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#2 停学中の家族愛(特別支援学校での話)

特別支援学校(小学部)での話。

ちょうど10歳になる学年、小学4年生の1月。
二分の一成人式という行事の時のこと。

今回はHさん(超低出生体重児/重度知的・身体障害)の話。

こんなにも元気に伸び伸びと育つ子供いる?!
元気にあちこち動き回って体力が泉のように湧き出てる!…ちょっと休憩させて。。
と、いつもこちらがついていけないほどの元気と体力を発揮するHさん。
そんなHさん、生まれた時は超低出生体重児。
体重は800gにも満たず、ご家族のその時の心境は計り知れません。

生活している場所にもよるとは思いますが、ハタチの半分、10歳になる年の1月に二分の一成人式というイベントがあるそうです。(30年前はなかったなぁ。)
今までの生い立ちを改めて振り返り、ここまで成長したことを喜ぶとともに周りの人に感謝し、これからも頑張ります!という決意を…。
大人の言葉にしてしまうとそのようになりますが、子供たちにとっては
’成人式’という言葉が入るだけで、何かしらの成長の区切りを感じるようです。

学校で行われた、今回の行事。
出席者は児童本人・ご家族・学年の先生・副校長先生・校長先生。
Hさんは父・母・兄が参加していました。
児童たちの生い立ち動画、先生たちからの言葉を経て、そのあとは簡単に懇談という流れ。
Hさんご家族と一緒に話をしていた時。

私「Hさん、今日はお兄ちゃんも来てくれてうれしそうですよね!」

H兄「学校が休みなので来れました!(本人とうれしそうにタッチ)」

私「ご家庭でお兄さんと遊ぶのが好きだという話、よく伺ってますよ。」

H兄「よく背中に乗ってくるんですよ~。笑」

と、微笑ましいエピソードを聞いていると、Hさんの母が一言。

H母「学校が休みなんじゃなくて停学中でしょ。」

なんと!!!!!!!!!!!!!!!!!!

私は教育現場の者としていろいろなことが頭の中をめぐり、次の言葉に戸惑いました。すると、続けてHさんの母が

H母「高校生のくせにタバコ吸って学校に見つかってるんです」

なんと!!!!!!!!!!!!!!!Part2!

私の中で
"小学生の弟を可愛がる優しいお兄ちゃん"から
"授業をサボって屋上でタバコ吸ってるヤンキー"に…。
すると今度はHさんの父が一言。

H父「でも今日の二分の一成人式は、元々学校遅刻してでも参加するつもりだったじゃないか〜。仲良いんだよな〜。」

おにいちゃーーーーーーん!!!!!泣

重度の障害児を育てるご家族。特にHさんのご家庭は、生まれた瞬間からきっとたくさんの心配や不安があったはず。きっと生命の危機を感じたこともあったでしょう。それでも、こうして両親や兄弟がたくさん愛情を注いで一緒に成長してきたからこそ、こんなにも毎日伸び伸びとしているのだと思いました(˶ᐢωᐢ˶)


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