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思い返せばこの6年間で良くなってる

今日はクワイヤーの練習日でした。

そして今日も

”consonant(子音)をはっきり!” 
”カナダ英語の発音ではなくイギリス英語の発音っぽく”

とクワイヤーのミュージックディレクターから指摘されました。

音楽が好きで、カラオケもないし、気分転換に歌えたらいいなぁ、
ぐらいの軽い気持ちで始めた教会のクワイヤー(聖歌隊)ですが、
もう6年ぐらい続けています。

ボランティアなので歌の上手下手は問わないというもの、
毎週違う歌を5曲ぐらいミサで歌ことになるので、
週1回2時間のクワイヤー練習は欠かせません。

私はこのクワイヤーに参加しているただ一人の日本人ですよ。

そんなクワイヤーで気が付いたことをちょっとシェアしたいと思います。

1.日本語スピーカーは英語の歌に不利

ご存知のように英語には日本語にない発音があります。
その発音を真似るのも音の違いを聞き分けることも難しくありませんか? 

脳が慣れていないって感じでしょうか?

私は今でも聞き分けが良くできません。
今の悩みはアとイの発音。

こうした日本語と英語の発音の違いには根本的な発声の違いがあります。
このことを私が身を持ってわかったのは歌からでした。

ザックリ言うと日本語の発音は母音重視で口先で発音してしゃべれる言語。

英語の発音は子音の役割が大きく、より息を使うので口の奥から発声し、息の出し方を微妙に使分けて発音する言語です。

ただ日常会話では、RとLのように日本人が苦手な発音ができなくても文脈から推測できるので、実は会話では発音の悪さをそんなに気にしすぎなくても通じます。

(決して発音がよくなったわけではありません。まわりが悪い発音に慣れてくるのです)

ところが、歌となると状況は違ってきます。

歌で発音が悪いと歌の歌詞が意味不明になったり、全く違う内容になったり、聴く側に気持ち悪さを与え、音楽を台無しにします。

歌の不明瞭な発音は英語スピーカーにとっては「問題あり」で慣れるものではありません。

そして発音には実は発声が大きく関係します。

日本語の発声は喉の上の方で完了するので、歌では奥行きのない、ぺらぺらした平たい声や線の細い声になりがちで、発音の面でも似ているけど違う発音になります。

声楽でオペラを歌う日本人にとっても海外で活躍するにはこの日本語の発声の癖は克服すべき大きな課題だそうですよ。

日本語発声のままだと、日本人にはキレイに聞こえる発音や声でも海外の聴衆には違和感を感じるのです。

私自身、クワイヤーで感じた自分の声の細さや発音の異質さの原因に
日本語の発声の癖があったとは驚きでした。

皆さんの中にもなんとなく英語で話した感じが薄っぺらく感じる、決まらないという人は発声をもっと深いところからするなど、発声から喋り方を気にしてみてはいかがでしょうか。
案外、そんな工夫で英語っぽく落ち着いた感じに聞こえたりします。

2.クワイヤーで声が出るようになった

自分の発声が浅いことは、クワイヤーの歌の上手い人の歌と自分の歌を比較するとよりよくわかります。

また、どうやったらもっと高い声が出るのかと考えるとやっぱり発声にたどり着きます。


クワイヤーを始めたときは ”高いレ”(D) までぐらいしか出ませんでした。

初めはこのレでいっぱいいっぽい。


そしてその2年後に市民オペラ「ㇻ・ボエーム」に参加したときは、この練習の成果で、なんとか "高いソ(G)" まで出せるようになりました。

この「ㇻ・ボエーム」で初めてソまで出す歌を歌うことになりました。
ㇻ・ボエームの仲間
ㇻ・ボエームでは私もそれっぽい衣装を着せていただきました。
感激!宝物的想い出。


そして現在は音としては ”高いシ(B)” まで出るようになりました。

歌えないけど声は音として出るようになりました。
最大の問題はこうした発声はユーチューブを参考にしいて、
ちゃんとレッスンを受けていないこと。


この”高いソラシ”は通常の讃美歌のソプラノではなく、ディスカントというハイ・ソプラノパートが歌います。

ですからソプラノの私は歌うことのまずない音域になります。
(私も声は音で出せますが歌えません)

では、高音を出せるメリットは何かと言うと、ソプラノでよく出てくる”高いレやミ”(D,E)を歌う時に怖がらずに歌える、ことです。
高いレやミを出しにくい高い音と認識しなくなったのです。

これは発声を意識しながら、クワイヤーの練習を続けた来た成果です。

歌が好きと言っても、一人で練習して歌ったって、発表する場もなければ張り合いもありません。他人と比較で私ももっと上達したい、という意欲もでてきませんよ。

クワイヤーで練習を続けることで、自分の声を観察できるし、上手くなったらクワイヤーで気持ちよく歌えて、喜ばれてお役に立てるし嬉しいです。

3. 継続は力なり

クワイヤーに参加して6年のうち2年間はコロナで休止状態でした。

コロナ期はZoomで練習もしました。
でも実際にみんなで集まって歌うのは全然違います。

みんなの声を感じながら歌うのがとっても楽しいのです。

私はクリスチャンでもないのに、こうして6年も参加させてもらって、有難い限り。

ボランティアなので報酬もありませんが、参加費もありません。
おかげで私もこうしてクワイヤーを楽しく続けられているのです。

6年間でクワイヤーのメンバーも音楽のスタイルも変わり、クワイヤー全体のレベルも上がり、私の歌もクワイヤーに便乗するように良くなっています。

ミサ参加者の皆さんにも喜んでいただいているようで、クワイヤーメンバーば「よかったよ。」と参列者から言われることも増えてきました。

新しくクワイヤーに参加してくる人もちらほら出てきて、常時10人以上をキープできるようになってきました。

なぜか最近、男性20代、30代男性の参加が増え、テノールやバスまでカバーできるようになって、オバサンソプラノとしては嬉しい限りです。

男性の声も安定感があって素敵です。

旋律を担うソプラノとしては、モチベーションが上がり、責任を感じます。

ただ、最近またコロナの警戒が始まっているので、このいいクワイヤーの波がまたコロナで分断されないことを願っています。

当たり前にできることが当たり前にできなくなる、コロナの経験を思い出し、今できることは実は与えられているチャンスであることを認識して感謝して楽しんでいきたいです。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

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