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利益を得るより損失を被らないことを選んでしまう #70 損失回避の法則

現代では、様々な場面でマインドやメンタルという言葉が使われています。
これほどまでに注目されているのは、目的や目標を達成するために欠かせないものだからです。

目的や目標を達成するには、膨大なエネルギーが必要となります。
そこには、フィジカル、スキルも重要ではありますが、最終的には、強いマインドやメンタルが欠かせません。

メンタルとは、心や精神そのものではなく、そこに関連する状態や調子ですので、その時々で、好不調があるのが当たり前です。
失敗ばかりを繰り返すことで自暴自棄になってしまうと、メンタルはマイナスな状態に陥ります。このような状態が続くと、マインドはネガティブとなり、何をしても良い結果が得られなくなります。
そうなると、行動することで得する可能性があるのに、失敗することを恐れて行動できくなりがちです。

そもそも、人の心理傾向を示したものに損失回避の法則(プロスペクト理論)というものがあります。
人は、利益と損失を天秤にかけた場合、利益を求めるよりも、損失を避ける方を選択する心理傾向です。
つまり、成長するためのポジティブな感情よりも、失敗した際のネガティブな感情の方が行動に及ぼす影響が強いということです。

結果的に、成長を求められても、現状を現状のまま維持したいという無意識の欲求でもある現状維持バイアスを生じさせてしまいます。

しかしながら、現代は、VUCA(ブーカ)時代と表現されたりもする通り、変動性(Volatility)、不確実性(Uncertainty)、複雑性(Complexity)、曖昧性(mbiguity)な経営環境にあります。

その経営環境下では、現状維持とは、衰退であり、損失を被ることであるといっても過言ではないと思われます。
まずは、この現実を理解することが大切です。

ことわざに「虎穴に入らずんば 虎子を得ず」があります。
その意味は、「危険を冒さなければ、望みのものは得られない」ことです。
とはいえ、生命の危険があるともなれば容易に虎穴に入ることはできないかと思います。

問題は、損失の価値観の違いなのかと思います。
つまり、利益と損失を天秤にかけるのではなく、チャレンジすることで失敗した時の損失と、チャレンジしなかったことで成果を得られなかった時の損失を天秤にかけるのです。
あとは、損失の大きい方を回避するための行動を取ることとなります。

また、組織においては、チャレンジを後押しする環境をつくり、メンタル的な不安を排除することが大切です。
その意味でも、闇雲にチャレンジを求めるのではなく、仮に失敗したときでも、その損失を回避させるリスクヘッジ策を事前に用意しておくことも大切です。
但し、漠然と失敗を繰り返すことは許されることではありません。
仮に失敗したとしても、その経験を次に活かして、新たなチャレンジを繰り返すことが大切です。

不安定なメンタルですが、ポジティブな行動を繰り返し、プラスの状態に保つことが出来るようになると、いずれポジティブな信念や価値観に変わってきます。
つまり、これがマインドであり、ポジティブなマインドにマインドセットさせることとなります。

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