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失敗に妥協することのない関係が強い組織をつくる

人は一人で実現できることには限界があります。
そのため、同じ目的の実現を目指す人たちと組織をつくります。

その組織において、失敗を安易に美化していまう傾向があると思え危惧しています。

そもそも失敗には質があります。

失敗を成長するための伸び代と捉えて、それを学びとするなるならば、価値のある失敗です。
対して、学びのない失敗、あるいは学ぼうとしない価値のない失敗は許されるものではありません。

もし、組織内で、価値のない失敗が繰り返されるようなら、組織は、次第に劣化して崩壊してしまうかもしれません。

「人間関係の甘さじゃないか。こういうミスが許されているチームで、日本一になる可能性はないでしょう。
簡単に平気でミスをする人たちがいて、それを許し合う仲間がいて・・・そんな緩いチーム、勝つわけないだろう。
『ふざけんな!』って、なんで言えないんだ。
それは、その人の責任なんだと言えないまま、うやむやにしているチームが成功するわけないだろう。
それは、やっぱり、人と人の関係の甘さだろう。」

これは、多くの有力選手を育てあげたバレーボールの名門、下北沢成徳高校 バレーボール部 元監督である小川良樹 氏がチーム論を語った時のものです。

バレーボールは、ミスをしない方が勝つとまでいわれる繊細な競技です。
そのミスに対しての考え方を諭されたのかと思います。

共有する目的を実現しようとするならば、さらにそれが高い目標ならば尚のこと、決して互いに失敗に無関心ではならないということです。
また、互いに馴れ合いで妥協し合っていては、決して、目的を実現することはできないと思います。

その意味でも、失敗から何を学ぶのかが非常に大切です。
時には価値観の食い違いからの衝突も必要なのだと思います。

チームビルディングのプロセスを体系化させたものにタックマンモデルがあります。
タックマンモデルでは、組織を形成してから実際に機能するまでに、5つのステージをたどるとされています。

ステージ1:形成期

組織の結成初期の組織を構成する個々のコミュニケーションが取れていない不安定な状態

ステージ2:混乱期

組織としてあるコミュニケーションが取れ始めるものの、価値観に食い違いが生じ衝突する状態

ステージ3:統一期

価値観が統一されることで、互いを理解し合えたコミュケーションが安定した状態。

ステージ4:機能期

安定したコミュニケーションの状態を基盤として、より高い成果を求められる高いパフォーマンスが発揮できる状態。

尚、タスクフォース(限定)組織の場合は、目標の達成や期間の到達によって、ステージ5としての散会期を迎えることになります。

実際には、単純に、形成期→混乱期→統一期→機能期と右肩あがりにチームビルディングが成されるものではありません。

組織とは、人間で形成されている以上、正に、生きものです。
統一期から混乱期に戻ったり、機能期から統一期に戻るどころか、混乱期にまで戻ってしまう場合もあります。
むしろ、順風満帆にプロセス通りに進む方が少ないと考えます。

大切なのは、混乱期を如何に短期間で脱出できるかだと考えます。
ここを脱出できないと、タックマンモデルにはない崩壊期を迎えることになりかねません。

逆に、混乱期を経験して機能期を迎えた組織は、雨降って地固まるではありませんが、より高いパフォーマンスを発揮できる組織になり、目的の実現に近づくことができるのかと思います。

失敗に妥協することのない関係が強い組織をつくります。

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