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組織における知覚 感情 思考の伝達 #04 コミュニケーション

人は、社会やコミュニティ、または個人の特定ニーズを満たす上で、一人で成し遂げることができることには限界があるために、何らかの組織を形成します。

そのために、欠かせないものがコミュニケーションです。
コミュニケーションとは、社会学的には、社会組織の中で、それを形成する人たちの間で行われる知覚、感情、思考の伝達と言えます。
また、心理学的には、自分自身との対話もコミュニケーションとも言えるようです。
つまり、優れたコミュニケーションとは、人から人に知覚、感情、思考などの情報が正確に伝わることと解釈されます。

対して、コミュニケーションが良好ではない状態をミスコミュニケーションといいます。
人間は、実際の体験を五感と呼ばれる視覚、聴覚、触覚・味覚・嗅覚から脳へ情報送り込みます。
この際に、全て体験を完全に網羅した情報を深層構造」といわれます。
しかし、人間は、「深層構造」から発信する情報や受信する情報に無意識にフィルターを掛けてしまいます。
そのフィルターが、コミュニケーションを阻害する要因である省略、歪曲、一般化です。

省 略:自分が持っている情報の全てを伝えていない。

歪 曲:事実のありのままではなく、自分の解釈を加えた情報を伝えている。

一般化:一部の情報を、あたかも全体の情報であるかのように、決めつけて伝えている。

結果、伝わった情報は、表層構造といわれ、結果、ミスコミュニケーションを誘発させてしまいます。
更に、このミスコミュニケーションがエスカレートするとモンスター化とも言えるラジカルフィードバックに陥ってしまう危険性もあります。

省略、歪曲、一般化ですが、翻せば、組織内の人間関係から排除できたらコミュニケーションが向上するともいえます。
しかし、そこは、あくまでも機械ではなく、個々に異なる感情や価値観を持った人間だからこそ容易なことではありません。
故に様々なコミュニケーションに関わる多くの心理学や理論、手法などの研究が成されているのだともいえます。

まず、前提となるのが、マインド(意識)です。
日頃から組織内での公務による立ち振る舞いや言動によって、信頼関係(ラポール)を築くことが大切です。

例えば、自分に要件のある時だけ接触するのではなく、普段から接触回数を増やすことでコミュニケーションが向上するといわれているのが単純接触効果です。

また、自分自身がどんな人間かを相手に晒す行為を自己開示といいます。
自己開示することで、相手も自己開示に応じるようになり、コミュニケーションが向上することが自己開示効果です。

単純接触効果や自己開示効果によって、信頼関係(ラポール)を築くのは第一歩と捉えるべきです。
故に、懇親会やサークル活動など、私的な交流そのものはコミュニケーションではありませんが、前提となる信頼関係を築くためには絶好の機会となる訳です。

また、コミュニケーションの法則とも言われるものにメラビアンの法則があります。
これは、統計によって導き出された概念であって、Eメールなどの言語(Verbal)だけだと、7%しかコミュニケーションの条件が整わないとされています。
そして、電話などの言葉を用いた会話(Vocal)となれば、45%(7%+38%)が整います。
さらに、対面(Visual)した「自己開示効果」、「単純接触効果」などの行動が伴う会話となって、やっと100%(45%+55%)のコミュニケーションが成立する可能性、条件が整うと言うと言われています。

メラビアンの法則で勘違いしてならないのは、言語よりも会話や対面が優れているということではありません。
そもそも、コミュニケーションの基軸となるのが言語です。
つまり、自分の主張に対して論拠を持って説明できなければなりません。

その他にも、相手と話すスピードやトーン、話題や感情などに寄り添って共感することで、コミュニケーションを向上させるペーシングなど様々な手法があります。
しかし、どれも、上辺だけの手法では通じません。
何度も言いますが、人には感情がありますので、その感情部分で共感できてこそのコミュニケーションです。

一人で生きることは不可能である人間にとって欠かせないものがコミュニケーションです。
また、組織が成果を出すためには、必ず、良好なコミュニケーションが必要となります。
故に人間社会にとって、永遠の課題なのだと考えます。

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