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文具を通してきっと神戸まで好きになってしまうはずだ
神戸に〈ナガサワ文具センター〉という老舗の文具店がある。
明治15年の創業時は〈長澤紙店〉といったらしい。
文具の老舗といえば銀座〈伊東屋〉。
だが〈ナガサワ〉のほうが20年ほど歴史は古い。
ちなみに「文具」と「文房具」の違いをご存じだろうか。
▼文具
事務用品、製図用品、デザイン用品、学童用品、家庭用品など全般
▼文房具
文房(書斎)でもっとも大切な、硯、筆、墨、紙の筆記具4点
ナガサワの屋号に入る「文具」は、何でも揃うの意なのだ。
文具店は、小学生でも立ち寄る身近な存在。
だが今やスーパーやコンビニ、書店などの異業種にも文具が置かれるようになり、文具店の存在感は低下した。
オフィスの御用聞きという役割もネット通販の台頭で一気に崩れ、正統派文具店は苦境に立たされている。
しかし、ナガサワは歩みを止めない。
三宮センター街のナガサワ本店の一角には、〈PenStyle DEN〉という万年筆のコーナーがある。
![PenStyle DEN](https://assets.st-note.com/img/1664186436847-oOXCZjTQze.png?width=1200)
万年筆ファン垂涎の品揃え。
![世界の万年筆](https://assets.st-note.com/img/1664186752553-21EOMbGgyt.png?width=1200)
どれだけデジタル化されても書く文化のすばらしさを広めたい、とはナガサワ社長の弁。
この店に来ると、ものを書くのはやっぱり万年筆よなといつも思う。
さらに、ナガサワといえば「Kobe INK物語」。
神戸市内の各地域をイメージした色のインクを次々作って、なんと82色。
![Kobe INK物語](https://assets.st-note.com/img/1664186789119-GHX3g0vmSu.png?width=1200)
はじまりは、六甲の深い森の色を愛用の万年筆に忍ばせたい、と企画担当が作った〈六甲グリーン〉だった。
![六甲グリーン](https://assets.st-note.com/img/1664186815397-R6sCMIzbKf.png?width=1200)
続いて、メリケン波止場の青空を映す〈波止場ブルー〉が誕生し…
そして続々増えた。
![Kobe INK物語色見本](https://assets.st-note.com/img/1664193430423-BnjliX3mGE.png?width=1200)
©ナガサワ文具センター
僕が小中高時代を過ごした塩屋は、こんな色だ。
![塩屋ブルー](https://assets.st-note.com/img/1664193910186-lWWT4f90ze.png?width=1200)
攻めるナガサワ。
地域に根ざし、他店が思いもつかない商品開発を続ける限り、ネットの脅威など歯牙にもかけないに違いない。
僕の手元の、ナガサワから来たものたち。
![](https://assets.st-note.com/img/1664192798941-wk3QIiCaFD.jpg?width=1200)
五線譜のメモは、頭に浮かんだメロディを書きとめるためのものだが、最近なかなかできていないな。
しまい込んでいたガラスペンにももっと活躍の場を。
![](https://assets.st-note.com/img/1664192807647-DWTcNk1tzA.jpg?width=1200)
直径3cmの地球もナガサワから。
![](https://assets.st-note.com/img/1664194720274-b8b6OlSSF3.jpg?width=1200)
北極と南極に仕込まれた磁石で、ふだんは冷蔵庫にピタッ。
***
観光途中なら、ハーバーランドにある神戸煉瓦倉庫店もいい。
文具を通してきっと神戸まで好きになってしまうはずだ。
![NAGASAWA神戸煉瓦倉庫店](https://assets.st-note.com/img/1664229427759-5QMhr51vjz.png?width=1200)
(2022/9/27記)
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