宝物とガラクタ。
1月5日(金)2018
2tトラック2台で、大々的に
東京から愛媛に引き揚げてきたのが2008年。
たまたま、獺祭忌、糸瓜忌
(正岡子規の忌日)の前日に松山に到着し、
松山は子規のあれこれの行事で
各所にぎわっていました。
幼稚園と中学が一緒だった
同級生のマンションに泊めてもらい、
わたしの今後を画策し倒したのは、
もう一昔前のこと。
愛媛のことなら何でも知る友人は、
今も、要所要所で頼りにしてます。
いきなりですが、正岡子規は童貞のまま
死んじゃった説の立場な、わたしです。
ついでに言うと、たぶん(たぶんですが)
わたしのまわりはバージン女史が
複数いると見受けます。
いずれも仮説です。あくまでも仮説です。
どっちだっていいじゃない、と思うし
童貞処女は、巨大なときめきが待ち受けている
と、すてきに思えるのは、わたしだけかな。
通過体験があってもなくても、せつなさに
変わりはないのですから。
さて。田舎のこと。
翌日から、実家での田舎暮らし。
農業もやっちゃうもんねー、と
気合が入ってました。
田舎に骨を埋めるつもりで、
茶道具、着物などなど
片付けまくりまくっていましたのです。
いろんな忌まわしい出来事に疲弊しきって
芯の芯、髄の髄まで疲れ果てて
恐怖していた体を
いい年して、みっともないのですが、、
父母のあいだに川の字で寝たい
と、願い出て、いくつかの晩は、
そんな赤子のたわごとのような態勢で
寝起きしました。
田舎に帰って数日後、いい年の親子三人で
夕飯を食べながら見ていたニュースは
リーマンショックの話題。以来、連日、
リーマンショック、ショックばかり。
続々と、カメラマンやデザイナーが
東京から田舎に帰ってきたようでした。
そして。
まさかの母の急逝。文字通り、急、逝。
引き揚げて1か月余りでの出来事。
人生丸ごとジェットコースターすぎて
自分で自分の人生についていけないというか
自分が自分に引きずり回されてる感じでした。
つい最近まで。
けっきょく、TVでみた九星気学の占い師の、
電話での鑑定を参考にしようと思ったら
、、、、、まさかの、、、、、東京?!
挫折した地に戻る気など、さらさらなく
1ミクロンも選択肢にはなかったので、
まあ、かなり困りましたね。
何かに背中を押されるように、いろんなことが
勝手にぐるぐる回って、気づいたら
新所沢のカフェで
ランチ作ったり、メニュー作ったり
することが決まり、まさかまさかの再上京。
博多の茶友の、極度の
お節介が功を奏しました。
「早かったね、おかえり」という人や
「帰ってくると思ってた」と
言ってくれる人には
自分のことがわかってないねー、とも
ぶつくさ言われ。
地べたから始まったハタチの
アシスタント時代同様、
またゼロからのやり直しでした。
そういう理由で、、十年ほど
大部分の荷物が実家で凍結しておりまして、、
それを解凍したら、たいへんな
とっ散らかりに。汗
母の亡骸を棺桶に入れるとき、親戚の大ボス的
おばちゃんが、わたしに指令を下します。
「〜ちゃん! お母さんの着物が
なんかあるはずやから持っとおいで!」と。
何のことだかわからないまま、
九州の従妹に促され
果たして、、、、、おばちゃんが
言ってる意味がわかりました。
母は、ちゃんと死に支度に
取りかかっていたのですね。
今回、荷物をひっくり返して、
まずは何があるか
確認作業だけで時間がつぶれましたが
父の分も、(棺桶に入れる用の着物)
出てきました。
探していたものが出てきたり、
別のところだったり。
洋裁和裁が好きというか、母の得意
だったのですが
布の山、山、、わたし用の
(調べたら1万円以上する)
布用の鋏や、未使用のミシンとか。。
母には申し訳ないけど、
売りさばくつもりです。
母の思いだけは、ひしひしと
伝わってくるのですが
それもまた母の独りよがりな思い入れもあって
うれしさとせつなさの
何とも言えない気持ちに
なってしまうのですよね。
使わない金目のものを
仕分けするだけで時間切れ。
和布や洋布?は捨てられないので
誰か引き取ってもらえる人を
探そうかと思います。
どれがゴミでどれが宝なのかが、
わたしには不明なので。
ほとんどゴミという気もしますが
、、捨てる勇気が
今は、まだ、ないのです。
死んでしまうと、
チラシの裏に書いた母の字や
ほんとうにクズみたいなものまで
すべて形見に思えて仕方がないのです。
これもまた、怪我の快癒に似て、時ぐすりが
必要なのだと言い聞かせています。
宝かガラクタか。
玉石混交を見抜く、見通すチカラは
とても大切。
いわゆる審美眼ってやつ。
美術館で、見る。
できれば、触われるともっといい。
なにを本物と呼ぶかは、
この際、脇においといて
とにかく、本物と呼ばれるものを
いっぱい見ることが、見る目を鍛えるのだと
今は、そう信じてます。
和に親しんで運を開く。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?