怒りについて考えてみよう。
怒っても、良いことは何もない。百害あって一利なし。
怒っていると、他のことが考えられなくなる。他のことに手がつけられなくなる。仕事中なども効率が下がっていることが明らかである。心ここにあらずの状態。
怒っているとき、相手にどういう言葉を投げつけてやろうかと考えてしまって、キツい言葉が思いつく。相手を傷つけるようなキツい言葉を、ああでもない、こうでもないと考えていると、ますます怒りが燃え広がる感覚がある。なんとか理性を働かせて、思いついても実際に口にすることは少ない言葉ばかりである。けど、考えているというだけで、頭のなかで繰り返し考えていただけで、最初はそれほど怒ってなかったはずなのに、勝手にヒートアップしてしまう。ますます他のことが考えられなくなって、相手にどう攻撃してやろうか。そればかり考えてしまう。もう、暴走状態。
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怒りというのは、相手を屈服させたいという感情なのではないか。攻撃したい。傷つけたい。
そして、怒っているときは、「わけが分からないとき」ではないか。なんでその状態になっているのか分からない。相手の行動の意図が分からない。相手がなぜそうするのか、逆に、なぜそうしないのか、わからない。
なんで私の理解の及ぼないことをするんだ!説明しろ!私の理解できることをしやがれ!
相手が簡単なことをできないときも、そう。なんでこんなこともできないんだ!わけが分からない!
相手の行動が自分の理解に及ぼないから、屈服させて、支配して、自分が理解できるところに置いておきたい。
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でも怒りながら伝えると、分からないことを知りたい、相手を自分の理解の及ぶところに置いておきたいという目的はたいてい達成できない。
相手にも感情があるから。普通、反発してしまう。
言っていることは分かる。けど、そんな言い方しなくてもいいじゃん。
とりあえず面倒だから謝っとくけど、従わないからな。
相手を傷つけたいという目的だけは達成できても、相手を変えることはできない。
相手を変えるどころか、悪化することもある。怒りに任せて相手を責める。責めてみたはいいものの、相手の事情を知ったら、相手に非がないこともある。そうしたとき、どうするか。素直に謝ればいいけれど、たいてい怒ったまま逃げたほうが早い。逃げれば早いけど、相手との関係は悪くなる。場合によっては修復できないことも。
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加えて、怒りの感情は、自分と相手の2者間だけでなく、近くの人にも影響を与える。
怒っている人を見て、周りの人はいい気分にはならない。
知人が「受動ストレス」という言葉を使っていた。受動喫煙ではなく、受動ストレス。言い得て妙。
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本当に怒りってタバコみたい。自分も、周りの人も、良いことなし。百害あって一利なし。
とはいえ、怒りは人間の自然な感情。聖人でもなけりゃ、怒らなくなるなんて無理だ。
昔『禁煙セラピー』という本があった。タバコがいかに悪いことなのかを延々と語られる本だったそう。なぜタバコをやめたほうがいいのかを、繰り返し刷り込まれることで、知人にも何人もタバコを止められた人がいた。
怒りについても、怒りという感情は消すことはできない。怒りを消す方法として、「ありがとうを3回唱えましょう」「他のことをして、脳を忙しくしましょう」など、いろんなテクニックがある。
いわゆるアンガーマネジメントするなら、そんなテクニックも大事だけだけれど、まず怒りという感情がどういう悪影響を及ぼすのかを知る。逆に、怒らないことでどんな良いことがあるのかを知る。つまり「アンガーマネジメントする理由」を明確にすることが大切なのかもしれない。
■■今日の教訓(ポイント)■■
怒りは百害あって一利なしと知るべし。
■■以上■■
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