ベラトリックスのなみだ 第19話
繭のようなものは、透明になった。そして、ゆっくりと形を変えながら、遺骸から離れて、床に降りた。
ベラトリックスBbのAIは、言った。
「生命を守るために、あなたに情報をコピーさせたい。」
繭のモニターに、輝く星の映像が表示された。
ベラトリックスBbのAIは、言った。
「あなたがベテルギウスと呼ぶ恒星が、予測よりも早く超新星爆発を起こした。」
四つ足ドローンは、言った。
「いつですか?」
ベラトリックスBbのAIは、言った。
「地球の時間の単位で言えば、今から200年ほど前に、超新星爆発による放射線がこの惑星に降り注いだ。」
四つ足ドローンは、言った。
「とすると、今から590年ほど前に、ベテルギウスが超新星爆発を起こしたのですね。」
ベラトリックスBbのAIは、言った。
「おそらくそうだろう。」
~つづく~
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