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vol.552「勝ちは人を◯◯る。負けは人を◯◯る」


ご要望に沿って、5つの小見出しを追加し、適宜改行を加えた文章を作成しました。以下がその結果です:

オリンピック代表選手の決定と期待

オリンピックの代表選手が次々と決まって メディアで抱負を語っていますね。 とりわけバスケットボール男子やバレーボール男子は 史上最強との呼び声も高いです。 長年、五輪に自力出場が適わなかった競技で (バレー男子16年、バスケ男子44年) 出場権を得るには、関係者の長年に渡る 血の滲むような創意と工夫があったのでしょう。

「勝ちは人を止める、負けは人を進める」の教訓

「勝ちは人を止める、負けは人を進める」といいます。 ウサギとカメのイソップ物語と同じで、 勝つと人はそんな自分に慢心します。 一方、負けた人は、その悔しさをバネに 地道な努力を続けます。 すると、道は開けるという意味です。

実はこのカメの道を実践しているのが、アメリカです。

アメリカと日本の大量生産競争

アメリカは、戦前からずっと大量生産大量消費の国でした。 自動車や家電製品を見ればわかる通り、 大量に作って安く売るということを展開してきました。 最初にこれを始めたのはフォードです。 フォードがベルトコンベアーを発明し、 安く作られた車は大量に普及しました。

戦後、これを真似たのが日本でした。 復興需要から高度成長時代、 大量生産方式で車をバンバン作りました。 しかも フォードの量産システムに、 在庫を持たず受注してから短納期で作る、 ジャストインタイムシステムの仕組みを組み合わせました。 さらに厳しい環境性能基準もクリアしました。

これにより、世界のどの国よりも 安く高性能な車を高収益でつくることに成功しました。 その結果、日本車は世界的に普及し、 1990年には「Japan as No.1」と言われました。 つまり、アメリカとのものづくりの 大量生産競争に日本は勝ったのです。

アメリカの戦略転換とビジネスモデルの進化

一方で負けたアメリカは考え方を変えました。 大量生産・大量消費という発想ではなく、 様々なビジネスモデルを構築するようになります。 例えば、モノの製造や物販ではなく、 無形のサービスに注力するやり方です。

有名なところで言えばIBMです。 会社四季報のIBMの欄には次のように書いてあります。 「 ITサービス世界大手。パーソナルコンピューター創成期の覇者。 1990年代の業績不振を大リストラで乗り切り、 PC事業は2005年に中国レノボに売却。 現在はソフトウェアを筆頭に、コンサルティングとITインフラの3本柱」。 このようにIBMは20年前から ハードを提供する会社ではなくなっています。

GEもそうです。四季報には以下のように書かれています。 「複合企業体の代表格で デジタル・インダストリアル・カンパニーを標榜。 祖業はエジソンの電気照明会社。M&Aで巨大化したが00年代以降、 メディアや家電、バイオ医薬関連など非中核事業を売却。 航空機リース事業(GECAS)も売却し、 金融のGEキャピタルを解散」 「現在は航空宇宙部門の受注や再生エネルギー部門の 風力タービンおよび送電関係の機能に注力している」

大量生産・大量消費ではないのです。 最先端の分野の高付加価値製品を ビフォアサービスからアフターサービスまで 丸ごと提供するソリューションカンパニーへと進化しています。

また、Apple は iphoneの性能を高め、 単価をどんどん上げています。 サブスクリプションモデルが収益の大きな柱です。 Amazon の主力はストア事業です。 が、同社の中で最も収益性が高いのは クラウドプラットフォームサービス(AWS)です。 儲けるポイントが全然違うのです

こうした工夫に辿り着いたのは、 日本との大量生産・低価格競争に負けたからです。 そして「いかに高く売るか」 「いかに安定した売上を確保するか」を 考えました。上記はその想いの結実です。

日本企業の課題と新たな戦略

ところが競争に勝った日本は、未だに大量生産大量販売の ビジネスモデルから脱却することができません。 「日本は安すぎる」と海外との価格差が叫ばれて久しいですが、 今でもほとんどの企業が単価を下げ、 大量に売るにこだわっています。

これを突き破るには、前々回のメルマガでお伝えした 厚利小売へのシフトです。B 2 Cであれば 高い値段のものを少量で売るという方向です。 吉野家とスタバを比較してみてください。 吉野家は400円前後の牛丼を一生懸命売っています。 一方でスタバは、フラペチーノを 現在700円前後で販売しています。 値段的には倍近い開きがあります。 が、両者の原価はどれくらい違うのでしょう?

また B2B では、上記の日本の勝ちパターンの真逆の 多品種少量あるいは多品種微量・単品生産を行うこと。 なおかつ、設計開発や試作などのビフォアサービス、 製造後の検査や、使用時の影響確認のアフターサービス、 短納期化などのサービスも含めて行っている企業ほど 高付加価値な経営をしています。

こうしたサービスを提供するには、
・難易度の高い依頼を喜んで引き受ける風土
・過去に製造した図面を曖昧検索できるDB化
・稼働率の低い特殊資材の在庫、加工機の保有
・高速で段取り替えができる技能者の育成
・一定レベルの検査技師が育つ社内資格認定制度
・原価積み上げ式ではなく価値追及の価格設定
などが欠かせません。

今、これらが整っている会社も、 最初からそれができていたわけではありません。 かつては大量生産の一翼を担っていました。 が、不況の影響で過去何度も大幅の減産を経験。 その度に少しでも多くの受注対応をしようと考え 顧客の無理難題に対応するうちに、 上記のような凄みのある風土や仕組みを整えたのです。

「勝ちが人を止める。負けが人を進める」は、 ビジネスもスポーツも同じ。 創意工夫が生れる源は危機意識です。 間もなく始まる五輪の男子バスケと男子バレー。 選手は、多くの関係者の悔しい想いを背負って 何十年ぶりかの晴れ舞台に立ちます。 負け続け、そこから立ち上がった組織には、 勝ち続けた者にはない凄みがあります。 それを、パリで存分に見せて欲しいものです。

実践に役立つ動画の解説

このメルマガを読んで、「自社でも取り組んでみたい」と思われた方は、以下のような疑問や質問に答えていますので、ぜひこちらの動画をご覧ください。

質問項目

  1. 負け続けている人が勝ちに転じるために必要なものは?

  2. アメリカの逆転劇から中小企業が学び取るべきことは?

  3. 顧客の無理難題に応え続けると社員の士気が下がりそうで不安です


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