に、マクロ・ミクロの視点で調査をすることは極めて重要です。
ベンチャー企業であってもこれは妥当します。
むしろ、ヒト・モノ・カネがすべて足りないベンチャー企業にとっては、調査・分析が甘いとすぐ潰れます😱
最初にしっかり調査・分析することが転ばぬ先の杖となります。

そして、調査・分析の中でも、マクロ分析(広い視野での分析)における最も有名なフレームワークがPEST分析です。
PESTとは、以下の単語の頭文字を取ったものです。

P:Political(政治分野)
E:Economic(経済分野)
S:Social(社会分野)
T:Technological(技術分野)

これは単に、調査の範囲を分野ごとにまとめたものです。
なので、自分で必要だと思う分野を付け足したり、不要だと思うものを省略しても問題なしです。

フレームワークを使用するときに発生する誤解として「フレームワークをそのままつかわないといけない」というものがあります。
フレームワークは所詮思考の枠組みなので、いくらでも自由にいじって構いません😁
むしろ、自社に合わせたオリジナルのフレームワークを使わないと分析の意義が半減します。
どんどん修正を加えてくださいませ🎵

この記事では、原則型であるPESTについて、簡単に解説させていただきます。
以下、それぞれの分野でどのような情報を集めるのかをまとめていきます。


(1)Political(政治分野)

政治分野の調査では、主に以下のような分野の調査を行います。

・法改正(規制強化or緩和)
・税制(増税or減税)
・補助金
・政権交代
・政策

など

この分野では、一企業レベルではどうすることもできない変化について調べるというイメージです。
企業が営む事業の種類によって重要度が変わってくるので、各要素の調査濃度はその都度調整してください😁

個人的には法改正分野はとても重要度が高いと感じています。
特に規制業種を選んで事業を行っている会社では、最重要分野だと思います。
弁護士等の力を借りて年に1回は調査を行いたいところです。

なお、法改正自体は国会で行われるため、PEST分析ではPoliticalの分野に組み込まれていますが、その重要度の高さからLegalという分野を別個独立に設けて調査を行うフレームワークもあります。
それほど事業への影響度が高いのです😱
今まで自由だった事業が突然許可制になったりしますからね……。
日頃からアンテナを張っておかないといけません。

そして、法改正は政策に基づいて行われることが多いので、政策・指針等の進捗具合を確認しつつ、事業戦略・マーケティング戦略を練ることが重要になってきます。

ちょっとお金の話をしますが、いつの時代も法の抜け道というか、法のグレーゾーンで儲かる案件が発生するんですよ🤔
嗅覚の鋭い経営者は、いち早くその分野に着目していて、次の一手を打ってきます。
グレーゾーンを攻め過ぎるのはどうかと思いますが、少なくともそういう場所にチャンスが眠っているということくらいは知っておいた方が良いでしょう。

政策や法改正の情報は、基本的には政府系のホームページで入手します。
各省庁が出しているお知らせを日々チェックしたり、政府の委員会が発表している情報を調べたりして、進捗を確認していきます。
とっても地味な活動ですが、時代を先読みするためには必須の作業です。
経営戦略のプロフェッショナルの多くは、日常的に政府系の資料を読み漁っています。
私の知るプロの人達は全員政治に詳しいんですよ🙄
住む世界が違うので話は全く合わないですが、とても尊敬しています。
膨大な情報を瞬時に集め、理解し、処理できるようになるまでに相当な努力と時間を費やしています。


ちなみに、Politicalの分野では、最近は教育分野が熱いです😏
EduTechと呼ばれている分野で、教育にITの技術を持ち込んで、より効率的に学べる世界にしようという動きです。
これは国家的な政策でもあるので、今後莫大なお金が動く市場です。
すでに活況となっていて、株価としては評価され尽くされている感もありますが、こういう大きな流れに敏感にならないといけません。

なお、教育分野が今後発展するだろうというのは10年ほど前に既に予測されていました。
日本の教育は、そうならざるを得ないほどガラパゴスだったからです。
今でも相当遅れていますが、今後急速にIT化されていくだろうと思います。
日本の悪い点でもあり、良い点でもあるのですが、本気で行くぞとなってからは恐ろしく早いんですよね😱
決断自体はすごく遅いんですが、決めたら早い(笑)
コロナの影響もあって、教育のIT化は待ったなしの状況なので、そろそろ決断するでしょう。さすがに…。

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(2)Economic(経済分野)

経済分野の調査では、主に以下のような分野の調査を行います。

・経済成長率
・景気動向
・物価変動
・個人消費
・金利
・株価
・失業率

など

この分野の調査も、満遍なくすべての分野を調べるのではなく、自社の事業への影響度の高いものを優先的に調べる必要があります。
全部調べていたら調査だけで1年が終わりますからね😱

調査能力の高い人たちは、これらの調査をあっという間に終わらせるのですが、彼らは単に優先順位の付け方が上手いのです🤔
どの分野の情報が最も事業に関連するのかという点をよく理解していて、その分野の情報だけをピンポイントで調査しているので早いのです。

この技術は経験が物を言うので、一朝一夕で身につけることはできないかと思いますが、日々調査し続けていれば少しずつ上達していきます。
そのため、若いうちにリサーチ経験を多く積んでおくと良いですね!
どこのサイトに行けばどのような統計資料が得られるのかを知っていれば、それだけでも格段に早く情報を集められるので、できれば若いうちにソースリスト(情報源リスト)を作っておくことをオススメします。
大学院で研究する際にも非常に役に立ちます😁

よく使われるものとしては、官公庁が公開している統計資料や経済白書、矢野経済研究所の資料、各種学術論文やその他有料資料などがあります😁
英語が得意な方は海外の論文や統計資料も集められるようにしておくと最強です。

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(3)Social(社会分野)

社会分野の調査では、主に以下のような分野の調査を行います。

・人口動態
・社会問題
・出生率
・ライフスタイル
・流行
・倫理観の変化

など

この分野の調査は抽象度がより高いですね🙄
なので、大きな枠組みのSocialとなっています。

ここでも調査方法は他の分野と同じです。
自社の事業への影響度で優先順位をつけて調査してください。

なお、Socialという枠組みを使う必要もありません。
Trend(流行)でもいいですし、Population(人口)でも構いません。
より重要な分野で枠組みを作り変えるのも全然ありです🎵

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(4)Technological(技術分野)

最後に、技術分野の調査では、以下のような分野の調査を行います。

・技術革新の動向
・特許出願の動向
・研究機関の研究テーマのトレンド

など

ベンチャー企業の多くがIT企業であることを前提にすると、最も重要な分野はここかもしれません。
私自身もIT企業に勤めて長くなってきたのですが、それでもまだスピードについていけません😱
それくらいトレンドが変化し続けています。

ある分野が流行り始めたという情報を入手して、調べたり学び始めたりしますよね?
そして、数年かけて学び終わった!となった頃には既に古い知識となっているというイメージです😨
IT分野は本当に難しい……。
先が全く読めません。
毎年のように驚くべき進化を遂げていくので、もう傍観者の一人です(笑)

なお、事業家は自分自身でその技術を開発する必要はありません。
どちらかというと、様々な新技術をどう事業に応用するのかという視点の方が重要です。
特に大学等の研究機関は、研究は大得意ですが、儲けるのは非常に苦手です。
そのため、産学連携を行って、上手に研究費を調達しつつ、利益も出すという試みが行われています。

最近では、ベンチャー企業と大学が連携して共同研究を行うことも増えてきているので、産学連携が少しずつ進んできています。
上手く行っている事例はまだまだ少ないですが、世代交代が進んで若い研究者との連携が増えれば可能性は広がると思います。

また、最近のベンチャー企業では、オープンイノベーションの考え方もだんだんと根付いてきているので、企業や研究機関の垣根を超えた連携がなされるケースも出てきています😁
オープンソース化(誰でも自由にソースコードを使える状態にすること)も進んでいるので、今後がとても楽しみです。

IT技術の動向に敏感に反応して、自分達の強みを誰かの為に使えないか、組み合わせでビジネスを生み出せないかという視点で調査を進めると良いかもしれませんね。
そのためにも、経営に性善説の考え方を取り入れていかないといけません。
もちろん性悪説でないといけない事業もあるんですけど…



以上4つの分野の調査対象の例示でしたが、イメージはつきましたでしょうか😁
上述のとおり、PESTである必要は全くありません。
Legal(法律分野)
Tax(税金分野)
Environment(環境分野)
Information(情報分野)
Ecology(生態学分野)
Military(軍事分野)

などなど要素はたくさんありますから、どんな分野の頭文字でもいいので、自社ならではの調査対象をフレームワーク化するとオリジナリティが出て良いですよ🎵

一度真剣に作ってみるといいかもしれません。
フレームワークを作るための勉強会や会議を開いて、月に1回程度有志で集まって討論をすると社員の成長にも繋がるのでオススメです😁


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2.情報の整理

PESTまたは自社オリジナルの分野の情報を集め終わったら、それらの情報を整理して、戦略に活用できる状態にしなければなりません😁
ここでも別のフレームワークがいくつか存在しますが、まずは簡易的に以下の3つの種類に分けると思考の整理に役立ちます。

・自社にとって有利な情報
・自社にとって不利な情報
・どちらとも言えない情報

有利な情報はチャンスになりますし、不利な情報は新しい課題の発見に繋がります。
どちらとも言えない情報は一旦置いておけば良いです😁
調査の結果得られた情報を整理・分析していくと、更に追加調査が必要だということがわかることも多いですが、それもまた大きな前進です👍

そして、できればこの情報の整理は、チームで行ってください

なぜなら、自分ひとりの視点で「有利」「不利」を考えていると大間違いをする可能性があるからです。

特に経営者の視点を入れずに振り分けるのは危険です。
私の知る限り、経営者の多くは独特な視点を持っています。
それゆえ、普通の人が「不利」だと思う状況を「有利」と判断することが多いのです。
人とは違う視点で物事を見ているので、情報や事実の捉え方も異なってくるのだろうと思います。

だからこそチームで情報の整理を行うべきです。

複数の人間の視点を持ち寄って情報を整理していくと、その過程できっと様々な意見交換・議論が生まれると思うので、それをメモしておく。
それを繰り返すことでより精度の高い調査・分析が行えるようになっていきます。

また、経営者の視点や見解を聞くことは、社員の成長にも繋がります。
経営者の皆さんは、若手に是非参加してもらって、見解を聞かせてあげてください😁
これからの10年での成長可能性が最も高いのは若手社員ですから、若手に調査をさせるついでに経営者との対話の場にしてしまうのもありです。
それによって数年後のエースを生み出すことができると思います。


おわりに

今回は超有名なフレームワークであるPEST分析についてお話させていただきました。
既にご存知の方が大半だと思うので、そこまで新規性のある情報はなかったかもしれませんが、皆様の復習の機会になったら幸いです😁

今後もフレームワークはいくつか取り上げていこうと思っています。

次回もまたよろしくお願いいたします🎵


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著者:瀧田 桜司(たきた はるかず)
役職:株式会社WARC 法務兼メディア編集長
専門:法学、経営学、心理学
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