戸羽

薄暗い感じの詩を少しずつ投稿していきます(しばらくは過去作のサルベージ) twitte…

戸羽

薄暗い感じの詩を少しずつ投稿していきます(しばらくは過去作のサルベージ) twitter:@lustrashdate

記事一覧

クライ日天気

かなしいときがある こころがいたいとき よくわからないけど とにかくかなしくて どうしようとおもう どうにもならないが かなしい かなしい かなしい かなしい で…

戸羽
5年前

ヒトゴミ

街中で火を放った男がいた 歩く人々に火をつけた男が 捕らえられた男は悪びれもせず さも当然の事であるかのように 寧ろ邪魔をされたと憤慨しながら 集まる人に動機の弁明…

戸羽
5年前
1

ガラクタビレタ

アレ この時計はなんでまた 電池が外れているのかな? アレ この人形はどうしてだろう 後ろを向けておいてある アレ この壁紙は隠されたように 赤ペンだらけの暦の下に …

戸羽
5年前
1

十人九色

十人ひとが生きていて 十人みんなちがうひと 十人それぞればらばらだけど ちがうところがおもしろい みんな同じじゃ少し足りない なんて理由じゃないのだろうけど 十…

戸羽
6年前

はじめてしまうと

はじめてしまうと つづかないことに気付く そしていつか終わりがある それはずいぶんよく知っている だから ひとつめをこぼすのは いつもとても勇気がいる ふたつめは め…

戸羽
6年前

あなた

あなたのことを考えて わたしはわたしを考える わたしのことばをあなたに託し わたしはわたしをひたすら虐める たくさんいる「あなた」は皆 ほんとうはやさしいひとばかり…

戸羽
6年前

御願い

そうやって何かにとらわれて 椅子に腰掛け俯いているのは 偉いですか 過ぎ行くものに追い立てられ 何も考えていないのは 愚かしいですか チラシの裏に憾みつらみを 書い…

戸羽
6年前

恥知らず/詩人

生まれいずる感情を 丸裸で訴えるだけなら 子供となんら変わらない 狡猾に言葉を隠しても 卑屈なその上目遣いは 乞食となんら変わらない 訴えるからにはその相手が 視線を…

戸羽
6年前
2

迷い路の雨

白い紙のまぶしいことに 思わず涙がこぼれる日には ペンを持ってもことばが出ない 広い野で迷ってしまったように 帰りたいということと 帰りたい場所とは しっかり覚えて…

戸羽
6年前

ちいさくもある

此の木に一枚と葉の無き頃に 確に此の手が渡した箱が 此の木が鮮緑に安らいだ今 確に其の手から此の手に渡った 勿論 乞うことすら望まなかった 理の無い由であった 惑え…

戸羽
6年前

さわがしさについて

一 なにも見えなくなってしまってくれ なにも聞こえなくなってしまってくれ うとましいのではない さわがしいのだ 四六時中耳を撫でる音、音、音、音 どこを見渡して…

戸羽
6年前

君が恋いと僕は知り 君の恋を僕は知る 君の恋いを君知らず 僕の恋も君知らず 僕の恋を君知れば 君の恋も君は知る 君よ知るなよその恋を 君よ痴れるなその恋に

戸羽
6年前

反骨

転がる骨一つ拾い上げて 君は何を語るって言うのさ 誰のものかも何故骨なのかも どうして落ちてたかっていうのも よくみれば何故か短いことすら 君の知ったことではないの…

戸羽
6年前

とるに足らない

くだらないことを言うのに 僕は君の前で動けないままだ とるに足らないこの言葉に 拾えるくらいの価値を足して とるに足るよう君を足して 繋がりたいと期待するのに …

戸羽
6年前

無料(タダ)の批判/二十八

白い手指と 黒い手指 伸びてくるよ 僕の躯へ 闇の中から 煌きから よく見えない だけど感じる 皮膚を滑ってるだけなのに 何かに浸されてゆく心地だ 骨の盃(サカズキ) 盲…

戸羽
6年前

逆冠王子様

彼は全てを持っていて しかし全てを知りえずに 彼は全てを持てあまし 少しだけ知っていた 私は少し持っていて だから少し知っていた 私は多少欲しがって 大体のことを…

戸羽
6年前

クライ日天気

かなしいときがある こころがいたいとき
よくわからないけど とにかくかなしくて
どうしようとおもう どうにもならないが

かなしい かなしい かなしい かなしい

でもわたしはへいき なぜかへいきなまま
そしてへいきなまま いつかしんでしまう

いたいよ いたいよ いたいよ いたいよ

きっときのせいだと もうきこえないよと
むししておけいつか なにもいわなくなる
なにもいえなくなる なにもできな

もっとみる

ヒトゴミ

街中で火を放った男がいた
歩く人々に火をつけた男が
捕らえられた男は悪びれもせず
さも当然の事であるかのように
寧ろ邪魔をされたと憤慨しながら
集まる人に動機の弁明をしていた

「ゴミに火をつけて何が悪い
 お前らが棄てやがったのを
 おれが燃してやろうとした
 そのどこが悪いというんだ
 感謝されこそこんなふうに
 縛られる筋合いなどないぞ」

お前が言うその「ゴミ」とやらは
まさか人をさすので

もっとみる

ガラクタビレタ

アレ この時計はなんでまた
電池が外れているのかな?
アレ この人形はどうしてだろう
後ろを向けておいてある
アレ この壁紙は隠されたように
赤ペンだらけの暦の下に
アレ このマグカップの周りに
山と積まれた薬の空箱

好きで集めたイロイロなもの
部屋を埋めてるその好きなもの
誰ですゴミと入れ替えたのは!
ガラクタだけが散らかって…

ネエ 好きなものたち何処へと
ゴミ箱さらえど見つからない
ネエ

もっとみる

十人九色

十人ひとが生きていて

十人みんなちがうひと

十人それぞればらばらだけど

ちがうところがおもしろい

みんな同じじゃ少し足りない

なんて理由じゃないのだろうけど

十人十色である世界

だけどその中二人くらいは

一組くらいは同じ人が

いたら素敵な十人九色

満ち足りてると怖くなるから

少し足りないくらいがいい

そんなロマンチシズムを誰か

一人くらいは持てばいいのに

私と他にもう一

もっとみる

はじめてしまうと

はじめてしまうと
つづかないことに気付く
そしていつか終わりがある
それはずいぶんよく知っている

だから
ひとつめをこぼすのは
いつもとても勇気がいる

ふたつめは
めったに落とすことはない
これは泣くほど命がいる

みっつめは
まだやったことがない
はじまっていなかったことを知るのは
死ぬほど涙がいる

こわいことは
はじめること
つづかないこと
終わりがあること

こわいこと
はじまってすら

もっとみる

あなた

あなたのことを考えて
わたしはわたしを考える
わたしのことばをあなたに託し
わたしはわたしをひたすら虐める
たくさんいる「あなた」は皆
ほんとうはやさしいひとばかりなのに

あなたをそんなにしたことで
わたしはほんとうの悪人になる
ひとにやさしくされるとだから
それはとてもつらくなる
そのやさしさを手離せず
そのやさしさを壊してしまう
そんな自分がにくくていやで
今日もわたしはわたしを虐める

御願い

そうやって何かにとらわれて
椅子に腰掛け俯いているのは
偉いですか

過ぎ行くものに追い立てられ
何も考えていないのは
愚かしいですか

チラシの裏に憾みつらみを
書いてる暇があるんなら
適当にでも働いてください

振り返ったまま立ち止まらないで
嘆いてわめいて座り込まないで
自分の血を見て満足する前に
他人の痛みに気付いてください

生きている意味を
生まれてきた意味を
たかだか人間に求めないで

もっとみる

恥知らず/詩人

生まれいずる感情を
丸裸で訴えるだけなら
子供となんら変わらない
狡猾に言葉を隠しても
卑屈なその上目遣いは
乞食となんら変わらない
訴えるからにはその相手が
視線をつかわすならその先が
自ずからあらわれてくるじゃないか
誰かに何かをしてもらおうと
何かを施してもらおうと
たくらむ心が手繰り寄せた
鎖につながれた「優しい人」が

子供の身勝手を小馬鹿にしつつ
乞食のみすぼらしさを軽蔑しつつ
「優し

もっとみる

迷い路の雨

白い紙のまぶしいことに
思わず涙がこぼれる日には
ペンを持ってもことばが出ない
広い野で迷ってしまったように
帰りたいということと 帰りたい場所とは
しっかり覚えているのに
路がわからない 途方にくれる
だれも隣にはいてくれない
心細くて
帰りたくて
木でさえも隣にはいない
土もある 草もあるけど
よりかかり抱きしめることはできない
空もある 雲もあるけど
いだかれたいのではなくいだきたい
はなさ

もっとみる

ちいさくもある

此の木に一枚と葉の無き頃に
確に此の手が渡した箱が
此の木が鮮緑に安らいだ今
確に其の手から此の手に渡った
勿論 乞うことすら望まなかった
理の無い由であった

惑える心持を只管抑えて如何を問えば
面は白々しいまでに明るく そして真に白く

「ちいさくもある」

白紙に似た返答の由でさえ不解としながらも
決て表より語らず返した

「だが おおきいはずだ」

君に一つ御願いが在る
事始める前の一言を

もっとみる

さわがしさについて



なにも見えなくなってしまってくれ

なにも聞こえなくなってしまってくれ

うとましいのではない

さわがしいのだ

四六時中耳を撫でる音、音、音、音

どこを見渡しても美しい光にあふれ

さわがしいさわがしいにぎやかな世界

音も光もなにもかもすべて

一切合財消えてほしい

少しの間だけでもいいから

少しの間だけがいいから

そうでなきゃ

そうでなきゃ なんにも聞こえやしないんだ

もっとみる

君が恋いと僕は知り

君の恋を僕は知る

君の恋いを君知らず

僕の恋も君知らず

僕の恋を君知れば

君の恋も君は知る

君よ知るなよその恋を

君よ痴れるなその恋に

反骨

転がる骨一つ拾い上げて
君は何を語るって言うのさ
誰のものかも何故骨なのかも
どうして落ちてたかっていうのも
よくみれば何故か短いことすら
君の知ったことではないのに

社会が適当に作られていないと
その骨しめしてわめき散らすかい?
お前が社会に不適当なだけと
鼻で笑われあしらわれるだけ
誰も拾えぬ急いた世間と
その骨掲げて立ち向かうかい?
お前と違って暇ではないと
蔑みの目を向けられるだけ
骨何

もっとみる

とるに足らない

くだらないことを言うのに

僕は君の前で動けないままだ

とるに足らないこの言葉に

拾えるくらいの価値を足して

とるに足るよう君を足して

繋がりたいと期待するのに

僕は君の前で動けないままだ

とるに足らないこの願いは

君が僕の手を取ることで叶った

とるに足らない色々なものは

とれば足るということを知った

無料(タダ)の批判/二十八

白い手指と 黒い手指
伸びてくるよ 僕の躯へ
闇の中から 煌きから
よく見えない だけど感じる
皮膚を滑ってるだけなのに
何かに浸されてゆく心地だ

骨の盃(サカズキ) 盲(メシイ)の酒
並べられて 壊されていく
そして欠片が その雫が
沈んでくる 僕の躯へ
逃げ出すことは可能だけど
声まで凍らせ動かないまま

善いとあること 誉れなこと
定義不明 幸(サイワイ)のもと
善くないとある 恥ずべきこ

もっとみる

逆冠王子様

彼は全てを持っていて しかし全てを知りえずに
彼は全てを持てあまし 少しだけ知っていた

私は少し持っていて だから少し知っていた
私は多少欲しがって 大体のことを知っていた

彼が冠を逆さに被る 誰もそれを咎めない
彼の冠は逆さのまま 気付かないのではなく知らないから
だけど私は少し知っていて それが逆さと知っていて
彼に跪いて直してみた 彼は初めて逆さと知った
周りのものは驚いて 私を引っ立て

もっとみる