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日本語教師のためのメンタルヘルスケア講座を終えて、今。

こんにちは。
日本語教師と*産業カウンセラーをしています。ワカです。

*産業カウンセラーとは:一般社団法人日本産業カウンセラー協会が認定する心理職の資格です。落ち込んだ状態が続いている、仕事に行くのが辛いなどの精神的な悩みを抱える働く方のカウンセリングや、省庁・企業のメンタルヘルス対策の支援などを行っています。(*カウンセリングの相談内容によっては医療機関や社労士を紹介することがあります)

10/21(土)「日本語教師のためのメンタルヘルスケア」オンライン講座を開催いたしました。ご参加くださった皆様、誠にありがとうございました。
内容は
1.考え方の癖(自動思考)を認識する
2.偏った思考をバランスよくする方法(認知行動療法)を学ぶ
3.急遽必要な時のストレスセルフケアを考える
4.カウンセリングの意味と効果について知る
といった内容でした。1時間で盛りだくさんだったと思います。
なぜ「メンタルヘルスケア講座」でこれら4つのことを盛り込んだのか、それについて少しお話しさせてください。


1.考え方の癖(自動思考)を認識する

落ち込むのは自分が悪いからじゃありません。
ほとんどが勝手に落ち込んでしまう、負のループにハマっているのです。
そしてそれは「そういう性格だからだ」と思っていらっしゃる方が多いのですが、それはだいたい脳の仕業です。
過去にきっとひどく傷ついた経験があって、それを脳が覚えているんですよね。そして、再び傷つかないように、似たような状況があると反応して防衛しようとしているんです。強がって見せたり、最初から諦めてしまったり、興味がないふりをしたり…。
これらの防衛は精神衛生上、大事なことです。誰にでもあります。
もちろん私だってあります。わりと強い方かも。
ただ、防衛が強化されて、ささいなことでも過剰に反応してしまうと神経が常に緊張して疲弊してヘトヘトになってしまいます。
だから、自分はどんな状況で防衛スイッチが入るのか、どういう反応をする癖があるのかを知ると、ヘトヘトになる前に回避しやすくなります。

2.偏った思考をバランスよくする方法(認知行動療法)を学ぶ

自分には、ある状況に対して防衛本能が過剰に反応する「考え方の癖」があるようだと分かったところで、じゃ、それをどうしたら適当な反応(適応思考)に持っていけるのか。その答えの一つとして「認知行動療法」があります。
どんな状況で自分はどう考え、落ち込んだのかを書き出し、それを俯瞰して「自分の考え方は妥当だろうか」「他の考え方もあるんじゃないか」と色々他の可能性について考えていく方法です。
ただ、これを1回やっただけで「考え方の癖」は治りません。なにせ「癖」というのは無意識に出てしまうものですから。しっかりと自分に向き合い、焦らずに取り組んでいくことが必要かと思います。
また、どうしても他の考え方が浮かばないこともあります。そんな時は信頼できる友人やカウンセラーの力を借りるのもいいと思います。

3.急遽必要な時のストレスセルフケアを考える

「認知行動療法」は時間もかかるし、落ち込んだことをしっかりと振り返るので、けっこう辛いです。今はそんな心の余裕がないという時は、一旦離れることも大事です。
ストレス発散方法は人それぞれ。散歩するとか、絵を描くとか、辛いものを食べるとか。自分のストレス発散方法はたくさんあった方がいい。すぐ見られるところに書き溜めておくといいです。
ストレスを感じた時に、それらの方法を実行すると、一人で悶々と考えて「もう頭がおかしくなりそう!」なんて状況になることが避けられます。

4.カウンセリングの意味と効果について知る

カウンセリングを受けたことがある人は少ないと思います。
精神科や心療内科の病院に来る人は、身体に異常を感じるようになってからという人がほとんどです。寝られない、会社に行こうとすると頭痛、腹痛、吐き気などの症状が起きる。このような場合、薬物療法でホルモンバランスを整えることが中心となります。カウンセリングは脳に負担になるので、それに耐えられる状態まで整えた後となります。
ですからカウンセリングは、体に症状が出る前、「もやもやする」「落ち込みが続いている」という時に受けるのがいいタイミングなのです。

カウンセリングの方法もたくさんありますが、全ての基本は「傾聴」です。カウンセラーはクライアントに寄り添い、全てを肯定し、ねぎらい、心理的安全な関係を築いていきます。それからクライアントが本来の自分を見つめていきます。弱い自分も認めたくない自分も見ていくことになるので相当な覚悟と勇気がいります。一人でするのは不安だし諦めそうになる、そんな時そばで支えて一緒に考えてくれる人がカウンセラーなのです。
本来の自分を見つけると「やっと出会えた」という気持ちになります。「自分らしい」という言葉よりももっと「これは自分だ」という感覚。そこまでくるともう自分に嘘はつけなくなるので、それはそれで生きづらくなるかもしれませんが、心はすっきりとして、自分が好きで、自分を信じる気持ちが揺るがないものになっていくと思います。


「日本語教師のためのメンタルヘルスケア」講座は終了しましたが、ありがたいことに「時間が合えば受けたい」「またやってほしい」という声をいただきましたので、11月に再度、同じ内容のものを昼と夜で開催します。下記のリンクからお申し込みできますので、興味を持たれた方は詳細だけでもぜひご覧ください!

・「日本語教師のためのメンタルヘルスケア」講座
11/23(木)祝日14:00~15:00pm JST

11/29(水)20:00~21:00pm JST

・オンラインでカウンセリングをしています。こちらはプライベート・カウンセリングです。ご都合がいい時に予約して受けることができます。
*相談状況によっては、医師や社労士など専門家を紹介することがあります。










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