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DHA、EPA、ao

11月に入った講演の仕事に向け、勉強をしなければと図書館を漁った。
検索の網ですくい上げた書籍はしかし、家の近所の図書館ではなく市内各区の図書館に分散している。
急いで取り寄せを頼んだら、数日後、6冊が一挙にやってきた。

2週間内に6冊か、今そんな時間取れないかもと思いながら昨日1冊読んでみると、これがなかなかおもしろい。
気がついたら夕方までに3冊読み終えていた。

さすがに目が疲れたが、そんなときはDHAとEPA、えっとつまり、サバだ。
冷凍庫にサバが眠っているのを知っている。
僕が密かに仕込んでおいたサバだ。

1週間ほど前のこと。

スーパーでうまそうなサバを見つけた。
丸っこくてかわいいヤツ。

味噌煮もいいかと連れて帰ったが、エラはきれい、内蔵もきれい。
ならば〆サバにしよう。

3枚におろすと、ほんのりピンクが美しい。

強塩で水気と臭みを出し切ってから酢〆し、アニサキス対策で冷凍庫へ。
行ってらっしゃい。

読書で目がシュンと疲れた今こそ、サバ召喚の時だ。

冷凍庫から取り出したサバは、解凍時に1滴のドリップも出ない。
しっかり脱水できていたのだろう。

皮をツーッと引けば、鮮やかな青光りが出現。

見た目以上にずっしり重いのは、これも脱水ができていた証拠。

包丁を入れると、先週のピンクとはまた違う断面。
熟成が進んだ身の落ち着いた薄紅色に、うっとりする。

さぁさ、〆サバ、召し上がれ。

いやもう何やねんこれめっちゃうまいやん。
アカンて、安いサバも手ぇかけたらこないにうまなるやなんて。
焼いたり煮たりすんはちょもったいないんちゃう?

「居酒屋の質は、だし巻き卵で分かんねん」
そう言って、最初にだし巻き卵を注文する同僚が昔いた。
おもろい説やけど、居酒屋で最初に頼みたいのはこう、刺身とかお造りとか刺身とか…でない?
「お、うまいうまい、ここの店いけるわ」
彼はそう言うが、どう見ても業務用冷食をチンしただけだ。

一時期いっしょに仕事をした横浜の女子はこう言った。
「居酒屋の質は、〆サバで分かるんです」
おぉ、〆サバこそ最初にふさわしい!
さっそく日本酒いこかな…とか考えていると、その女子、店の大将に向かって手を挙げる。
「〆がちょっと足りないんじゃないですか?」
「すみません…今日は用意してたもの全部出てしまって…それは〆の浅いヤツになります」
ひゃぁっ! 〆サバで店の質が分かる説、ほんまもんや。

僕の〆サバ、その女子が食べたら何と言っただろうか。

FMのラジオ局から封書が届いた。
ん? インタビューの依頼でも入ったのか?
封を開けてみると…わぁっ!

イチ推し激推し、高2のシンガーソングライターaoちゃんの直筆サイン入り番組ステッカー!

6月に僕の送ったメッセージがラジオ番組で採用された、その特典だ。

メッセージに住所・氏名も併記しなければいけないのを忘れ、後日慌てて再送したりしたから、もうすっかりダメなものと諦めていた。
めっちゃ嬉しい!

昨日の僕を元気づけたもの。
DHA、EPA、ao。

(2023/9/26記)

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