指導者として”PATROL”を心がける
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さて、本日のテーマは、
指導者として”PATROL”を心がける
今回は、日本スポーツ協会が発行している、「スポーツ指導者のための倫理ガイドライン」資料(下記URL)に記載されている、"PATROL"について考えてみます。
https://www.japan-sports.or.jp/Portals/0/data/katsudousuishin/doc/rinri_gidelines.pdf
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●"PATROL"とは
資料中(p. 12)には、このように記載されています。以下引用。
プレーヤーが自立(自律)し、自ら進んで取り組めるよう"PATROL"を心がけましょう
Process:「結果ではなく、経過を重視しましょう」
Acknowledgement:「承認しましょう」
Together:「一緒に楽しみ、一緒に考えましょう」
Respect:「尊敬しましょう、尊重しましょう」
Observation:「よく観察しましょう」
Listening:「話をよく聴きましょう」
「公認スポーツ指導者養成テキスト共通科目Ⅰ」より
以上の英語の頭文字をとって、"PATROL"と呼ばれているとのことです。
いずれも、指導をする上でとても重要で、大切にすべき考え方だと思います。
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●指導者が主役ではない
資料中にも記載があるのですが、この"PATROL"の前提として、
スポーツ活動の主役はプレーヤー(選手)であり、指導者の役割はプレーヤーの活動の「サポート役」であることを認識する
ことが求められます。さらに、
プレーヤーを自律した個人として考え、プレーヤーが主体的に判断し行動できるよう促す
ことも重要な観点なのだと感じます。
上記の記事でも、以下のように記載したのですが、指導者の考えが先行してしまって選手を操り人形のようにしてしまわないように、注意が必要と考えています。
指導者の中のセオリーやこれまでの先人の知見を活用することももちろん大事だと思うのですが。
コートの上で戦うのは選手自身です。
その選手の感覚や直感の優先度を上げてコミュニケーションをとり、練習をアレンジしていくことができればと思っています。
指導者が全て決めてしまって、選手自身が考えることも、感じることもなくなってしまうようなことがないようにしたいなと思っています。
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●"PATROL"を現場的に考え続けるために
PATROLをそれぞれみて、「これは当たり前でしょ」と思う方が多いのではないでしょうか。
また、このようなことは言葉にしなくても普通にやっている、と振り返る方もいるかと思います。
しかしながら、一つ一つのことについて、「実際にどうやって選手とやりとりをするか、時間を過ごすか」を具体的に考えると、パッと出てこないかもしれません。
そこで、これまでに私が書いたnoteも参照記事として紹介しながら、現場的な具体例を簡潔に考えてみます。
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① Process:「結果ではなく、経過を重視しましょう」
これは、なにより重要なことかもしれません。
競技成績や「勝った・負けた」という結果のみで選手を評価するのではなく(下記記事の勝利至上主義のように)。
前回よりも今回がどれくらいよくなったのか、今日なにができるようになったのかという、一人ひとりの経過(成長)を受け止めることが大切なのだと思います。
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②Acknowledgement:「承認しましょう」
承認すること。つまり、真正面から相手を受け止めること。
具体的に言葉にするとしたら、「なるほど」と一旦自分の中にその言葉を入れて、咀嚼する過程がこの承認の意図することでしょう。
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③Together:「一緒に楽しみ、一緒に考えましょう」
どちらかが上、どちらかが下、という関係性ではなく。
お互いに向いている方向が同じで、同じスポーツを好きで、指導者が選手から、選手が指導者から教わるのが楽しい、と思いあえる関係性がいいのだと思います。
指導者が決して奢らず、尊大にならず、選手と一緒の目線で考えることもできることが必要ですよね。
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④Respect:「尊敬しましょう、尊重しましょう」
互いが互いの不満を陰でコソコソ言い合うのではなく。
それぞれの立場や背景を理解した上で、歩み寄る・相互理解を図る。
信頼を得るために熱意を示す。
そのために、行動や言動を改めたり、なにに時間を使うのかを考える。
選手も指導者も、相手を一個人として捉え、「肩書き」ではなく1:1で向き合って、学びあう姿勢を持つことで、高めあえる関係になるのだと思います。
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⑤Observation:「よく観察しましょう」
指導者から選手を観察する時、運動が表出するまでの選手の頭の中は絶対に覗けません。
しかしながら、観察する視点を増やし、選手の一挙手一投足を細分化あるいは全体的に情報として「見る」ことができれば、その頭の中を想像することができます。
つまり、選手が「なにを意図していたのか」「どう動かそうとしていたのか」を注意深く見ることで、コーチングの質が変化していくということです。
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⑥Listening:「話をよく聴きましょう」
「傾聴力」ともいう、聴く力。
指導者だけでなく、多くの社会人に必要な能力でもあるのだと思います。
相手が話すことを余すことなく聴くこと。
そのために、目を合わせることや、うなずくこと、微笑むこと、というスキル部分を実践するだけでも、コミュニケーションの円滑さが変化するかもしれません。
なによりも、相手が話しているときに遮って自分の話をしださない、ということは念頭におきたいですね。
そんなことないと思う方がいるかもしれませんが、実際に多くいるのが実情と感じます。
そういった人は、「ただ自分の話だけ聞いていればいい」と相手を支配したかったり、相手を見下していたりすることが、背景にあるのかもしれませんね。
長々と書いてきましたが、指導的な立場にある側の器の大きさやスキルは、PATROLを前提として求められるのだと感じます。加えて、その責任も伴います。
下記のように、ノブレス・オブリージュの精神で、未来ある子どもたちや学生、夢見る後進を育て、その成長を見守っていきたいですね。
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今日はここまで。
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●藁科 侑希(わらしな ゆうき)
大学教員として、教育・研究現場で活動中。また、スポーツ現場でもトレーナーやコーチとして活動。選手や学びたい人にとって、最良のアドバイザーであることをモットーに、肩書きにとらわれない現場目線のサポートを模索中。
#西野亮廣 さん #けんすう さん #堀江貴文 さん #落合陽一 さんによく影響を受けています。
#西野亮廣エンタメ研究所 #タムココサロン #アル開発室 サロンメンバー
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博士(スポーツ医学 筑波大学)
日本スポーツ協会公認バドミントンコーチ3
日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー
日本障がい者スポーツ協会公認障がい者スポーツコーチ
日本障がい者スポーツ協会公認中級障がい者スポーツ指導員
日本障がい者スポーツ協会公認障がい者スポーツトレーナー
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高等学校教諭専修免許(保健体育科 茨城県)
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