反骨

転がる骨一つ拾い上げて
君は何を語るって言うのさ
誰のものかも何故骨なのかも
どうして落ちてたかっていうのも
よくみれば何故か短いことすら
君の知ったことではないのに

社会が適当に作られていないと
その骨しめしてわめき散らすかい?
お前が社会に不適当なだけと
鼻で笑われあしらわれるだけ
誰も拾えぬ急いた世間と
その骨掲げて立ち向かうかい?
お前と違って暇ではないと
蔑みの目を向けられるだけ
骨何故短い? 君は知るかい?
草臥れ儲けて損して折れたからさ
骨何故落ちてた? 君は知るかい?
同じく社会に叛いたからさ
骨何故骨か? 君は知るかい?
最後に負けてしまったからさ
骨誰のもの? 知らないだろう
ただ僕だけが知っている

骨誰のもの 知るはずがない
皆が知らぬと背を向けた日に
生まれた骨の名前を誰が
持ち物一つ 残し書一つ
残さず逝った名前を誰が
括った縄と着ていたボロも
既に燃やされ灰と流れた
そんな名前も持たない骨を
義理も持たない君が拾う
何も知らずに両目を濡らし
僕を知らずに言葉を作って
骨の意味だけ探って語るか
傲慢なことは誰もが同じだ!

…同じ 同じさ 傲慢なのは
僕は世界で一番不遜だ
誰と比べても脆弱なのに
口先だけで叛き続けて
骨を温かく濡らした君に
手拭いひとつ差し出せない
優しさひとつかけられない
名前ですらも告げられない

転がる骨一つ拾い上げた君に
僕が何を言えるって言うのさ
誰のものかも何故骨なのかも
どうして落ちてたかっていうのも
よくみれば実は短いことすら
君の知ったことではないのに
それでも拾ってくれた君に
たかが反骨が一体何を

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