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最高のパフォーマンスをもたらすバランス #27 心技体

何か高い価値のパフォーマンスを発揮する場合は、価値の高い物事や重要な物事には、単一的な要素だけではなく、複数の要素が絡み合っている場合がが多いと思われます。

武道の世界で良く使われる言葉に「心 技 体 (しん ぎ たい)」があります。
諸説ありますが、語源は、明治時代の 柔術の教えの一つとされています。

この言葉を私に教えてくれた方は、大切な順に並べられているのだと話してくれました。
どんなに強靭な身体でも、そんなに優れた技術でも、精神力が弱かったら強くはならない。
故に心が一番大切であり、次に技、そして体なのだと、私自身も長く、そのように捉えていました。

しかし、後に、この言葉の語源を知ることになります。
語源では、「心 技 体」と並べられた順番ではなく、 一、身体の発育 二、勝負術の鍛錬 三、精神の修養 とされていました。

つまり、高いパフォーマンスを発揮し、成果を得たいのであれば、まずは、身体が大切ということです。
病気や怪我をしてしまっては、元も子もありません。
そして、その身体に上積みするかのように稽古を通して、技を積み上げて行く。
逆に基礎がしっかりしていない身体には、技は積み上がらないともいえます。

そして、どんなに強靭な身体や優れた技術を持っていても、それを最善活用できる心がなければパフォーマンスは高まらないということです。
これは、身体の状態、つまり行動によって精神がコントロールされることである「エンボディメント(身体性)」にも通じる概念なのかと考えます。

「心 技 体 」とは、文字にすると横並びです。
しかし、その関係性は、決して、横並びの言葉ではなく、縦に積み上がっている言葉なのだと改めて悟りました。

高いパフォーマンスを発揮するには、三要素が、互いに、どの様な在り方で干渉し合っているのかを理解することが大切です。
その上で、どれが一番、重要なのかではないのだと思います。
自分の得意、不得意を理解し、その時々の最善策でバランス良く活用することが重要なのだと考えます。

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