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自宅待機中の備忘録(映画4本と聴く本2本)

カナダ生活11年目のWakeiです。

コロナになって、一時はどうなるかと思いましたが、体調が不調なりに割り切ってできたことがあります。それは映画を観たり、Youtubeを聴いたり、本を読んだり。
皆さんの参考になるかは不明ですが、私の備忘録として残します。

映画: 
ジョーカー 
私はバットマンの中のジョーカーは見ていないので、単独の映画として感想です。
ジョーカーの生い立ち、その生い立ちから生じた身体的機能の不全、そしてそれらからくる蔑視、本人の精神的な混乱、社会的弱者に対する冷酷な現実が描かれていました。悲しく、そして怖い映画です。

上級社会層に対する不満や憤りが、何かのきっかけで暴走することを改めて実感しました。格差社会の危険性、貧困や弱者放置する社会は、実は恐怖社会になることを暗示していました。

ハリエット
実在の人物、アメリカの20ドル紙幣にアフリカ系女性として初めて採用された奴隷解放運動ハリエット・タブマンの話。奴隷農場から逃げ出し奴隷解放運動に関わった後、次々と他の奴隷たちを脱出させ、解放させていく様子が描かれています。
この映画では、アフリカ系の人たちの毅然とした美しさ、強さを感じずにはいられません。
ハリエットが言う「死か自由」はとても印象的です。現代を振り返ると、歴史を経て、人々の人生は少しずつは良くなっているでしょうか。

最近、アフリカ系の人と知り合う機会が増えたのと実際に町にも増えているので、親近感?の持てる映画でした。

最強のふたり
私はNetflix (カナダ版)のタイトルは「Intouchables」というフランス映画。アンタッチャブル(触れられない)のフランス語らしいけど、「最強のふたり」というタイトルの印象が違うので、はじめ同一映画だとわかりませんでした。

裕福な障碍者フィリップと彼のケアギバーとして働く、貧困地区出身のアフリカ系ドリスの友情を描いた実話。社会的な偏見を超えて、相手を信頼することで生まれるお互いの友情。
ドリスのやんちゃで遠慮のない行動が、フィリップの本来のワイルドな部分を解放させます。そんな二人のやりとりが、見ていて心温まる楽しい映画です。

インターセプション
映画の評価も高ったので観かけましたが、途中でギブアップ。
他人の夢の中に入って、潜在意識を操作する程度の予備知識で見たら、無茶苦茶よくわかりませんでした。
今こうして、あらためて解説を見て多少どういう背景だったかわかりましたが、体調不良のベットの中で、時々寝落ちしながら、英語で観て楽しむには私には難しかったようです。
はっきり言えるのは、渡辺兼はとってもかっこよかったです。
また、改めて解説をよく読んだ上で観たいと思います。

読み聞かせYoutube:
こころ(聴くYoutube)夏目漱石

久しぶりに純文学を聴きました。(読んでません)
読む以上に時間は掛かりますが、寝たままや料理や片付けをしながら聴けるのが助かります。
やはり、重厚だなぁと思いました。表現が繊細で心の動きを本当によく観察して映し出してくれています。こんな話は自身が経験しなければ、書けないのでは?と思うくらいです。
そして、誰にも心当たりのある感情だと思います。

第二の主人公とも言える「先生」が、経済的な問題や将来の不安ではなく、良心の呵責、死んでいるように生きる自分から解放されるために自殺をする、というのは、なんとなく贅沢で神経質な理由に思いますが、当事者にならないと理解しにくいことなんでしょう。誠実な人ほど思い悩む、誤魔化せない、人間はそんなところがあるのかもしれません。


もし、先生が、キリスト教のような宗教に辿り着いたなら、心の言い訳ができたのかもしれないとも思います。

ありきたりですが、夏目漱石の「こころ」ってすごいなぁと思いました。

読み聞かせYoutube&読書
グスコーブドリの伝記 宮沢賢治 

この話は、最初、読み語りYoutubeで聴いたのですが、ときどき寝落ちしたため、結局ネットで読みました。

宮沢賢治らしい、農村、作物の豊作・不作に翻弄される農民の様子やなんとかしようとする者の様子が、SFチックな要素も入れて描かれています。

最後は自己犠牲も厭わない主人公ブドリによって農村は救われるのですが、やはり暗く、なんともいえない苦しさを感じます。

今年の春はカナダも寒く、農作物は大丈夫かなぁと私も考えています。気候変動で今後、自然災害や食糧危機も言われる中、自然とどう付き合うか、農業、畜産業、漁業の安定化は現代も将来も大きな課題だと思います。


とまぁ、こんな感じでコロナの自宅待機のおかげもあって、心置きなく楽しむことができました。

ゴールデンウィークに特に出かける予定のない方も、たまには映画や聴くユーチューブ、読書を楽しんで、心の一人旅に出かけてみるのもいいんじゃないでしょうか。

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