現代人が身につけるべき哲学的思考|【武器になる哲学】
どーも!
わーさんです!
日曜日ですので、#2021年に読んだ本の紹介 をしていきます。
4月に入りまして、
今年に入って12本の紹介記事を作ってきました。
その中から、一冊でも読んでいただけていたら嬉しいです。
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『武器になる哲学』
山口 周
現在なら、Kindle Unlimitedで読み放題の対象です。(2021年4月3日時点)
著者
山口 周(やまぐち しゅう)
・1970年生まれ
・慶應義塾大学文学部哲学科卒業、同大学院文学研究科美学美術史学専攻修士課程修了。
・独立研究者、著作家、パブリックスピーカー
本書の概要
・現代に生きる「哲学思考」
・哲学をどのように受け入れ、変化させるには?
今回は、50のキーセンテンスがあるなかで、私がよかったと思うモノを「3つ」紹介します。
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■「ルサンチマン」 フリードリッヒ・ニーチェ
ルサンチマンというのは、簡単に言えば「やっかみ」です。
相手に対する、
妬みや僻みと言ったものです。
例えば、誰かが手に入れたモノに対して
「それはおいしくない」
「どうせ、大したことがないものだ」
と言ったように、
自分自身で勝手に価値を下げてしまう行動のことです。
この思考の問題点として、
勝手に上下関係を作ってしまい、
価値観をわざわざ転倒させてしまうということが問題なのです。
本書の例でもあるように
「高級フレンチなんて行きたいと思わない。サイゼリヤで十分だ」(p.77)
という例えがあります。
一般人の視点から考えれば、それが普通の意見だと思いますが、ここで考えるのが「高級フレンチが格上で、サイゼリヤが格下」と決めてしまっている点が問題なのです。
これは「高級フレンチで食事=成功者」という価値判断を転倒させたいというルサンチマンが働いていることになるのです。
普通の言い方であれば「サイゼリヤが好きだ」でいいのですが、それだとルサンチマンが解消されないのです。
そのため、このような言い方が生まれるのです。
これを踏まえて大切なことは、
「感情とそれを喚起する行動パターンを理解する必要性がある」ということが大切になってきます。
ルサンチマンを意識的に理解すること
そして、どちらかに上下関係があるのではなく、
自分自身の意見を持つことが大切であると私は読んで感じました。
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■「悪魔の代弁者」 ジョン・スチュアート・ミル
悪魔の代弁者とは「多数派に対して、あえて批判や反論をする人のこと」です。
特に日本人気質だと、上下関係や年功序列に則り、自分より立場の高い人の意見がすべてであると思いがちです。
そのため、立場の低い人や若い人の発言力や決定力がなく、上の人間だけの意見で決められてしまうことがあります。
そんな時に、立場の強い人の多数派に乗っかるのではなく、自分の意見を持って反論することが大切なのです。
また、権力というものをメインに考えると、
わかりやすいのが「政治家」だと思います。
今現在のウイルス対策。
どの程度が正しい判断なのかわかりませんが、いかにも政治的権力の影響によって動いているとも感じ取れます。
これはあくまでも私の意見です。
そんな時に、政治家に対して「悪魔の代弁者」のように反論意見を気持ちよく言える人が多く増えて欲しいとも思います。
・・・
考えというものは、それがすべてではなく、
時間をかけて、熟成されていくものだと思っています。
そのため、「偉い人の意見がすべてだ」ということは絶対にないのです。
その時の状況、
時代によっても変化します。
その部分を考慮して考えないといけません。
そんな時に、反論してくれる人が
いることはとても大きなことなのです。
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■「パラノとスキゾ」 ジル・ドゥールズ
この言葉は、浅野彰氏が著書『逃走論』の中で紹介して、有名になった言葉のようです。
私も知りませんでした。
この言葉を取り上げた理由としては、
今の日本社会の構造に似ていると思ったからです。
まず、言葉の意味ですが、
パラノはパラノイア=偏執型
スキゾはスキゾフレニア=分裂型
この2つに対するキーワードは「アイデンティティ」
つまり、自分自身のことです。
パラノは「有名大学を卒業して、一流企業に勤め、高級住宅街で生活する自分」と言った、アイデンティティを持っている人になります。
これを他者からみれば、「一貫性のあるわかりやすい人格・人生」ということになります。
では、反対にスキゾにはこのアイデンティティは当てはまりません。
スキゾは型にハマることなく、
その時の直感や嗅覚を大切にして行動します。
・・・
ここから、現代社会について当てて考えると、パラノ型であれば「今の形で正しいから変える必要がない」という考えが強いため、大きな変化が起こってもなかなか変えることができません。
反対に、スキゾ型の場合であれば、
その時の状況に応じて、変化することができます。
昨年起きた、世界的なウイルスが蔓延した時に、大切になったのが「スキゾ型」の人だと思います。
どんどん行動して、違ったと思ったら逃げる。
この「逃げる」ということは、
負けという意味ではありません。
もし、本当に負けた人であれば、逃げることすら考えることができないため「動くことができない」はずです。
そのため、逃げることは素晴らしいことなのです。
日本人は、未だにパラノ型が多い傾向にあると思っています。
私自身もそうかもしれません。
しかし、これからの時代を作っていくのは、
間違いなくスキゾ型の人です。
その時の状況に応じて、止まったり、逃げたりして自分に大切なモノを取り込んで行きましょう。
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まとめ
今回は「武器になる哲学」を紹介しました。
普段、哲学というものに触れる機会は
興味がなければないと思っています。
ただ、哲学はとても思考力を使いますので、
少しだけでも触れておくと、将来的に自分を助けてくれる要素になります。
本書はその部分も考えて作られていますので、とても読みやすいです。
ぜひ、手にとって読んで欲しい一冊です。
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