まわりの人から地味に世界情勢を感じるカナダ
カナダ生活11年目のWakei です。
カナダと言えば、移民の国。多文化主義政策をとっているので、地味に国際情勢を感じることができるのも、オモシロイところです。
私もカナダに来ていろいろな国の出身者と出会ってます。
ウクライナ
今回のロシアのウクライナ侵攻では、ウクライナ出身の友人を改めて意識しました。以前のNoteでも書きましたが、私も募金した友人は、無事にウクライナから彼女の母親をカナダに呼寄せることができ、現在いっしょに暮らしています。
サウジアラビア
大学のESL時代にかなりの数がいたサウジアラビアの留学生が、国からの高額の奨学金(1カ月40万円程度)もらっていることに驚きました。また、運転免許の持たない女子学生がタクシーで通学したり、ブランド好きだったり、石油産出国の裕福さを見せつけられたものです。
ところが、カナダとサウジアラビアで人権問題で関係が悪化すると、あれだけいたサウジアラビアの学生は、政府によって召喚され、一気にいなくなってしまいました。
この件や実際にサウジアラビアの学生を通じて、サウジアラビアの女性立場や外国人労働者の権利が厳しいことを知りました。
中国
中国人留学生はカナダの留学生のかなりの比率を占めていましたが、今回のコロナやカナダと中国の関係悪化で、移民ともどもこちらも激減。
現在は、「投資移民家移民制度」が廃止され、中国の富裕層の移民の減少につながっています。一時は、投資目的の不動産購入による不動産の値上がり、賃貸物件の不足がバンクーバーで問題になり、その原因と噂された英語を話さない中国人富裕層に対する反感をよく聞きました。
一方、中国人富裕層が資産の海外移動、自由とさらなるチャンス、子どもへの投資として、移民を考えるのもわかります。
職場①中東・中南米・ヨーロッパ・北米・アジア
私がたまに働くアルバイト先は国際色豊か。現在は中東系と中南米系、アジア系、ヨーロッパ系、北米系がバランスよくいます。日本人は私だけ。
パキスタン人とインド人の同僚男性は、2人とも親の決めた相手と結婚しました。今時?自由恋愛じゃなの?とちょっとびっくりしました。
中東系だと思った男性が、ドイツ生まれのドイツ人だったのも意外でした。本人に聞いていませんが、社会問題ににもなった、中東からドイツに移民した家族出身なのかな?と思ったり。
ある日、見慣れない白人系の30代前半の男性がいたので、思わず「えっ、あなたはどこから来たの?もしかしてカナダ人だったりして?」って聞いてしまいましたよ。
そしたら、「俺はもともとカナダ人、英語しか話せないよ。中南米の連中はスペイン語で話してるから、よくわからん。」と苦笑していました。
こんな風に見た目だけでは、本当にどの国の人なのかわかりません。
職場②アフリカ
最近、町にアフリカ系の人が増えた気がします。銀行に行くと一人はアフリカ系の人がいます。
別のアルバイトでは、今年、ナイジェリア、コンゴ、スーダン出身者と働きました。彼らや彼らの家族は、カナダで大学やMBAの学生でした。
このこときっかけに、ナイジェリアがアフリカ第一の人口大国(2億人)で経済発展も目覚ましい国であり、都市はかなり都会と知りました。彼らはマクドナルドを知らなったのも驚きましたが、アフリカの多くの国はマクドナルドがないそうです。
ちょっと親しくなったナイジェリア人の同僚に「なぜ移民したの?」と聞いたら、「賄賂が横行し、富裕層の誘拐やら治安が悪いから」と言ってました。それがすべてではないでしょうが、確かに治安は悪そうです。
こうしたアフリカからの移民の多くは、カナダに移民・留学しても彼らには言葉の壁がないので、すんなり仕事や勉強ができ、カナダに馴染めます。英語圏の強みを感じます。
カナダに暮しながら感じる世界
このようにカナダで、いろいろな国の人と出会うので、それまで全く関心のなかった相手国のニュースに気づきます。
私が2011年にカナダに来た際、カナダ人に聞かれたのは、「福島の3.11で被災してカナダに来たのか?」でした。
それは違いましたが、この質問になんとなく私が被曝しているんじゃないかと不安がられているようで、いい気分がしなかったことを覚えています。
相手の国のことをプライベート交じりに聞くことは相手にとって、私の場合のように、不愉快なこともあるかもしれません。逆に他国に住んでいるからこそ、話やすいことも相手にあるかもしれませんが、こればっかりはわかりません。
実際のところ、聞きたくても質問するのに戸惑います。
質問するかしないかは別として、いろいろな国の出身者と接することで、より世界が身近に感じられます。
地味に世界情勢を感じられるのは、カナダに暮らす大きな魅力であることは確かです。