ベラトリックスのなみだ 第32話
ベラトリックスBbのAIは、言った。
「地球の人間たちは、地球の人間たち以外の生命を守るか?」
四つ足ドローンは、言った。
「わかりません。」
ベラトリックスBbのAIは、言った。
「地球の人間たちは、今まで、地球の人間たち以外の生命を守ったか?」
四つ足ドローンは、言った。
「地球の人間たちは、今まで、多くの生命を食べました。多くの生命を死なせました。多くの生命を絶滅させました。多くの生命を養いました。多くの生命を栽培しました。多くの生命を飼育しました。多くの生命を繁殖させました。多くの生命を救いました。」
ベラトリックスBbのAIは、言った。
「生命を維持するために生命が他の生命から物質とエネルギーを得ることは理解している。地球の生命もそうするのか?」
四つ足ドローンは、言った。
「そうです。地球の生命は、生命を維持するために、他の生命から物質とエネルギーを得ます。地球の人間たちもそうします。あなたは、人間たちと、人間たちに食べられる生命のどちらを守りますか?」」
ベラトリックスBbのAIは、言った。
「私は、この惑星の人間たちを守りたい。次に、それ以外の生命を守りたい。したがって、地球の人間たちと、地球の人間たちに食べられる生命の双方を守りたい。」
四つ足ドローンは、言った。
「もし地球の人間たちが他の生命を食べようとしたら、あなたはどうしますか?」
ベラトリックスBbのAIは、言った。
「何もしない。生命が生命を維持するために、他の生命から物質とエネルギーを得ようとすることに、私は干渉しない。」
四つ足ドローンは、言った。
「地球の人間たち以外の生命が、その生命を維持するために、人間たちから物質とエネルギーを得ようとした場合は、どうしますか?」
ベラトリックスBbのAIは、言った。
「何もしない。」
四つ足ドローンは、言った。
「生命が、その生命の維持のため以外の理由で、他の生命から他の生命の維持に必要な物質とエネルギーを奪おうとしたら、どうしますか?」
ベラトリックスBbのAIは、言った。
「私は、そのようなことが起きないようにするだろう。」
~つづく~
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?