今もサックスの野太い音色が鼓膜を震わせ続けている
昨日、初めて1日に3本の記事を書いた。
通常記事(毎日投稿のこのエッセイ)
「書く人あれば読む人あり」(メンバーシップ特典記事)
エッセイ講座(メンバーシップ企画)
もともと第1・第3日曜日は2本を書いてきたが、ボリュームの大きなエッセイ講座を2.から独立させたのだ。
分けるだけだから大変さは以前と変わらない、はずだった。
ところがどっこい。
分離したそれぞれが1本の記事として成立するよう書いていたら、結果として昨日の大変さは体感的に前回比200%を記録した。
心地よい充実感を味わいながらも、持続可能でなければならないことを思えば、どんな形がよいのか模索しなければ。
ただ、昨日は他にも時間を要することがいくつかあって、3本デビューを果たすにはそもそも大変な1日だった。
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昨日の午前中、父の様子を見にいった。
父の日だからというわけではなく、父が居室内で転倒しケガをしたと施設から連絡を受けたからだ。
このところ微熱が続いて、ふらっと倒れてしまったらしい。
父は、知らん間にケガしてたわと力なく笑う。
部屋には施設から貸し出された車イスが置いてあった。
危険防止のため、熱が下がるまでは歩くなということだろう。
意外にも元気な父を見て安心した。
しかし一方で、そのか弱い笑顔がかえって痛々しくもあった。
父との時間をもう少し取らなければいけないな。
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午後、映画『BLUE GIANT』を観に三宮へ。
ジャズのアニメなのだが、僕はジャズは大好きなのにアニメに疎く、その存在をまったく知らなかった。
公式サイトによると1か月半で興行収入10億円突破の大ヒットらしい。
結果、僕は2時間ずっと涙を流し続けた。
本当にやりたいことを貫く尊さ、努力、自分を信じる力の大きさ――
そんなベタな青春の熱さに圧倒されたのだ。
自分はどうなんだ?といちいち考え、いちいち泣いた。
劇中で何度も開かれるジャズライブが見どころで、圧倒的パワーのサウンドが終始炸裂する。
「拍手歓迎」と銘打たれた本作は、曲間で拍手が鳴るほど観客が映画に入り込みライブを楽しむ。
音楽とピアノ演奏を担当したのは世界的ジャズピアニスト・上原ひろみ。
その音に圧倒されるのはあたりまえだ。
しかも上映館は神戸で最も音響がよいとされる〈シネ・リーブル神戸〉で、のっけから全身が音のシャワーに包まれた。
ジャズファンでなくとも、この音を聴けば問答なくジャズの世界に魅了されるに違いない。
自分のやりたいことをやらずして何が人生か。
そんな人生を実現するために何が必要か。
今もサックスの野太い音色が鼓膜を震わせ続けている。
(2023/6/19記)
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