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わかおの日記115

朝早く起きて、祖父の家に行った。ぼくが祖父の行くということは、どういうことか。それはつまり、缶詰になって勉強するということである。

祖父はぼくのことを溺愛しているので、ぼくが来るとなるととっても張り切って、お茶やお菓子、更には昼食まで用意して待っていてくれる。頼めば松屋まで牛丼を買いに行ってくれる。老人をそんなにこき使うな。

その居心地の良さから、受験期はほぼ毎日祖父の家に通っていた。そして昼の休憩時間には、毎日屋上で素振りをしていたので、近所からは完全にアブナイ人扱いをされていたが、慶應に受かったのでなんとか体面が保たれた。

今日は祖父が家にいなかったので、ひたすら書斎でレポートとにらめっこしていた。来週には、彼女とのクリスマスデートが予定されており、さらに再来週にはドイツ語のテストが待ち受けているという都合上、これ以上レポートを先延ばしにすることはできない。レポートのことなど考えて、浮かない顔でデートに行こうものなら、彼女に噛みつかれるのは必至である。ぼくは死ぬ気でレポートに取り組み、なんとか終わらせることができた。

父と母の結婚記念日だったので、高級な中華料理屋について行った。道中弟が母に叱られ、すねてどこかに行ってしまった。突然弟が行方不明になったので、みんなで心配して探し回ったのだが、結局弟はその中華料理屋に先回りして予約した席に座っていたところを捕獲された。恐るべきサバイバル力である。

しかし弟を捜索したせいで予約時間を大幅に過ぎたため、泣く泣く予約をキャンセルする羽目になった。本当にあいつはろくな事をしない。ぼくは中華を楽しみにして、昼もあまり食べずにレポートを書き終えたというのに。食の恨みは恐ろしく、ぼくは久々に弟に殺意を抱いた。

けれどもその代わりに近所の焼肉屋に行き、そこで美味しい焼肉をおなかいっぱい食べれたので満足である。結果オーライ。

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