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お金が足りない!だったらワークキャンプに行こう!

皆さんはワークキャンプってご存知ですか?
ワーキングホリディ、ワーホリとは違いますよ。

お金のなかった(今でもそう変わりませんが)学生時代、
私の初海外旅行はワークキャンプに助けられました。

ワークキャンプは世界中から集まった若者が
共同生活をしながら、地域のボランティア活動し、
お互いの理解を深め合う、
というものです。

現在ではヨーロッパのみならず、北米、アフリカ、
中南米、アフリカ、アジアにもあるそうで、
日本にもキャンプ地があると知り、驚きました。

興味のある方に私のNoteが参考になるといいな、
と思います。

なぜワークキャンプ?

私がワークキャンプに参加したのは1985年の夏。
早々に留年が決まった大学4年の夏休みです。

同級生が就活だ、卒論だと忙しくしている中、
私は関係ないので、この長期休みのラストチャンスに
アルバイトをしてヨーロッパに行くと決めました。

でもアルバイトの見込み金額を計算しても
まともに2か月間旅行できる金額にはなりません。


ちなみに時代は、日本はバブル期の始まりですが、
当時はプラザ合意前で円も240円時代。
ヨーロッパは国によって通貨が違い、東西ドイツ統一(1990年)、 
ソ連崩壊(1991年)以前の時代になります。

そこでお金の足りない私が調べて辿り着いたのが
ボランティア(6時間程度の労働)を利用して旅費を抑える方法です。

まずは、ヨーロッパのワークキャンプとイスラエルのキブツ
候補に挙がりました。

イスラエルは個人旅行では行けそうにない場所だし、
キブツに参加することで行けるし、
キブツの待遇が良さそうだったので迷いました。

でも「行ったら洗脳される」「後々他の国に行きにくくなる」
なんていう噂があり。止めました。

結局、ヨーロッパのいくつかあるキャンプ地の中で
スペイン・バレンシア地方の森林保全キャンプに2週間、
オランダのアムステルダム近郊のにある
アーティス村の修繕キャンプに2週間

参加することにしました。

つまり2か月間の夏休みのうち、
1か月間をワークキャンプで過ごせば
滞在費用を節約できます。

残りの1か月を一人旅でヨーロッパを放浪する、
実質およそ1か月の滞在費用で済む、という作戦です。

お金がないからとは言え、ワークキャンプは
世界中の若者の交流も目的にあるので、
実際いろいろな国の人と交流できるいいチャンス!

我ながらいい作戦ではありませんか?

ワークキャンプって?

冒頭でも述べたように、
ワークキャンプは世界中から集まった若者が
共同生活をしながら、地域のボランティア活動し、
お互いの理解を深め合う趣旨に基づいています。

ワークキャンプの歴史は、1920年代にフランスとドイツの若者が
第一次世界大戦の教訓として、戦後の荒れた農地の復興と
相互理解のために共同農業体験をおこなったことから始まり、
ヨーロッパ中に広まっていき、今では日本にもキャンプ地が
あるぐらいですから驚きです。

※興味のある方はしたの文章のリンクから飛んでくださいね。

ワークキャンプの掟

ワークキャンプには参加する上で
理解しておかなければならないルールがあります。

1.共通言語は英語

いろいろな国の参加者がいるので英語が共通言語です。
ただし、スペインのキャンプでは共通語がスペイン語でした。

じゃぁ、英語もスペイン語も喋れないと参加資格がないの?
ということではありません。

私のように喋れなくても不便を承知しているなら、
誰でも参加できます。

スペインのバレンシアのキャンプは、
共通語がスペイン語のせいなのか、ただ単に人気がないのか、
当時スペインのワークキャンプの日本人の参加はまだなく、
私が初の日本人参加者と言われましたよ。  嬉しい!

2.現地集合・現地解散

自分で飛行機の手配、交通手段を確保して
キャンプ地まで辿り着く必要があります。
キャンプ地は観光地ではなく、しかも地方なので
便利とは言えないローカルのバスの利用は必須です。

参加期間は私が参加したキャンプは最低1週間からでした。
キャンプ自体は1か月ぐらいやっていますが、
その期間内でいつからいつまで参加するのか、
自分で決めて申し込みます。

柔軟に自分でスケジュールを組めますが、
現代のようにPCや携帯を使って
サクサク検索できるわけではないですし、
郵送でのメールのやり取りも含め、
面倒で時間も掛かりました。

今の時代の参加は安心、安全、迅速で
随分便利になったことでしょう。

3.働いて食事と寝るところが提供される

ワークキャンプ地では各地から集まった参加者といっしょに
ボランティアで週末を除き、毎日6時間働き、
食事と寝るところが無償で提供されます。

スペインはさすがに食の国だけあって、
専属の料理人のおばさんがいて、毎日美味しい料理が
食べられました。
これだけで十分得した気分です。

しかも作業の山の中でも休憩時間には水の他に
小型のワイン壺に入った白ワインも飲み放題でした。

寝るところは4人テントで毛布が支給されました。
あたりは車で1時間程度走らないと何もない、まさに山の中。

共同トイレ・シャワー、厨房以外はすべて屋外です。
まさに私にとって初めての”The 森”のキャンプ場生活の2週間でした。

オランダでは食事は参加者が持ち回りで作りました。
私はお米と卵と野菜で雑炊もどきを
「日本食の食材も道具ないから無理」(実際になかった)
と言い訳をして苦し紛れに作りました。

予想通り、あまり美味しくはなかったです。
ですが、こちらにはPorrige(おかゆ)、オートミルを
食べる習慣があるせいか、クレームはありませんでした。

美食に慣れているスペインじゃなくてよかったです。

他の人の料理も全く記憶になく、硬い丸パンとチーズが
美味しかった、食べたぐらいしか記憶がないので、
やっぱり他の人の料理もまずかったんだと思います。

アーティスト村ではボランティア用に
廃校になった小さな村の小学校が提供
されました。
食事は教室、寝るところは体育館で、
小さな体育館のどこでも好きな場所で
支給された寝袋でそれぞれ好き勝手に寝ます。

結局全員、ステージの上のどこかで寝てました。
こんな落着かない寝室初めてです。

話すと不便そうな生活に思えますが、
みんなと一緒だと不便も新鮮なもんです。
一生じゃないしね。

働いている時間以外は週末も含めて、
昼寝をしたり、本を読んだり、散歩をしたり、
話で盛り上がったり、みんなで出かけたりと
思いっきり遊んだのはいい思い出です。

ワークキャンプ経験は宝物

ここではワークキャンプでの生活やエピソードは
書きませんが、初めての海外経験でもあり、
私にとって驚きの連続でした。

スペインでもオランダでも言葉がわからない私を
辛抱強く助けてくれた仲間にはとても感謝しています。

そんなやさしい仲間と対等に汗をかきながら働くせいか、
話せないもどかしさをバリバリに感じながらも、
なぜか引き籠ることもなく楽観的に過ごしていました。

さらに私がスペインのキャンプを出るときに
キャンプで女子の一番人気だったギリシャ彫刻のような
長身のフォアンという男子から

「うちに遊びに絶対遊びに来いよ」

と言われて住所のメモをもらうという驚きの展開に
舞い上がりました。
もちろん、彼が私に気があるわけではなく、
アジア人として興味を持って誘ってくれたのです。

「絶対行くね!」

と言ったらからには行こうとしたら、
フォアンの家はアフリカ大陸にある町で驚きました。

それでも行ったのが自分でも不思議です。

そんな笑い話のようなことが起こります。

もう一つ選択肢

もし、私に十分に旅行資金があったら、
ワークキャンプの存在を知らずに
2か月間の一人旅を楽しんでいたでしょう。

ワークキャンプを終了して、
一人旅に戻る心細さと話す相手もいない孤独感、
ベットでプライバシーを確保して眠れる
安堵感と解放感も感じることもなかったでしょう。

お金がなくて苦肉の策で参加した
ワークキャンプですが、参加できてラッキーでした。

面白さとちょっとばかりの大変さが
詰まったワークキャンプ。

残念ながら、未だに身近な人から「行きたい」とか
「行った」という話を聞くことはありません。

海外の人ともっと交流したいと思って
留学する人、ワーキングホリディ―に行く人、
旅行する人は多いと思いますが、

その中にさらにもう一つの選択肢として、
ワークキャンプをする、というのも
加えてみてはいかがでしょうか?

予算や日数の関係で、
海外に行くのを諦めている方の中には
ボランティアやワークキャンプを入れることで
行けそうな金額や予定になるかもしれません。

そして何より人との出会い、地域に根差した
他では味わえない経験は何年経っても
スルメのように何度も味わえる想い出になるでしょう。

国際ワークキャンプ、おススメです。

#わたしの旅行記

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