【ラグビー・トップリーグ】2021.02.21 サントリー対三菱重工相模原戦の個人的雑感
待ちにまったトップリーグである。
昨年春に不祥事+コロナ禍のコンボで大会中止を余儀なくされ、ようやく年明けに再開……のはずが、再び所属チームの集団感染で延期に。3度目の正直とも言える「再開初戦」を、2021年2月に迎える運びとなった。
さあ、開幕戦を見るぞ! と思ったのだが、首都圏では依然として行動制限が呼びかけられており、チケットの販売枚数は多くても5,000枚くらいだ。特に秩父宮ラグビー場のチケットはプラチナ化することが予想された。
まずは場所云々に関わらず、試合が観たい。それならば、普段と違う場所へ行こう。夢の島、町田、相模原。この3箇所に抽選を申し込んだ結果、的中したのが相模原の試合だったわけである。
相模原でラグビーを観るというのは、久々のことだった。記憶を呼び起こし、ホームページから公式記録を引っ張り出したところ、【2012年11月10日】という日付になっている。
https://www.rugby-japan.jp/match/6967/print/
お目当てはウェールズ代表の快速ウィング、シェーン・ウィリアムズだった。夜ふかししながら、シックスネーションズやワールドカップに齧りついていた若かりし僕は、小さな選手が生み出す無限大のスピードに圧倒されてしまった。
その選手を神奈川県の小さなスタジアムで見ることができる! 途中出場で入った彼のランに感動したのはもちろん、周囲を固めるいぶし銀のベテランや、飛躍を誓う無印の若手選手たちが張り切る姿もまた印象に残った。色々な要素を持ったプレーヤーが混ざり合う様に、まさに日本ラグビーが持つ多様性を実感したのだった。
そんな「日本ラグビーを観れる幸せ」というのは、2021年も続いている。
サントリーにとっては、ニュージーランド代表の司令塔ボーデン・バレットのトップリーグデビュー戦という意味合いも含まれる。他にも、流大や中村亮土といった日本代表戦士は健在。チャンピオンに返り咲くための準備は万端である。
対する相模原も、昨年ようやく「トップリーグ初勝利」をあげ、今年は来る新リーグに向けて足場を築きたいところ。ギオンスではクラブフラッグがあちこちに掲げられており、地元側の熱意も伝わってくる。
肝心のプレーとなると、まずはサンウルブズで名を上げたマイケル・リトルがチームの中心だ。そして、主要なポジションは他チームからの移籍選手が中心になる。30代の選手が多いのは気になるが、まずはベテランが手本を見せましょう、ということか。
スタジアムではラグビーショップの出店がいくつか出ていた。こういうグッズショップも、ワールドカップのレガシーと言えるだろう。ただ、19年大会関連グッズがたたき売りされているところに、本当は去年のうちにさばきたかったんだろうなあ、という複雑な思いも生まれてしまい……。ひとまず、マオリ・オールブラックスのポロシャツを1枚購入し、今後の出店維持継続を託したのである。
いやはや、ラグビーを観に行けるというのは、やっぱりありがたいことである。
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肝心の試合についてだが、残念ながら一方的な展開になってしまった。
序盤から相模原のディフェンスは浮ついており、中村・ケレビの両センターの突破を簡単に許してしまう。前半11分に大外にいたリトルの見事な突破でトライを奪い返すも、頭を強く打ってしまい無念の途中退場。軸を失った相模原は、さらに不安定な状態になってしまった。
以降はまるで堰を切ったように、サントリーのウィング、テビタ・リーのトライラッシュ。緩急のついたステップは止められない、止まらない。彼の5トライの活躍もあり、75ー7のサントリー圧勝で幕を下ろした。
サントリーの船出は実に危なげないものだった。ベテラン、若手、ワールドクラス。この3者がバランス良く噛あい、チーム力をアップさせる。控えやベンチ外のメンバーも一級線が揃っているだけに、短いシーズンでどのような競争が行われ、誰が台頭していくのか? を見ていくのも楽しいことだろう。
一方、相模原は非常に苦しい戦いになってしまった。リトルの負傷離脱はあったとは言え、それを差し引いても攻守のパワー不足は否めなかった。また、FWでの戦いに矛先を変えていたものの、モールやスクラムは不発に終わり、こだわる必要があったのか? という疑問も残る。
ベテランが多く落ち着きがある一方、相模原に足りなかったのは「フレッシュさ」や「泥臭さ」なのかもしれない。スタメン表に載った選手名を改めて照らし合わせてみると、ダイナボアーズの生え抜き選手は非常に少なかった。また、先に挙げた9年前の出場していたメンバーは、西館を除くと殆ど勇退してしまった感はある。
今後のレベルアップ、そしてより地域に愛されるチーム作りを考えると、どんな生え抜き選手が台頭してくるのかがキーになるだろう。この短いシーズンでも着実に取り組めば、長期的な成果が得られると思うのだが
◇
さて、そんな相模原は続く第2節で福岡サニックスに30−23で逆転勝ち。マイケル・リトル抜きでも勝利できたのは、今後への自信にもつながるはず。そして、当方も第4節のチケットが当選しまして……引き続き定点観測を進めようと思う
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