無料(タダ)の批判/二十八

白い手指と 黒い手指
伸びてくるよ 僕の躯へ
闇の中から 煌きから
よく見えない だけど感じる
皮膚を滑ってるだけなのに
何かに浸されてゆく心地だ

骨の盃(サカズキ) 盲(メシイ)の酒
並べられて 壊されていく
そして欠片が その雫が
沈んでくる 僕の躯へ
逃げ出すことは可能だけど
声まで凍らせ動かないまま

善いとあること 誉れなこと
定義不明 幸(サイワイ)のもと
善くないとある 恥ずべきこと
定義は不可 人の侵害
皆がそれを考えるのに
僕は只指に踊らされてる

強き者達 搾取の主(アルジ)
全て奪う 誰かを弑し
弱き人々 常の犠牲
知ることすら その手を離れ
皆がそれに喘いでるのに
僕は知っていて生贄となる

僕の心は 何処にも無く
肯定され 『ヨイコト』をして
否定されれば 何もしない
白か黒か 知らない指に
指し示されてる事柄に
考えることなく従うだけ

殺されたとて 文句もない
殺したとて 後悔しない
面倒は避け されるがまま
肉は削がれ 皮膚も剥かれて
骨になってしまった僕は
誰かの流した赤い血を飲む

悪戯に徒に批判
これは只無料(ムリョウ)の批判ですよ

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