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映画「ファーザー」をみて思ったこと。

こんばんは。
今日の東京はどんよりしたお天気で、なにより、湿度が高い!!
夏は大好きですが、夏になる前のこの、ジメジメした時期は苦手です。ダニとかも怖いし……。←世界一周して、アフリカでテント生活してたらアレルギーになりました。苦笑

■はじめに。そんな中、オスカー受賞のファーザーを鑑賞!

この作品について、知らない方はこのツイートの記事を是非。文章が上手すぎて、伝えるべきことも秀逸にまとまり過ぎていて、書いた方(SYOさんというらしい)に嫉妬しました、ハイ。


このようなプロ中のプロの文章を読んだ後に、ほぼ素人の自分が考察記事を書くのもどうなの?と思いますが、アンソニーホプキンス氏は子どもの頃からのわたしのヒーローなんです。しかも、ダークヒーロー。

1991年に公開された「羊たちの沈黙」言わずと知れた名作ですが、この作品によってわたしの人生は変わりました。
元々、トランスジェンダーの気があり、男勝りに活躍する主人公の女警官クラリスに憧れたし、なにより、「人を殺して食べるサイコパス」なのに、気品に溢れるレクター博士に魅了されました。

レクターを演じた、アンソニー氏。その彼が、30年の時を経て、今度は「認知症に翻弄される83歳のおじいちゃん」役で、オスカー主演男優賞を再度、受賞したんですよ。
ロマンがあると思いませんか!!?


■先進国が抱える問題は、どこも一緒なんだなあ。。

作品は、ツイートの記事にあるように「認知症をサスペンスとして描く」まさにそれ!でした。
観客は、認知症が進行していく主人公(アンソニー)の視点で映画を見ることになります。

日本では特に強く感じますが、超高齢化社会が未曾有の大問題になっているのに、それを直視できる人がいません。見えないふりをする。

わたしは、このnoteでも再三書いていますが、世界を二周した経験上、「寿命を全うした高齢者は自然の摂理に則った死を迎えるべき」だと思っています。
なので、コロナのワクチンも、高齢者から順番に……というのも、どうなの?と思っています。実際、インドネシアなどでは、勤労世代を優先して接種しているようです。


こう書くと「あなたはなんて冷たい人なの!」とか「自分の家族にも同じことが言えるんですか!」と、見知らぬ人からお叱りを受けるのですが、アンサーは、

「冷たいというか、物事を論理的に考えるタイプです。
家族に関しても、奇跡的とも言うべき確率で祖父母4人とも80代で健在です。
まだ、認知症を患っていないわたしの祖父母は、全員「ピンピンころりで逝きたい。ボケちまったら、こんな自分の希望も、わかんなくなっちゃうのかねえ?やだねえ」と言っているので、ピンピンころりを心から応援しています」


なんですね。おかしいでしょうか?自分としては、至極全うな意見だと思っています。

なので、大好きなアンソニー氏が自分の祖父母に重なり、立派だった頃の自分を見失い、もはや「これはホラーだ」と思うような生活になってしまうのかな?と思うと、悲しくなりました。

「さっきまでいた人が、急にいなくなる」「見たこともない人が、あなたの娘よ!と主張する」「大切な家族とずっと会えていない。その理由もわからない」「朝起きたと思っていたのに、実は夜だった」日常がホラーなんです。


そのようなモヤモヤ、イライラが募って時折、大声を出して周りの人たちを威嚇するのですが、これも、冒頭の記事の、

「アンソニー=レクター博士のイメージを逆手にとった、急に癇癪を起こすシーンの迫力が、どこか空虚に映る」

そうなの!それなの!!まさにそうなの!!これ書いた人、秀逸すぎるよーーーと、感動しました。例えが的確過ぎて……。
まさに「計算し尽くされたカオス」でした。


■娘さん視点の描写も、ちゃんとある。なので、現在介護で悩んでいる人にもお勧めです。

同時に、変わりゆく父を支える娘のアンの視点でも、物語は進んでいきます。
観ていると「えっと?これは、どっちの視点なのかな?」と、何度も惑わされ、最終的には「え??何が現実?どこまでが本当のことなの?」と、観客もまさに「認知症の患者状態」になります。とても斬新です。

同時に、
「ね?認知症って、実際に罹患する方も、支える家族も、めちゃくちゃ大変でしょう?そろそろ、見て見ぬ振りはやめようぜ!?」
と、問いかけられているような気持ちになり、嬉しかったです。

このような、問題提起をしてくれる作品が、もっともっと世に出てほしい。評価されてほしい。


■一番気になった点。(ネタバレ注意!)

ネタバレになってしまうので、映画を見る予定の方はここは飛ばしてください。


作中で、2度、アンソニーが暴力を受けるシーンが出てきました。
あれは、現実だったのか?はたまた、夢?それとも、認知症ゆえの幻覚??

個人的には、ひとつはほぼ確実に現実であり、もう一つはどっちなのだろう……現実だとしたら、辛すぎるなあ。。と、思いました。

そうやって、自分でも自分のことがわからなくなっていき、自信を失くし、どんどん老け込んで気弱な老人になってゆく。時には、幼児後退して泣きじゃくる。。アンソニー氏の熱演に涙でした。

この作品は原作の戯曲があるそうですが、ご存知の方がいらっしゃれば、是非教えてください。


日本でも、介護疲れによる殺人事件は後を断ちません。本当に、これ以上の悲しみってある??とわたしは思うので、早く、安楽死・尊厳死が日本でも認められてほしいです。

そして、施設に入れるのは可哀想だ!なんて思わずに、経済的に可能ならば、迅速に施設へ。と、思います。
もちろん、施設での職員による虐待のニュースなども多いので、下調べも重要ですが。。

それ以外でも、Twitterで見た衝撃的な介護士による投稿がありました。

「入居者の男性が部屋を抜け出し、寝たきりの女性のおむつを脱がし、糞便の付着した性器を舐めまわしていた」

読んで、めまいがするほどゾッとしました。それほど、理性を失い、本能のみに動いてしまうのは、認知症ではよくあることみたいですね。。
もしも、わたしの祖父母が施設に入り、そんな目に遭ってしまったら……??加害者としても、被害者としても、どっちも考えるだけで嫌です。

となると、やっぱり、一番良いのは安楽死・尊厳死を認めることなんですけどね!
どうかどうか、わたし世代が認知症を患う年齢になる頃には、認められていますように。。


■おわりに。

かなり主観的な感想になってしまいましたが、映画として面白いだけでなく、いろんなことを考えさせてくれる、良作でした。

是非、たくさんの人に観てほしいです。ですが、今は休業中の映画館も多く、政治に対するヘイトも蓄積される一方です。。

コロナに対する間違った政策をやめ、シルバー民主主義をやめ、ピンピンころりを望んでいる高齢者を寝たきりになっても管に繋いで無理やり生かすのをやめ、現役世代や女性、子ども達が未来に希望を持て、笑顔になれる国づくりを……頑張ってほしいですね。
(99.9%無理だと思っていますけど。日本はもう泥舟だと思っていますけど。実力のある若者は海外行ったほうがいいよ!って思ってますけど、、あ、つい本音が……苦笑)


以上、長々と読んでくださった方、ありがとうございました。

久々に、良い作品だったな!と、観終わってからも余韻に浸り、考察を探し、自らも書いてしまうほどの作品でした。



まだまだ物書きとして未熟者ですが、サポートいただけたらとても嬉しく、励みになります。