演奏上達メソッド 転倒リスクを減らす

 前回、メトロノームや伴奏が、自分の演奏に対して「速い」と感じた時、
演奏を速くするのではなく、運指の力みを減らすべき、と提案した。
 
これは、たぶん正しいのだけど、一般的には受け入れられにくい。
理由は、すぐに効果が得られないから。
 
アレクサンダー・テクニークもそうで、プライマリーコントロールでは、
頭、首、脊柱を上方向にしなさいと言っている。
私は、直感的にこれは正しいと感じたので、この10年間意識して、
日常生活やランニングの中で取り入れている。
しかし、効果はというと特に目立ったものは無い。
だから、やはり一般的には受け入れられにくい。
 
ただ、私は1つ言い忘れていたことがある。

「ヴァイオリンの演奏の難しさは、肩甲骨を後ろに引いた状態で、
腕を前に出して楽器と弓を持つこと」にあると言ったが、
このためには、頭、首、脊柱の上方向が前提となっていた。
 
脳は、頭が前傾しているだけで、転倒リスクが高いと判断する。
一時的に肩甲骨を後ろに引いても、すぐに脳が元に戻す。
脳は、頭が両肩の真上にあることで安心するのかもしれない。
 
上達するために必要なことは、
「脳に転倒リスクを意識させないこと」
である。
 
アレクサンダー・テクニークがプライマリーコントロールで
提案している体の使い方の核心も、ここにある気がする。
 
現在、ほとんどの人はスマホを見るために頭が前傾している。
この習慣は、演奏の上手なヴァイオリン奏者を減らしている
のではないだろうか。
 
 
 
 
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