”涼風舞う、古都京都の夏茶会”
古都京都の Hidden gem 有斐斎弘道館の月釜(月ごとの開催されるお茶会)に行ってきました。 ※Hidden gen 穴場
月釜は京都ではいくつかの場所で開催されていて、予約が必要なものと飛込みで行けるものがあり、費用もいろいろですが、誰でも参加できます。
観光地やカフェでも気軽に抹茶とお菓子をいただけたり、茶道体験のアクティビティもありますが、月釜はより本格的な茶道の雰囲気を楽しめますので、おススメですよ。
このお茶会の日は梅雨が完全に開けていず、曇り時々雨の蒸暑い京都。
雨に濡れた庭の緑がよりしっとり鮮明に、濡れて黒を増した石が男前度を毛ています。
※表紙画像はガラス越しに見ているのでボケて見えてます。
待合の部屋で同席のお客様といっしょに待った後、お茶席に案内されました。
欄間には魔除け‣神聖であることを示す紙垂(しで)と笹が張られ、その空間を特別なものに変えています。
水差しは浅く大ぶりのガラス、敷板も青竹を組んだものが使われ、涼し気ですよ。こちらの青竹の敷板は今回の茶会のために作ってもらったそうです。
柄杓を花入れにして3つの花を生けたのも絶妙なバランス感覚ですね。
煙草盆も籠で夏らしい。
お菓子が運び出されて、いよいよお点前が始まります。
この主菓子は、日本の暦の24節気に基づき、この時期の気の乱れを抑えるためにショウガ餡子(あんこ)で作ってもらったそうです。
涼し気な外見だけでなく、効能まで考えていたとは。
手作り干菓子といいご亭主のおもてなしの心意気が見えますよね。
ショウガ餡子を初めて食べましたが、とても美味しかったです。
お抹茶は九州の八女産。
はっきりとした男性的?な味でした。美味しい!
蓋置は動かすと巫女さんが舞で持っている神楽鈴のようにシャランシャランと鳴り, 清めているようでもあり、風鈴のようでもあり、涼を誘います。
そして無駄のないお点前、美しいです。
合理的でしなやかに流れる手先のお点前を見ているだけでご馳走。
この空間にいるだけで清々しい別世界。外界の蒸暑さも忘れます。
こちらのお茶会、毎回感じますが、お客様もご亭主も館長も研究熱心で気さくなのでお茶会初心者であっても居心地がいいです。
今回びっくりしたのは正客(最初にお茶を受ける客)が小学生だったこと。
お稽古もしている女子でちゃんと正客をこなしていました。
素晴らしい!
こちらのお茶会は知識や経験がある方なら、気づきも多くて、初心者とは違う次元で楽しいでしょう。
お茶の文化は海外でも関心を持たれます。
海外に出ていく人がお茶の楽しみを全く体験してないのは、ちょっとモッタイナイ。
海外からの観光客はわざわざお茶体験を楽しんでいくんですから、せっかく日本にいるのに知らないのもちょっと寂しい。
機会があったら、是非一度はお茶会に足を運んでみてはいかがでしょうか。
そしてお茶の楽しみが廃れることなく、引き継がれ、時代とともに変化しながら、多くの人に親しまれるといいなぁ。
この日のお茶会もとてもいいリフレッシュになりました。
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