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一年の振り返りとオススメ本

今月は、2023年の最終月ということもあり、今回は。一年を振り返って、その後、オススメの本を挙げていこうかなと考えてます。

しかし、一年が経つって早いですね。ちょっと前に2023年が始まったと思っていたのに…という感じもします。皆さんはどうでしょうか?自身は、先月からキャリコン、いわゆるキャリアコンサルティングを受けはじめました。

Xで、大学院の研究室の先輩で、キャリアコンサルタントでもあり、Mellow Amami の代表である平城さんがキャリコンを募集していたので、思い切って申し込みをしました。転職しようとか、独立しようとか考えてはないのですが、やはりCOTスタディツアーでの経験を経て、もう少し自分らしい生き方、働き方を明確にして、より迷いがないようにしたいなと考えたからです。最近は、オンラインで忘年会みたいなものがあり、キャリコンを受講している人同士で交流したり、他の大学院の先輩とも再会できて非常に楽しかったです。

キャリコンを実際に受けても、以下の書籍を読んでも理解できますが、キャリアを考えるというのは、浮ついたものではなく、どこか「作業療法」とよく似ています。場合や文脈によってはキャリア=作業と置き換えることができるくらいだったりします。今は、そしてこれからはVUCA、不確実な時代を生きるので、自身のキャリアや、楽しいと思うことや大事にしたいこと(作業療法では興味や価値)、ありたい姿(BeingやBecoming)を考えることは重要なんじゃないかなと思います。あと、ちょっと自身の領域でも使える部分はあるんじゃないかなと考えたりしています。

キャリコンを受けていると、作業療法を受ける側になったみたいで、自分自身を第3者を通して、深掘りして内省できるなあと実感してます。自分で、「自身に作業療法をする」という考え方もありますが、第3者がいるからこそ、より別の視点が入ってきて、理解できる部分もあるなあと感じています。上記の書籍も非常に面白いですし、学びがあるのでオススメです。

いつも通り、本題に入るまでが長いですが、ここから本題に入っていきましょう。


今年の目標の振り返り

まずはそもそも今年の目標は…以下に書いてありますね。振り返ってみることにしましょう。でもあまり達成できてない気がする…😅けど、検証していきましょう。

①論文のアクセプト

修士論文の論文化のアクセプト、これは未達成でした。ちょっと諸事情があり、途中で止まってしまった経緯があり、来年に持ち越しになってしまいました。ただ、より良い形になってきているとは思うので、来年の早々には何とか叶えたいですね。

②新しい研究の着手と論文執筆

論文執筆はできていませんが、文献レビューを行いながら、新たな研究への着手はできていると考えています。またAPOTC(アジア太平洋作業療法学会)の発表の準備をしたり、他の方の学会発表のサポートを行ったり、常に研究は生活のサイクルの中にあるんだなあと気づきます。COTスタディツアーでも、作業科学的な視点から発表をしましたね。だから甘めだろうけど、この点は達成ということにしておきましょう。今年最後に、COTスタディツアーでより仲が深まった友人の演題発表のサポートしたものが、「採択」というニュースもありましたしね。

以前は、PubMedやGoogle Scholor、OT Seeker、OTDbaseで論文検索をしつつ、Deep Lを使って、英語論文や書籍を読んで、One Noteでまとめるだけでした。しかし、最近は、DEVONthink Pro、DEVONagent Pro、Obisidianなどのアプリを導入し、GrammalyやChat GPTなどAIを使用するようになってきているので、それらをうまく使いこなせるようになりたいな、と考えています。あとは、統計とかも勉強して、量的研究も着手できるようになりたいですね。質的研究で明らかになることもあるけど、明らかにできないこともありますからね。

ちなみに、Obsidianは、質的研究ソフトであるMAXQDAという質的・混合研究に使うアプリ(高価)の代わりになりうるということを教えていただき、導入しました(おそらく質的研究に限るのだと思いますが)。このブログでは、AIを使用せずにできるだけ書いていて、生成AIは欧州をはじめ、日本でも様々な問題点が指摘されており、使用に際してちょっと心理的抵抗もあったのですが、倫理的な問題を起こさない程度に、便利で使えるものは使おうと考えてます。

③小さなアクションの準備と実行

これは友人に依頼された作業療法のオンライン勉強会の準備と実行でした。実はかなり入念に計画をして、『Willard & Spackman’s OT』を基にした有料の勉強会を計画して準備もしていました。自身も『Willard & Spackman’s OT』の翻訳を進めて、メンバーともどう解釈するか?も話し合いを重ねてました。意外と日本語に翻訳してもわかりにくいという意見も多かったので、要約だけでなく、時にはRefernceの論文を読みながら、より細かく、丁寧に解説を作っていました。

ただ、吉川ひろみ先生を中心に、みんなで『Willard & Spackman’s OT』を読むプロジェクトがあるみたいなので、企画自体を変更する必要があるかなと考えています。友人たちからは「勿体無い」という声もありますが、『洋書で学ぶ作業療法』みたいな形にすれば、まだまだ用意できる企画もあれば、それなりにあるので、練り直しですね。一応、内輪では『Willard & Spackman’s OT』を基にした勉強会をしようかなと思ってますが、どうなるかはメンバーとの話し合いですね。個人でやるかもしれないし…。ちなみに勉強会の計画と準備途中でできたのが以下のnoteの記事でした。

友人に『Willard & Spackman’s OT』をどうして選んだのか?と聞かれたことがあったのですが、①できるだけ国際的に通用する知識であること、②最先端の内容であること、③内容的に偏りが少なく、誰であっても学んだほうが良いことを基準に選んだからです。著者が多く、世界中の研究をもとに書かれた最も新しい教科書である本書は、その3つの条件を満たすものであり、多くの人に知っていただきたい内容でした。

またそうした知識を伝えることを重視するのは、SNSをはじめ、やや偏っている、または古い知識がまだ更新されていないままになっていたのもありますが、(作業療法ではないですが)自分自身が国際的な正しい知識や技術を知らなかったこと、後で身につけることが大変だったという痛い目にあった経験があるからです。また、国際的な作業療法、作業療法研究の動向を多くの人に知ってもらうのは、自身の研究(修士の研究だけでなく、今後の研究)より多くの人に理解していただくことにつながる、というのもありますね。まあ甘々かもですが、この件は半分くらいの達成ということにさせてください🙇。

④noteを書く

この目標は達成で良いと考えてます。とりあえず月に1つは書くということを達成することができたので、達成で良いのではないかと。中にはもっと良い内容を、数多く書いている作業療法士の方もいるので、向上の余地はありますが。インプットに偏りがちな自分にとっては、ちょっとしたアウトプットになってたんじゃないかなと思います。ちなみに最も読まれたのは、以下の記事でした。

確かチリの作業科学者のAdolfo Morrisonの論文を基に、デューイの書籍の内容も参考にしながら書いたのが、作業療法の歴史というテーマでした。これは、大学院でご指導いただいた京極先生と寺岡先生が過去に行っていた、Live Study「らいすた」の作業療法の源流を継承しながら、別の視点からまとめ直してみるというチャレンジでした。要点だけでなく、ミクロな視点で詳細に書いていくというのも一つの試みでした。Morrisonは、南米で行われている「社会的作業療法」の源流として、アダムズやハルハウスを位置付けていて、そのことも紹介しています。今、日本でも「社会的作業療法」が注目されてますが、歴史について書いていたときは、実はちょっと先取りしてたんですよね。作業科学でも作業的公正が提唱されたのは2004年頃ですから、社会問題に介入していくこと自体は、最近になって概念化、ネーミングがついただけで、実際は新しくもないのかもしれないですけどね。幅が広がったということですね。

ただMorrisonが取り上げた、アダムズとその後継者だったスレイグルだけでなく、トレーシーにも焦点を当てたのは、時折、散見される、または耳にする「作業療法は医療ではなく、社会でこそ行われるべき」というほど、作業療法は単純なものではないと考え、また歴史を細かく見ていく中で、作業療法の領域または応用範囲の広さを、源流の時代に示していたであろう可能性の大きさを示したいと考えたからです。

そのため、Occupationというデューイの概念を初めて学術的に採用したトレーシーとデューイの接点を調べたり、トレーシーのことを書いた論文や書籍を探し、トレーシーが書いた書籍を少し実際に読むことで、「医療においても作業は必要だ」と考えられていたことを確信できました(ただし、トレーシーについてはあまり資料がなく、資料探しは本当に大変だった)。そのため、今後の作業療法も、ポストモダンの思想やパラダイムに大きく影響を受けた「医療か、社会か」ではなく、ポストポストモダンである「医療も社会も」包含しうるパラダイムに移行していかないとな、と考えています。これは大学院での研究室で学んだことも大きく影響していると思います。

この歴史をテーマにした記事は、作業療法士以外の方々から好意的な反応があって、引用した書籍の著者の方から「いいね」をいただいたり(引用したからに過ぎないと思いますが)、人文学・社会科学系の研究をサポートしている方からも「非常に興味深いし、もっと書いて欲しい。続きが気になる。」というメッセージをいただいたので、非常に嬉しかったですし、達成感がありました。今はプラグマティズムやデューイの哲学が再び脚光を浴びているのか、作業療法もそうした関心を持つ人には興味深いのかもしれません。また様々な人に「作業療法の歴史に詳しい人」と印象がついたようです。妥協せずに、論文や書籍を基に書いたのもあるでしょう。また気が乗ったら、作業療法の創立後の歴史についても書いていくかもしれません。

⑤作業療法、作業科学、質的研究の英語文献の翻訳を5冊分完成(個人用)

これは文字通りの目標の定義では、完全には達成できませんでしたね。上記にも書きましたが、個人的に勉強ノートとして、One Noteに海外論文と英語の文献の翻訳を記録をしていてました。ちなみに、目標を立てていた時に、同時並行で読み進めていたのは、『Willard & Spackman's OT第13版』、『Introduction To Occupation』、『The Meaning of Occupation』、『Occupational Science for OT』、『Transactional Perspective On Occupation』、『Qualitative Research Methodologies for Occupational Science and Therapy』、『The History of OT』、『Qualitative Data Analysis』などでした。

ちなみに完璧な訳とはいかないのですが、『Transactional Perspective On Occupation』、『Qualitative Research Methodologies for Occupational Science and Therapy』は何とかできたかなという感じです。『Introduction To Occupation』、『The Meaning of Occupation』、『Occupational Science for OT』、『The History of OT』、『Qualitative Data Analysis』などはまだまだですね。その代わり、『Willard & Spackman's OT第13版』を翻訳していたら、『Willard & Spackman's OT第14版』が発売され、そちらに切り替えて、上記の準備で急ピッチで読んで、半分くらいはできたかなあという感じです。まあ1400ページにあたる半分くらいなので、1.5から2冊分はやったかなと思うので、4冊分くらいは訳したんじゃないかなと思います。そう考えたら、8割くらいの達成率だったのかなと思います。最近、新版の『Qualitative Research Methodologies for Occupational Science and Therapy』が出ているので読みたいし、論文化の指導を通して大学院の先生に勧められた、コーディングの本も読み進めたいですね。

目標を振り返って

こうしてみると、甘々につけると7割くらいの達成度、厳しくしたら5割程度の達成度だったかなと。ただ達成度はともかく、自分なりに何らかのチャレンジはできた一年ではあったと思います。作業療法やリハビリテーションの文脈でも目標設定の重要性は明らかになっていますが、目標を立てて、努力する重要性を再確認できたような気がします。来年も目標を立てたり、現在受講しているキャリアコンサルティングを利用して、どんどん自分らしい生き方ができたらいいなと考えてます。

最近のオススメの本

ここからは、需要があるかはわかりませんが、自身が気になった書籍や購入した本、読みはじめた本を紹介していきますね。


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