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旨し、麗し、深し、姫路

姫路といえば〈えきそば〉、というのは以前書いた。

たしかに〈えきそば〉は今や姫路名物であり、固定ファンも多い。
でもオススメしたい姫路名物はもちろんそれだけではない。

アナゴ

アナゴは、東では羽田沖で獲れたもの、西では瀬戸内で獲れたものが上物とされ、姫路のアナゴはまさにこの瀬戸内産。
生まれ育った明石もアナゴの産地で、小さな頃からふんだんに食べたが、姫路のアナゴもなかなかのもの。

姫路駅すぐの〈やま義〉で極上のアナゴを。

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繁盛店につき、満席で入れないこともしばしば。
気長に待つ覚悟が必要だが、店頭には待つスペースがない。

店のお品書きによれば、タレをつけて炭火で焼き、その後煮汁で炊いてから蒸すとのこと。
香ばしい焼き目と、ふっくらが両立して、うまうま。
子供の頃から大好物のアナゴ寿司もあわせて頼んで大満足。

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姫路おでん

全国にご当地おでんは数多あるが、姫路おでんの特徴はしょうが醤油で食べるところ。
小皿にとったおでんにしょうが醤油をドバドバかけたり、逆に小皿に入れたしょうが醤油におでんをつけたり。

アナゴ〈やま義〉の前に立ち、背中を向いたら〈灘菊かっぱ亭〉。
姫路の酒蔵〈灘菊〉の直営店で、銘酒と姫路おでんが楽しめる。

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これぞ姫路おでん。
ほら、しょうが醤油がたっぷり。

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酒蔵特製のうり粕漬けやもろみ味噌もおいしかったが、最近はないかも。

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もちろんお酒は〈灘菊〉の純米大吟醸から本醸造までなんでも揃い、どれもこれもが旨いことはあらためて言うまでもない。

玉椿

もう一つ挙げたいのは、伊勢屋本店の姫路藩御用菓子〈玉椿〉。

画像7©伊勢屋本店公式サイト

11代将軍・徳川家斉の娘と姫路城主との婚礼に作られたという。
椿の花を象って、黄身あんをピンクの求肥で包んでいるのだが、これが実に上品な甘さ、柔らかさ。

加古川の祖母が家に遊びに来るとき、この〈玉椿〉が手土産のことが多く、大好物だった。
もう祖母はいないから食べたければ買いに行くしかないが、わざわざ姫路に行ってでも食べたい、城下町・姫路を感じる逸品だ。

***

姫路城は世界に誇る名建築。
往時の姿を今に伝える城の中で、これほど美麗な城は他にない。

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城を語り出すと止まらないので、また稿を改めよう。

兵庫県下では神戸に次いで大きな町・姫路。
でも歴史の深さでいえば、播磨国府が置かれた姫路に分があるだろう。

旨し、麗し、深し、姫路。

(2021/10/5記)

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