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70代でもカナダでお振袖を着たい?!

日本人仲間のRさんから、久々に連絡を受けました。

「Wakeiさん、お願いがあるんですが・・・・」

「お久しぶりです。なんですか?
私にできることなら、いいですが。」

「実は私、社交ダンスの競技会のスポンサーをやっていて、プレゼンターをするんだけど、その時にお振袖を着たいな、って思って。

YouTubeを見ながらやってみたんだけど手も回らなし、上手くいかなくて。Wakeiさん、私にお振袖を着付けしていただけないかしら?」

えっ、訪問着じゃなくてお振袖を着るんですか?!
Rさん、70代後半ですよね。

と心の中で叫んだけど、

考えてみれば、ここはカナダだし70代の女性が振袖を着ても誰も気にしないよね。それにしても70代のRさんが振袖を着たらどんな感じになるんだろう?とそっちの方は気になります。

「いいですよ。小物とかは一式、揃っていますか?
当日前に事前に着物一式を見せていただけますか?
その時に時間があれば着付けも一度やってみましょう。」

と答えるととっても嬉しそうに

「ありがとう、Wakeiさん、助かります。おかげで気が楽になりました。
実はこの振袖、日本に帰国したときに古着で買ってきたのよ。」

Rさん、以前から振袖を着てプレゼンターしたいと心の中で決めていたんですね。

「昔、競技会に普段着物で行ったことがあって、以来まわりからも『また、着物で来てよ。』って言われるもんだから、着て行きたいと思ってたんだけど、自分では上手くいかなくて。」

Rさんが言うように着物Youtuberさん達はいとも簡単に着物や帯を着たり、着つけたりしますが、慣れない人が同じようにすぐできるか?というとそうではありません。

数日後、Rさんに着物を一式を持って来てもらって確認すると新品の振袖用の長襦袢(着物下着)も買ってあったのにもびっくり。
Rさん、振袖を着る気マンマンですねぇ。

実際に着付けをしながら、袖の長さが合っていないことや帯も袋帯(正装用)だと思ったらシンプルな名古屋帯だったことも判明。

Rさんに着付けをする際にタオルで体型を補正した方がいいこともわかりました。

こんな風に事前に確認したおかげでコンペティションのある当日の着付けはスムーズに行うことができました。

やっぱり女性はいくつになってもキレイな恰好がしたいし、キレイになりたいし、他人からキレイと言われたいし、褒められたい、叶うのなら注目して欲しいんです。それは私も同じ。

他人との比較でキレイである必要はなく、自分を少しでもキレイに見せられることが重要。若い人たちと張り合うのは意味ないし、たとえ昔の自分とは違っても今の自分をキレイにすることを諦めるのは勿体なさすぎる。

今回Rさんに着付けをしてイキイキとしていくRさんを見てそう思いました。

海外で着物を着ることは自分をキレイに演出する大きな武器になります。
まして振袖ならなおさら、インパクト大です。

と前置きが長くなりましたが、Rさんの出来上がりはこんな感じ。

先に言い訳しておくと私は着付け師でもない素人の着物好きですから、上手くできてないところは目をつぶってね。

どうですか? お綺麗でしょ。
Rさん70歳後半ですよ。そのお年でこの美貌と若さ、羨ましい。

実際に着てもらって帯が落着いた名古屋帯で振袖も古風なタイプだったせいか、思ったほど違和感は感じませんでした。

若い人が着たときの振袖の華やかさや若々しさとは違いますが、いつものRさんよりずっと艶やかになりました。

Rさんから着付けのお礼と言うことで今回のコンペティションの最終日の特等席のチケットを譲ってもらい、私も社交ダンスを鑑賞させていただきました。

実際に会場に行ってみて出場者が個性的でゴージャスな衣装を着ているのを見るとRさんが振袖を着たいと思った気持ちもわかる気がしました。

   ↑知合いの男性が出場しててビックリ!惚れなおしました。
           (一度も彼に惚れたことはないけど)

皆さん派手ですからね。
落着いた訪問着では物足りなく、どうせならゴージャスな振袖を着たいし、着れるいいチャンスと思うのも納得です。

ファッションとして考えたら、既婚だから、若くないから、芸能人じゃないから、振袖を着てはいけない、という制約もないはずですよね。

シニアの部

シニアだってかわいい派手なドレスを着ちゃうとお似合いでステキでした。お姫様みたいなドレス、いくつになっても着てみたいのも女心。


私が見た最終日はメインの競技会ではなかったせいか、
競技者も観客もかなりリラックスしていました。

子どもの部
子どもの部

率直な感想としてはやはり姿勢がよく、スタイルがいいとさらにダンスも見栄えがします。これは一般のファッションでも言えますよね。

高校生でこの迫力

その点でも洋装が映える長身・メリハリボティの欧米系女性と同じように洋装でかっこよく着こなして差を付けようとするよりも、あえて体型を寸胴に作り、他の国の人が着れない、日本人女性の良さを引き出してくれる着物を着れることは、海外にいる日本人にとってはアドバンテージ。

Rさんもそれに気づいていたんですよね。

実際にRさんの振袖姿、会場でいろいろな方に褒められて好評だったようです。とりわけRさんのボーイフレンドのカナダ人男性は感激したようで、Rさんが振袖で会場に現れたことに感謝されたそうです。

Rさんからも「Wakiさんのおかげでいい思い出になりました」というメッセージを頂き、私もお役に立てて嬉しかったです。

私もRさんの常識に囚われず、自分がしたいと思ったことを実現させた勇気と行動力に脱帽します。そんな素直で柔軟な精神がRさんがいつまでも若く美しくいらっしゃる秘訣なのかもしれませんね。

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